Rap1046-タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断?-4
Rap1046-タムラ先生夜間外来総合
Rap1046-タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断?-4
「えっ、殺虫剤ですか・・! はい!」看護師も少し驚きの声で!
そして、健太郎の耳の中が急に静かになった。
ハエが死んだのだろう、診察室は急に殺虫剤の臭いが充満した。
「どうかね、ハエは死んだかね!」
「はい、多分・・・羽の音がしません!」
「よし、セッシ(ピンセット)だ!」
「うん、意外と見づらいな!」「明かりをくれ!」
「どうですか?・・・取れそうですか?」
「そうせくな、今やっている!」
なかなか、取れそうも無い。
健太郎は徐々に、新たな不安が増してきた。
そのDrは、健太郎を寝かせたり、立たせたり・・・・・
だが一向に死んだハエが出てくる様子はない。
「これは、無理かな?」
「どうだい、このまま明日まで、待つと言うのは?」
「えっ、嘘でしょ、それはまずいですよ!」
「しょうがないだろ、耳鼻科やっている所・・・・、無いんだから!」
「何とかしてくださいよ!」
思案に暮れるDr・・・・・が、はたと思いついたように
「そうだ、掃除機で吸おう!」
「えっ、今度は掃除機ですか!」
「うそ、鼓膜が破れちゃうんじゃ・・・ないですか?」
「大丈夫だろう、吸引力を弱くすれば!!」
そんな状況を見ていた救急隊員が、突然叫んだ。
「あっ、そうだ、以前やはり耳に異物を子供が・・」
「あそこの先生・・・だ!」
「耳鼻科のサクション(吸引機)で無事に取ってくれた先生がいた!」
「君、その事早く言えよ! で、そこの先生は・・・・」
「***病院のタムラ先生です!」
「それじゃあ、早く連絡取れ・・よ!」
「はい、直ぐに・・!」
トイレの中で山本愛はもう、意識は薄れかけ、
トイレの便座にうつ伏せにしているのがやっと。
薄らいでい行く意識の中で、誰かの名をかろうじて言おうと・・・
しかし、もう言葉は無い。
意識レベルはかなり低く、脈打つ力が非常に弱い。
かなり危険な状態だ。
そこへ駆けつけたマネージャー、
彼女がトイレで倒れている事を、店の従業員から聞き、
従業員の協力でトイレのドアを開けることが出来た。
しかし、直ぐに状況を把握して、大至急救急車を呼んでもらった。
行き先は、T総合病院夜間外来、そうタムラ先生がいる場所だ。
連絡は既に取ってあり、救急車に受け入れ先を伝えた。
が、しかしタムラ先生、婦人科の症状の場合果たして・・・・・、
患者を診れるのか・・・・
「愛、大丈夫か!?」
「しっかりしろ、おい、愛!!」
「うぅ・・・??」かすかに返事らしき声が・・・
救急車の中で必死にマネージャーは愛の名を呼ぶ。
彼の真っ白なスーツも真っ赤に染まっている。
何故か、マネージャー今日は白いスーツ。
どこかに行く予定で、おめかししていたのだろうか。
何とも派手な色合いだ。
彼女を抱きかかえて、救急車に載せるまでにも、相当血液を吸っている。
薄汚れた、独特の臭いのする血液を・・・・。
そう、その血液はかなり臭う。
愛の下半身から出血した血液だからだ。
しかし、彼はそんな状況を判断する余裕はない。
彼女は、彼にとって大切な商品なのだから・・・・
サイレンを止めた。
もうすぐだ!
助かるだろう、麗奈さんと、タムラ先生で・・・
岩下桃は大きな声で叫んだ。
「先生、だめ、切断して下さい!!」
「いや、治して下さい」
タムラ先生どうやら、二人に事の次第を聞かずにはおれないだろう。
「おい、青年よ!」
「君は、何をしたんだ?」
「実は・・・組の金を・・・集金した金を・・使ってしまいました!」
「使い込みか? どれ位だ?」
「はい、50万ほど・・・です!」
「えっ、あんた、30万だって、・・・」
付き添っていた気風のいい岩下桃が叫んだ。
「それは・・・その・・ぉ・・」
「まったく、あんたって奴は・・嘘ばっかり!!」
「先生、早く・・・小指切り落として下さい、そんな嘘つきの小指!」
「切り落とすのは簡単だが・・・元に戻すのは・・・大変だぞ!」
「最近、落とした指復元して欲しいと言う患者が、後を絶たないんだぞ!」
「えっ、そうなんですか?」
「で、元に戻るのですか?」
「それは、無理だな・・・!」
「じゃー、どうやって?」
「それは、義手と言うか義指だな!」
「それは、どれ位かかるんですか?」
「まあ、状況にもよるが、さっと80万ぐらいかな?」
「えっ、じゃー・・・損ジャン!!」
「あんた、そんな計算、今出来る状況!!」
「あっ、そうか・・・」
「でも、何とか小指残したい。絶対・・に!」
「無理でしょ、お金ないし・・・それに、親分・・・許して・・!」
「で、君は何処の組の人間なんだ?」タムラ先生助け舟か・・・
「はい、***組です!」
「そうか、それなら・・・何と・・か・・」
そこへ、電話が・・・立て続けに2本鳴る。
1本は救急のホットライン、そしてもう1本は、
内線電話が・・・・鳴り響く・・・
さあ、これからが、チームタムラの本当の活躍の場が・・・・
そろそろ、結末が見えてきたようですかね?
今回も、これ迄ですね!
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1046
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr