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Rap1045-タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断?-3

Rap1045-タムラ先生夜間外来総合


Rap1045-タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断?-3


「えっ、耳鼻科の救急外来やっている所がない?」

 「はい、ただ今問い合わせ中です。・・・が、なかなか苦戦中です。」

「そうですか?」

「耳鼻科以外で、診てくれる病院は無いのですか?」


 「その事を含めて、探しています!」

「有難うございます。」

何と彼はその消防署に向かって歩いていた。

何しろじっとしていられない。


いらいらして歩き続けて気がついたら、消防署にいた。

それを見つけた消防署員、健太郎を見て首を横に振る。

結局、駄目なのだろう。


健太郎もう我慢の限界、このまま朝を迎えるなんて、無理だ。 

「もう何処でも良いです、病院に連れて行って下さい。」

 「そうですか、ではこの辺の当番医に行きますか?」

「はい、そうします。」


やって来たのは、中規模の病院だ。そして、その医師も少し困惑気味。

「困ったな、虫は明かりをかざせば外に出て来るだろう!」

「はい・・・」

 「大き目の懐中電灯を持って来てくれ!」

「はい!」答えたのはここの看護師だ。


そして、健太郎の耳に明るい大きな指向性の強いライトが当たる。

するとよりいっそうハエの羽ばたく音が大きくなる。

ハエも出たくて必死なのだろう。

 が、羽ばたけども光を当てようとも、耳の曲がった構造のトラップから出られずに、

さらに大きく激しくもがく。


健太郎はもう頭の中が、ブルブル、ジンジン、発狂寸前だ。

「先生、早く、何とかして下さい! 早く・・・早く!」

 「よし、殺虫剤だ。早くもってこい!」

「えっ!」健太郎叫ぶ・・・

「えっ、殺虫剤ですか・・!  はい!?」看護師も少し驚きの声で!


「そうだ、虫が死んだら静かになる。」

「そして・・・セッシ(ピンセット)で取ればいい!!」

 「そうですか・・・そうかも??」

半信半疑の健太郎、少し納得



「ねえ、あなたが婦人科に行ったら・・・まずくない?」

「あっ、週刊誌か・・・まずい・・わ! 絶対!!」

 「で、今の状態は?」

「相変わらず痛いわよ!」

 「どの程度・・!」

「頑張ってやっとこ携帯持って喋ってる・・ん、だから・・!!」

 

「そう、それでは、私の良く知っている病院に行こうか?」

「何でもいいから、早く・・・お願い、痛いの、・・・う・・痛・・!」

 「それじゃぁ・・・、今から急いでそこに行くわ!!」

「早く着てね、早く・・・う・・あっ!!」


電話を切った途端、山本愛はそこにうずくまってしまい、

意識がもうろうとしたらしく、必死でトイレに向かい、

かろうじてトイレのドアを閉めた。

が、しかし、彼女の歩いた足元には、かすかに真っ赤な血液らしい跡が点々と・・・


その状態を他の客は見ていない。

かなりやばい、相当やばい・・・

トイレの中で、彼女の意識は薄れて行った。

そして、すらりと伸びた脚から流れるように、

血液が・・・トイレの床にはかなりの血液が・・・・


 マネージャーは、何とか、タムラ先生に連絡が取れて、

受け入れを何とかOKしてくれたようだ。

だが、条件付で・・・・



逃げ出した半端な見習いやくざもどき。

彼の名は、石橋竜二。 

そして、彼のエンコのお手伝いをしようとしたのは、岩下桃。

任侠映画で、女組長として名を馳せた名前と同姓だ。

だからと言って、決して何の意味も無い。


だがやたら気風きっぷがいい。

だからと言って、彼をけしかけて本当に切断しようと、

したのではないだろう。

彼の優柔不断に嫌気が差しての、行いふるまいだろう。

が、しかし彼女は確かに、男をいじめるのは好きそうだ。


言葉をマイルドに言い換えれば、今の男のだらしなさに、

活を入れたかったのだろう。

それが、本音だ。

「本当に、お願い、やめて・・下さい! 助けて!」

「ほら、じっとして、行くわよ!」

そして、本当にナイフが小指に・・

 

「痛い、痛い、痛ぁい」

ナイフの刃が5ミリ程入った所でそれ以上に進まない。

骨に刃が当たったのだ。 

かなりの鮮血が飛び散った。


そして、その場を全速力で逃げ出し、

少し覚えのある救急病院に逃げ込んだのだ。

その場所が、そう・・・・、タムラ先生が勤務する夜間外来の病院だ。

本当の飛込みだ。


その後を、あの気風のいい、岩下桃が凄い形相で追いかけて来た。

「こら、走らない!」

麗奈、かなり大きめの声で一括

 「あっ、麗奈さん、助けて!!」

必死の・・・石橋竜二が声をからして・・・

「こら、待て!!」今度はその後を追う、岩下桃


静かな、救急外来が大変な事になっている。

麗奈も、葵ちゃんも当直室から、飛び出して来たのだった。

そして、最近もう一人、救急外来に、麗奈と、決して引けを取らない、

伊藤 愛美めぐみが系列病院から移動して来たのだ。

その三人は二人を取り押さえ、診察室へ押し込んだ。


警備員は、出る言葉がない、呆然と見つめるだけ。

警備員室から血を流しながら、若い二人の男女が走り去ったのに・・・。


それで、出血のかなりある患者である石橋竜二を、

タムラ先生が診察を始めた所だ。

その時、返り血を浴びたような格好になった岩下桃が、

痴話げんかで男を刺したのかと勘違いする。


一番勘違いしたのは、予想道理、葵ちゃんだ、

「これって、傷害事件!?」

 「警察に、電話・・・しなくて・・いいのかな?」

「何、言っているの、小指からの出血よ!」すかさず、伊藤愛美

 

「おまえは、何処見ているんだ?」

「ちゃんと、患部を見て、状況判断しろ! ばかもん!!」

タムラ先生珍しく大きな声で怒った。

「おい、中途半端な、若者!!」

「この小指・・どうするんだ?」


 「えっ・・・、治して・・下さい!」 

 「あっ、・・・いや、切って下さい!?」

「それで、いいんだな?」

 「あっ、やっぱり・・・治して・・下・・」

いきなり、診察室に若い娘が飛び込んで来た。

そして、岩下桃は大きな声で叫んだ。


「先生、だめ、切断して下さい!!」

「いや、治して下さい」今度は、半端な男の声

「何、言っているの、それじゃ・・約束が・・!! 守れない!」

 「おい、どうすれば、いいのだ?」


こんな修羅場、といってもたいした修羅場ではないが。

何度も何度も、経験しているタムラ先生。

タムラ先生はチンピラやくざが、小指を関節にきちんと、

小刀を当てればたいした力も入れずに・・・落とせるのに・・・。

そんな度胸のあるやつは、今は殆どいない。

本当に中途半端なやくざ、チンピラだ。


殆どのチンピラが先ほどみたいに出血はするが、

それで怖くなって外来に駆け込む。

そんな姿を何度も見て来たタムラ先生は、嘆く。


さあこの後、彼ら、彼女たちの行く末は・・・・

まだ、本格的にチームタムラの出番はない。

新たに、麗奈に勝るとも劣らない優秀で尚且つ、


彼女英語、フランス語が堪能らしい、そんな彼女がどうして、

看護師に・・・・・、そしてこの病院へ・・・

小さな謎が・・・・


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1045


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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