表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/288

Rap1042-麗奈、目の前でバイク事故を目撃!2-2

Rap1042-タムラ先生夜間外来総合 


Rap1042-麗奈、目の前でバイク事故を目撃!2-2


 遅れて到着した重傷の男性は、意識レベルは絶望に近かった。 

出血多量で脈もほとんど触れない。

このスタッフ達は、タムラ先生が急遽招集をかけた、

選りすぐりの脳外科のエリート集団だ。


この様な形で集まったのも、タムラ先生の人望の厚さだ。

年齢は比較的若いが、この病院のホープ達で、

いずれはこの病院を背負ってたつスペシャリストたちだ。

名こそ知られていないが、彼らは重度頭部外傷の救急救命に、

低体温療法が救いの道の一つとしてまた、優れていると・・・・・・、

研究を重ね日夜努力を続けている超エリートと言っても良い。

 タムラ門下のエース軍団だ・・・いずれは、DRヘリ若しくは

地上で、特別な任務に就くためにあらゆる訓練を行っている。

 

いずれ・・・・その時が・・・・来るであろう・・・


救急救命の、ほぼ救出不可能な状態の患者に対して、

5%程度の可能性に賭ける。

殆どの救急救命がさじを投げ出す、そんな事例に対して行う。

患者の家族に対しての説得は、同時進行という危険なリスクはある。


その為に術中のビデオ撮影は絶対だ。


幸いにして同乗していた女性から、彼の身よりは無く、

手術承諾書はまず回避される事になるだろう。

またその様な交渉は別の人間が対応する。


今この場にいる患者に対して正しく、低体温療法が有効だろう。

重傷頭部外傷患者に対し、体温を30~32度に下げることで頭蓋内圧を下げ、

酸素代謝率を低下させる。

また、頭部外傷における二次的な脳虚血の改善にも有効であり、

現在最新の臨床経験でも好成績を収めた症例がある。

低体温療法が重度頭部外傷に対し、現在優れた治療法となるかどうかは、

これからの多くの臨床症例で、意見が分かれる事は事実だ。

今後多施設の前向きな臨床経験が行われる事だろう。


多くの症例で、頭部外傷では外傷後12時間以内に頭蓋内病変が、

種々に変化する事がある。

そして、硬膜下血腫では縮小することが多かった。

現在瀕死の男性患者は、対光反射なし、意識レベル300、瞳孔散大、

CT所見で(急性硬膜下血腫、脳挫傷による脳全体の偏位)

この様な状態では殆どの脳外科医は逃げ出してしまう。

すなわち絶望だ。

 

緊急に撮影された、脳挫傷のCT scan像では、

右側の白い部分が脳挫傷に伴う出血。

その周囲に黒っぽく見える部分、すなわちそこが、

挫傷およびむくんだ脳で、反対側の後頭部や側頭部を、

強打した時に出来たと思われる。


脳挫傷とは、頭を強打することによって、

頭蓋骨内で脳が急激に動き、その衝撃で脳に傷がついたものである。

すなわち交通事故の衝撃である。


この傷が、脳血管におよび、出血を伴う。

この出血が大きい場合や、脳のむくみが強い場合に、

手術が必要不可欠となる。

今まさにその状態である。


 低体温療法による緊急手術により、危機は脱出したと思われる。

が、これから果たしてこの患者は、日常生活が送れるようになるか、

多くの課題が山積している。

ちなみに、脳は外側に硬膜があり、頭蓋骨から、順位内側に向かって、

くも膜、軟膜となっています。

急性硬膜外血腫というのは、頭蓋骨と硬膜の間に血腫が出来るもの。

急性硬膜下血腫というのは、硬膜とくも膜の間に決腫が出来るもの。

外傷性くも膜下出血というのは、くも膜と軟膜の間に出血が起こるものを言います。

これからの課題として、

彼が、交通事故によって頭部外傷を受け、意識障害を起こし、

脳質拡大や縮小等の過程を経て、その回復後に行為の計画と正しい手順での遂行、

記憶、思考、判断、言語、注意の持続などが障害された状態を、

高次脳機能障害という。

全般的な障害として意識障害や認知症も考えないわけにはいかない。

この様な脳外科分野に、タムラ先生はお手上げ状態だ。

高度医療が限りなく進む。

タムラ先生は出来る事に最善を尽くす。

そして、後輩の先進医療には寛大だ。

と言うより、時にはオペの見学にも出来る限り参加する。

そして、この低体温療法に大きな関心を持っていた。

そして、そのチャンスが、彼の目の前に・・・そう、

麗奈の話の内容から、緊急招集をかけたしだいである。

今回は専門的過ぎて、理解に苦しむ読者も多い事だろう。

書いている自分も話がうまく伝わったとは思えない。

ただ言える事は、真剣に救急医療には数多くの、

解決しなければならない問題が多すぎる。

リスクのある、訴えられる事例の多い科には、

若い医者は避けたがる。

いつの間にか、医者も人間、リスクは背負いたくない。

患者も助けて欲しいときは、神に頼むように縋る。

しかし、医者も医療の細分化がなされ、専門家が多くなり、

広い範囲で、人間を見ると言う考えが出来にくくなっている。

ある患者は、「医者だろう・・、なら診ろ!」言われた医者は、

「専門外なので診れません。」

医者の言い分は、専門分野で、もしも医療ミスを犯しても、

それは、己の不勉強として、深く反省する。それに自身を持って行ったオペ、

まず大きなミスは起こさないだろう。

しかし、医者だろう、診ろ。と言われ中途半端な自信では、

患者を診れない。

もし診て、最悪の結果が・・・そんなリスクは負えないし、

強要されても断るのが本当なのかもしれない。

が、しかし医者だ、ジレンマがあるのも事実だ。


かなり、道がそれたようです。あしからず!


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1042


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ