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Rap1030-吐き気で嘔吐(おうと)発熱も・・?

Rap1030-タムラ先生夜間外来総合

 

Rap1030-吐き気で嘔吐おうと発熱も・・?

  

 朝から調子の悪い優月ゆつき、通勤途中少し吐き気がした、

微熱も続いている。

食欲も無い、便秘気味なのはいつもの事。

昨夜知美に、彼の事で居酒屋にかなり遅くまでつき合わされ、

愚痴られ続けた。


その時も食欲が無く、まして呑むなんて・・・あり得ない。

知美ぃ、早く終われ、少しは私の事見て気を使え・・・、

この“自己中娘”と念じていた。


やっと開放されたのは、一応その日で早々と家路についた。

一晩中お腹の辺りがゴロゴロ、最近流行の風邪かと思って、

今朝風邪薬を飲んだ。

しかし一向に良くならず!


通勤電車で、いつもの駅の手前の駅で降り、トイレに駆け込んだ。

そして、少し吐いた。

何とか始業時間に間に合ったが、職場についてもすっきりしない。

急ぎの仕事があったので、何とか午前中は仕事をこなした。

昼食も当然食欲無く、水分を摂るのが、せぇーいっぱい。


休憩室で休んでいると、知美が

「優月、どうしたの・・・、具合でも悪いの!」

なんと無神経なやつ、“原因はお前だ”と思ったが、

無神経で自己中のやつには無理と・・・あきらめ、放置。

 午後の仕事もお腹を押さえて、何とか続けていた。

しかし優月を、気遣ってくれる人はちゃんといた。


午後五時近くに、外回りから帰って来た山本幸一が、

優月の顔を見て、

「優月、どうした!脂汗たらたらだぞ、顔中に?」

 「・・・!・・・!」

「体調悪そうだぞ、風邪か・・?」

 「いいえ、大丈夫です!」しかし、いかにも苦しそう。

「大丈夫なわけ、ないだろう?」

山本幸一は医療機器販売のセールス。


優月の様子を観察して、ただ事ではない事に気づき、

少し質問を始める。

病院に出入りしているせいか、ある程度の医学知識はある。

「お腹痛いのだろう、そして、痛みが一箇所に集中して・・・」


 「はい!」

搾り出すように答える。

「その感じだと、熱もあるな!」

と、言って優月のおでこを、自分のおでこに、くっつけて、

「熱い、何でこんなに我慢を・・・」


「早く医者に行こう!」

「そうか・・・でもこの時間・・・診てくれる所・・・」

山本、頭の中を思い巡らす。そして、


「そうだ、あそこなら・・・きっと!」

「おい、知美お前も来い!」

 「えっ、何で・・・?」

「原因はお前だろう、無理に優月、引っ張りまわして!」


 「そんな事、・・・」

山本に怖い目で睨まれしぶしぶ

 「はい、行きます!」少しふてくされて・・・

 「で、何処ですか?」

「黙ってついてくればいい!」と、ぴしゃりと一言


山本、携帯のアドレスから取引先でもある、***病院に電話する。

「あ、いつもお世話になっております、川島医療機の山本です。」

「外科の、タムラ先生、今日はおられますか?」

医局に繋いで貰う。


アポなしの電話は、それなりの付き合いが無ければ、

無理な話だが、それは山本抜かりなく、

コンタクト、フォローは行っている。


「タムラだが、山本君か・・・、」

「で、どうした?」

 「実は、うちの事務員、どうも虫垂炎のようでして!」

「それももしかすると・・・」 


「腹膜炎も併発か・・・」

 「はい、おそらく!」

「で、何時ごろからだ!」

 「詳しくは分かりませんが2日ほど前からだと・・」

「じゃー、救急車で連れて来い!」


 「詳細は、西川君に伝えておいてくれ。ナースに電話を回す!」

西川麗奈は、山本から事の詳細を聞いて、緊急オペの可能性大と踏んで

オペの準備にかかった。


当然タムラ先生にも再確認済み。

麻酔医の手配、オカマワリ、手洗いに看護師達を・・・・、

急遽招集がかけられた。

 その中に、当然葵ちゃんも選ばれた。


知らせがあって15分過ぎた頃、救急車のサイレン音が近づいて来る。

ストレッチャーはすでに待機してある。

救急車の到着と同時に一斉に行動に出る。


速やかにナースが機敏に行動して、患者を搬送する。

まず第二外来に、タムラ先生手早く腹部の触診と、

全身状態から明らかに虫垂炎それも腹膜炎を併発している。


「緊急オペだ」「急げ!」

その言葉にみんな一斉に行動を起こした。

患者は第一手術室に運ばれた。


緊急オペなので、速やかに術前検査を、行う。

採血、血液型、生化(生化学的検査)Ⅰ、Ⅱ。 

採血管での採血後は、そのまま点滴で、ソリタT1 500ml単味持続。

心電図、ポータブルでレントゲン撮影、胸部、腹部XP。


血液検査、当然白血球数は1万6千、体内で炎症。

腹部XPでガスの充満。

腹部触診でデファンス所見確認。

まず間違いなく虫垂炎で、腹膜炎を併発。


 タムラ先生、麻酔医、オペ看を集め軽くミーティング。

葵は、患者優月の剃毛を、素早く行う。

当然手術室に運ばれる前に行われている。

虫垂炎(盲腸炎)のオペは、簡単なオペだが、


今回は腹膜炎を併発しているので簡単というより、

油断すれば命に関わる大変なオペになる。

麻酔医の選択として、おそらく腰椎麻酔より、

全麻の選択になるだろう。


腰椎麻酔は下半身が麻酔にかかった状態だが、

その場合開腹して腹腔内の洗浄、

炎症部位の除去には無理がある。

よって、全身麻酔を選択する事になる。

 

麻酔医は、急速導入麻酔を選択、ラボナールを静脈内注射、

筋弛緩剤としてサクシンも静注。

その後は吸入麻酔を併用、吸入麻酔薬としてセボフレンを選択。

開腹して、直ぐに虫垂の破裂を確認。


膿瘍が腹腔内に拡散、かなりギリギリであった事をタムラ先生、

再認識する。

体温近くに暖めた生食を、既に麗奈は6本用意済み。

腹腔内をその生食で洗浄、ガーゼで細かい場所まで洗い流す。


3回生食で洗浄を繰り返す。

オペ中に抗生物質を点滴内に増量追加、

ペニシリン系薬剤とアミノ配糖体抗生物質の併用を行う。


その間バイタルに大きな変化はなし、

麻酔医はタムラ先生と何度もコンビを組んでいる、

優秀な麻酔医なので当然といえば当然。

執刀医は当然タムラ先生、サブとしてタムラ先生の後輩がつく。

オペ看は勿論麗奈、器械出し。オカマワリは葵チャン。

使用したガーゼの数、ガーゼに含まれる血液量のチェック、

術中の体内に入った輸液量、尿パックに溜まった尿量、

術中の計時変化につれてのバイタル、

投薬医薬品を克明に記録など、

サブの看護師の仕事はかなり大変。


麻酔医がバイタルと、医薬品の使用量は、主に行うが、

それのアシスタント役もこなす。


オペは、ほぼ予想していた通りなので順調に行われた。

ここで、気をつけなければならない事は、患者の体内に忘れ物をしない事。

使用した器具の数の確認、払い出したガーゼの確認と回収したガーゼの確認は、

葵チャンによってOKサインが出た。


洗浄、開腹後の縫合、腹筋、腹膜、表皮膚 を終え、

気管挿管された管の抜管を終える。

暫くして、意識の覚醒が起こる前に鎮痛剤の、投与も怠らない。


オペ室から帰った優月はほぼ25分後には体に倦怠感、鈍痛、嘔吐感が

いっぺんに発現。

やはり痛みが・・・そこで、鎮痛剤の追加をタムラ先生指示。


付き添ってきた山本と知美、優月の元気な顔を見て一安心。

しかし術後に、タムラ先生から、かなり危険な状態にあった事を、

報告された。

腹腔内に虫垂が破裂して、時間がかかった事、

術後に発熱がかなり続く事が予想されるので、

誰か一人今夜一晩付き添ってほしい事を告げる。

また、入院期間が少し長引く事を、親族に話す。


タムラ先生が術衣を着替えて、シャワーを終えて医局に戻った頃に、

山本は抜かりなく、医局に顔を出して、今夜のことをお礼に伺う。

「先生、無理言って申し訳ございませんでした。」

「そうだな、もう少し遅れていたら本当に一大事になる所だったね。」

 「本当に、先生が今夜ここにおられなかったら、・・・・」

 

「本当に、有難うございました。」

「いや、本当に良かった。」

 「後日、お礼に伺わせて頂きます。」

「では、今夜の所はこれで失礼します」

 「まあ、もう心配は無いだろう!」

 「で、患者さんは君の彼女か?」

 

 「えぇ、まぁ・・・ ですね!」

 「可愛らしい娘だね・・・、それに、スタイルも!」

  「はい、有難うございます!」

 「で、結婚を考えているのか!」

  「えぇ・・まあ・・・」

 

「それは、良かったねぇ!」「勿論全快してからだろう、がな?」

  「それより、先生こそ、例の看護師さんと・・ そろそろ!」

 「そんな事は・・・・」

  「先生、院内では “オアツイ”って噂ですよ!」

 「誰かね、そんな事言うのは・・・」

  

「まぁ、あくまでも噂ですから・・・」

  「それでは、これで失礼します!」

 何だか、またはぐらかされてしまった、タムラ先生。

しかし、悪い気はしなかった。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1030


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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