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Rap1029-悲惨な現状 交通事故にタムラ先生・・?2-2

Rap1029-タムラ先生夜間外来総合 


Rap1029-悲惨な現状 交通事故にタムラ先生・・?2-2


 タムラ先生、救急救命車に乗り込んでからは、大忙し、

おかげで救急救命士は、大変すばらしい現場を、

目の当たりにすることとなる。


「確か、補液あったね、それにセットも!」

 「はい、あります!」


と言って、タムラ先生に手渡す。

手渡し方がぎこちない。

何と言っても相手は、なり立てで実践が非常に少ない、

ここに麗奈くんがいればとつくづく思う。


思っても仕方のないことだが・・・。

いかに麗奈が優れた看護師であることを実感する。


ぎこちなく受け取った補液、それに点滴セット、

普段ならそんな事、タムラ先生がやるなんてありえない、

せいぜい、ポリクリ時代だろうか。


そんな事言っても、なんとか患者の血管は確保できた。

かろうじて一本だが、出血が酷いと血管が見つからない、

と言うよりか確保が非常に難しい。


「酸素頼むよ!」

 「了解です!」

「6リッターで」

 「はい!」

「出来るだけ揺らさないように!」


「そうか、ここは車両の中だな」

一人うなずくタムラ先生!

 「はい、すいません!」

なぜか謝る、救急救命士かなり緊張している!

「こんなに、救急車揺れるのか! 何やってんだ!」

「行政は・・・!」

 「これでも・・・・、かなりましになりましたが・・・!」

「いったい政府は・・・」

「きみ、そこ強く圧迫して!」

 「はい、スイマセン!」


患者の出血は相変わらず収まらない、

大きな動脈の辺りは止血しているが内臓からの出血は、

開腹して内臓を直接止血しないと。


補液は全開で流す。

やっとの事で、足のすねの辺りにもう一本確保できた。

しかし、非常に危険な状態が続く


「あと、何分で着く?」タムラ先生かなり大きな声で

 「10分でしょう!」


しかし、患者は心配停止、脈も触れなくなってしまった。

「もっと急いでくれ!!」

「はい!」


タムラ先生お手上げ状態、頭を抱える。


暫くして、救急車は救急救命センターの前に着いた。


救急救命のスタッフが待ち構えている。

と言っても救急車がバックでつけつとそこがドアの前だ。

「・・・」挨拶は目礼のみ何より患者第一だ・・


ストレッチャーが運ばれると、状況を把握した医師3名と

看護師(特別に養成された)あっという間に患者はそれぞれ、

役割分担されたスタッフたちによって、患者を救命に向けて動く、

着ていた服をあっという間に切り裂き、肌を露出させるもの。


血管確保は、タムラ先生が2方向確保できていたので、

その仕事は省ける。

採血を行いクロスマッチ、輸血の準備、

エコーでおおよその全体像の把握を行う、

そして、胸腹部の開腹に取り掛かる医師、

ものすごい素早さ、タムラ先生も少し驚き、

以前救命にいた事を思い出す。

その医師に介添えのナースの素早さもう芸術だ。


さすがのタムラ先生ここでは傍観するのみだ。


救急車到着から今までの所要時間5分、まさに神業の集団たちだ。

本当は開腹の前に、カウンターショックと言う考えもあるが、

どうせ開腹するなら、直接心臓にショックを与えた方が絶対だろう、


開腹していた医師がタムラ先生に一言


「肝臓破裂ですね、それに、肋骨が、心臓に刺さっていますね。」

「そうでしたか!」

「どうぞ・・・!」

と、言って患部の場所を触るように指示する。


するとすかさず近くのナースが、

オペ用のゴム手を素早く装着してくれる。

タムラ先生、躊躇なく患部に触れる。

「これは、ひどい、3つぐらいに裂けている!」

「それに心臓に肋骨の折れた骨が、脾臓も・・・」


「先生、ご苦労様でした」

「いえ、いえ、たまたま通りかかって・・・」

「そうですか、ここまで酷いと・・・」

「せめて、肝臓破裂が酷くなければ・・・」

「先生の努力が報われたのですが・・」

「・・残念です!」

 

「先生は、今どこで・・・」

「はい、都心の***病院で救急を・・」

 「そうですか、先生もご苦労なさっているのですね!」

「いえ、いえ、先生方を見るとまだまだですかね!」

 「先生は、夜間はお一人で・・・」

「そうですね、経営を考えると・・」


「それに、様々な患者が、当然外科以外もあります!」

 「それこそ大変ですね!」

「えぇ、その辺は・・!」

「まあ都心の駆け込み医院ですかね?」

 「先生こそ、それでは大変だ!」

「どんな患者が来るのか、不安でしょう」


「そうかも、・・」

「まぁ、お互いこんな世情の医療、不満だらけですね!」

 「今現在、若い医者なかなか、苦労をしょってたとう、なんて・・・」

「救急医療の現場、まず飯が食えない・・・」

 「本当ですね・・お互い」


やっと警察の手で、先ほど亡くなった患者の家族が、やって来たようだ。

あちこちで、すすり泣く声や、嗚咽の末叫び出す家族たち。

あっという間に一人の若い命が失われていく。


後で聞いた話だが亡くなった患者なんと婚約をすませ、

結婚式も決まっていたそうだ。なんということだ。

そして、対向車線に飛び出してしまったのは、前方を走る車が

荷物を落とし、それを避けようとハンドルを切ったら・・・


尊い命とその命に寄り添って幸せな家族を築き、

そして二人の愛の証を・・・

 無残・・・・無念・・・・孤独


タムラ先生、今日は特に切ない・・・

アー・・・麗奈に会いたいかな!!


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1029


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr



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