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Rap1280-喘息発作・・・!! -4

Rap1280-タムラ先生夜間外来総合


Rap1280-喘息発作・・・!! -4


もう途中で止められません。

まだ堅い話が続きます!  


どうぞ不要な方は読み飛ばしてください!


天候、季節など気象関係との影響


喘息と気象の関係については、喘息の発作が真夏や真冬ではなく、

春・秋の季節の変わり目、気候の不安定な時期に出やすい事は、

古くから良く知られています。

梅雨や秋雨の時期、移動性高気圧や台風の近づいた時、

寒冷前線の通過する時に喘息症状が悪化します。


気象の直接的な増悪因子は、気温、湿度、気圧などの物理的要因があり、

間接的なものとして気候・気象の変化に伴うダニ、カビ、花粉などの、

アレルゲン及び大気汚染物質を始めとする、大気成分の量的・質的変化や、

心理ストレスなどが考えられます。


例えば、寒冷前線が通過するときは、雨に伴って気温は下がり湿度が上がって、

大気成分と濃度が変化し、浮遊塵が移動して喘息に悪影響を与えます。

特に気温が前日に比べ5度C以上下がると発作が起きやすい事も分かっています。


アレルゲンの季節変動を調べると、家塵ダニは気温の高い8月に繁殖し、

秋に死骸と排泄物が家塵に増えます。

カビも種類によって増加する季節に違いがあります。


空中花粉のスギ花粉は 春、カモガヤ花粉は 初夏、

ブタクサ,ヨモギ、カナムグラ花粉は 秋に飛散します。


喘息と大気汚染との関係!


19世紀の英国に始まった産業革命時代、工場から出る煤煙によって、

多くの呼吸器患者が苦しめられました。

日本で大気汚染と喘息の関係が大きな社会問題になったのは、

1960年代に四日市をはじめ石油コンビナート工場のある地域周辺の住民に、

工場から出る排煙中の硫黄化合物(二酸化イオウ、硫化水素など)や、

浮遊塵埃による大気汚染によって喘息様患者が多発したためです。


これを契機に公害患者認定制度が設けられ工場の排気規制が進められ、

その地域の喘息の発症は減りました。

残念ながら、この問題はそれで消えたわけではなく、川崎公害認定患者が国と企業の、

責任を問う訴訟まで発展し、平成10年、地裁は二酸化硫黄および浮遊粒子状物質(SPM)による、

大気汚染と喘息などの、呼吸器疾患の発症または悪化との間に、因果関係を認める判決を・・・・・・


それに続き、最近でもジーゼル自動車の排気ガス中の微粒子(DEP)が喘息の、

発症の重要要因であることが認められました。

大気汚染物質として指定されているのは、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、

浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンです。


このうち前3者が喘息に深い関係があるのですが、

その理由として次のような事が考えられています。


二酸化硫黄と二酸化窒素は、吸入すると気道を収縮させ、

気道の抵抗を上昇させて喘息症状を増悪させる。

浮遊粒子状物質のDEPは、気管支の過敏性を高める。


また、これらの物質はアレルギーに関係するIgE抗体の産生を増強させる作用を持ち、

気管支内にあるいろいろな細胞を刺激してサイトカインという生理活性物質を出させて、

気道に炎症を起こすことが分かって来ました。

こうした気道の炎症が長く続く事・・・それは、喘息の重症化・難治化の原因になります。


ストレスと喘息 !


心的因子が、喘息発作と関連することを示す好例として、

バラの花粉で喘息発作をおこす婦人に、造花のバラを見せても、

発作が誘発されたというのは有名な事例です。


一般的に喘息患者は、性格的には弱く、消極的で控えめ、

自分を抑えるなどの気質を持つ人が多いと言われ、喜び、悲しみ、怒り、

不安などの感情が高ぶると呼吸が早くなって、過換気発作を起こしたり、

気道の狭窄を起こすことがあります。


ストレスが続くと自律神経やホルモンのバランスは崩れて、

身体に様々な影響が出ますが、気管支の収縮は緊張に傾きます。


心理社会的ストレスのなかでは、家族とくに夫や妻を亡くした・亡くすかもしれない時、

愛情欲求が満たされない時、自分では対処・解決できない問題に直面した時、

生活リズムを崩されるような時、ゆとりのない生活を強いられた時などに生じる情動は、

喘息の発症に関係すると言われています。


喘息の増悪は、また発作が起きるのではないかという予期不安、

社会生活から脱落してしまうのではないかという不安、

もう治らないのではないか悲観による抑うつ、

周囲の無理解に対する不満、怒りが原因になっていることもあります。

こうした心理的ストレスが、関係しているのを自覚していない事も決してまれではない。


ペットと喘息について!


ペットとして飼育されている動物のうちアレルギーに関係が深いのは、

ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ、マウス、ハムスター、インコやハトの鳥類です。


ネコとイヌが喘息、アレルギー性鼻炎の原因になることは昔から知られていますが、

最近では、モルモットやハムスターのアレルギーが増えています。

アレルゲンは動物のフケ、毛、唾液、尿中に存在しています。


これらの動物を実験用に扱う人にもアレルギーが良くみられます。

また、特殊な例として乗馬をする人、ウマの世話をする人に、

ウマアレルギーが出ることもあります。

インコやハトは、その糞中に血清アルブミンを含んでいて、

過敏性肺炎の原因となることがありますが喘息になることはまれです。


職業と喘息について!


職業上取り扱う物質がアレルゲンとなって発症する喘息を職業喘息といいます。

仕事をすると喘息症状が出ますが、離れれば症状は軽快します。

職業アレルゲンは、植物や動物由来の高分子と化学物質や薬品などの低分子物質があります。


高分子物質は蛋白質である事が多く、仕事のたびに吸入を繰り返すことで、

IgE抗体が作られ、即時型アレルギーにより喘息が発症します。

低分子アレルゲンは、IgE抗体が作られることは少なく、

発症機序ははっきり分かっていませんが、


気道に喘息特有の炎症のあることは普通の喘息と違いはありません。

同じようにアトピー体質のある人が狭い場所で濃度の高いアレルゲンを吸入する場合に、

喘息が発症し易くなります。

職業喘息は、仕事をした日に症状が出て休日には症状がないことから気付きます。


治療に大切な事は、作業環境を改善して原因のアレルゲンを除去することです。

具体的には作業場の換気改善、間取りの変更、作業方法の改善などを行い、

作業者はマスクや保護衣を着用します。

職業喘息の患者はアレルゲンを回避するための配置換えが必要になりますが、

それが出来ない場合は、転職のことも考えなければなりません。

その仕事を辞めれば喘息は治るのが普通ですが、気道の過敏性は長く続くこともあります。


代表的な職業とそのアレルゲンを列記します。


A) 高分子物質

1) 製材業、建築業:米スギ、ラワン

2)こんにゃく製造業:こんにゃく舞紛

3) 製粉業、製菓業:小麦粉、そば粉

4) 果実栽培業、生花業:果実の花粉

5) 養蚕業、絹織物業:蚕

6) 動物実験者、獣医:動物の毛

7) ホヤ養殖業:ホヤ

8) 牧畜業、馬調教師:牛、馬の毛

9) 医療従事者:ラテックス

10) クリーニング業:酵素洗剤


B) 低分子化学物質

1) 薬剤師、製薬業:薬剤

2) 美容師、理容師:化粧品

3) 染料業:ローダミン

4) 印刷業:アラビアゴム

5) セメント、メッキ:クロム、ニッケル

6) 塗装業、ウレタン:イソシアネート

7) 超合金製造業:コバルト

8) 火薬工場:テトリル


追記! “たばこぜんそく“ 禁煙外来医師様の御指摘 


非アトピー性の喘息や、アトピー性喘息の悪化にはタバコの煙が大きく関与しているはずです。

タバコは昔から身近にありすぎたのであまり気にされていない方が多いのですが、大気汚染がなくなり、

住環境も清潔な日本での喘息は、タバコが大きな要因として認識されるべきではないかと思っています。


 気になっていましたが、最近のデータで喘息にタバコの要因がかなりある事を・・・・

遅ればせながら補足させて頂きます!

“たばこぜんそく“ 禁煙外来医師様の御指摘 大変有難うございました!

 




  相変わらず、硬いです!


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来総合 R1280


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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