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Rap1028-悲惨な現状 交通事故にタムラ先生・・?2-1 

Rap1028-タムラ先生夜間外来総合

 

Rap1028-悲惨な現状 交通事故にタムラ先生・・?2-1 


 いつものように、タムラ先生平常の勤務を終えて帰宅の途中、

高速道路をスピード違反の取り締まりに引っかからない様な、

微妙な速度で愛車を運転していた。


すると、前方に赤い回転灯がいくつも見え出した。

「事故か・・・!」

「参ったな!」と、軽く舌打ち。

混まないといいが・・・・、せめて今日ぐらい早く帰りたい。


前方の、それぞれの車が、少しずつスピードを緩めだした。

80㎞、・・・60、40、20、10㎞、ついに、0㎞。

デジタル表示はしばらく停止、前の事故の状況が、


少しずつ鮮明に状況が見えてきた。

 これはひどい、何と80センチメートル以上ある対向車線から、

車が飛び出して正面衝突。


大型積載車のトラックの前方が大きくへこんでいる。

ガードレールを飛び込して来た普通乗用車は、

無残にもその大型積載車に正面衝突。

その後、その大型積載車の中にのめり込むような形となり、

ぐしゃぐしゃ、それも反転している。


周辺の舗装道路は、あらゆる種類の液体があちらこちらに広がり、

様々な色の明かりが乱反射し、異様な風景を演出している。

乗用車の方は殆ど原型をとどめていない。


悲惨な大事故だ!


サイレンのけたたましい音が木霊する、それも複数だ。

救急車も勿論、消防車、それにレスキューの車も。

おそらく事故が起きて、さほど時間が経過していないのだろう。

なんと車から真っ赤な炎が・・・、

ガソリンに引火したのだろう、すかさず消防車消火活動、

炎はすぐに消えた。


タムラ先生、野次馬根性は直ぐに引っ込めて、

愛車を降り急ぎ足で現場に走り寄る、

もう既に医師モード全開で。


近づいてみると、運転席に人が閉じこめられて、救出出来ないでいる。

その運転手から、おびただしい量の血液が湧き出るように・・・

ポトリ、ポトリ、これはかなりやばい状態、

一刻も早く救出して、処置しないと・・・。


懸命に、レスキュー隊の隊員が、積載車にのめり込んだ車を、

引き剥がそうとしている。

しかし大きな機材は使えない、何せ引火が心配、非常に危険だ。

4、5人のレスキュー隊が人の力で二台の車を引き離そうとしている。


機械じゃないのでほとんど動かない、無理だろう。


比較的軽症な運転者は、大型積載車の運転席で額から流血してぐったり、

意識が朦朧としている様子、運転席のガラスは大きく割れている。 

もう一方の乗用車の運転席に、閉じ込められた人は瀕死の重症、

と言うより一刻を争う状況だ。


どう考えても無理の様だ、数人が集まって短い会議。

どうやら機械を使わないと患者を救出出来そうもない、

電動鋸のエンジン版で、大型のチェーンソーの音が、

少し静まり返った首都高に鳴り響く。


それと同時に数名の消防隊員が、科学消火器を持ちすぐ傍まで来て、

舗装道路上で待機。

引火したらすぐ消火の準備、幸い爆発に対しては大丈夫そうな状況。


見る見る内に、無残な鉄の塊と化した車の運転席が、切り裂かれていく。

引火はせず何とか運転席が露わになった、

しかしシートベルトをカッターで切っても、

ハンドルが胸部にへばりつく様になっている。


強靭なエアーバグも、よほどタイミングが悪かったのか、

破裂したエアバッグがしぼんでしまっている。

おそらく対向車のフロントガラスが、エアバッグを、

突き破ってしまったのだろう。


いつの間にかタムラ先生、前列のほうで心配げに、じっと見守っている。

すると、近づきすぎたのか、数人の人間たちに警察が、

後ろに下がるように指示する。

 そのタイミングとほぼ同時に、救急隊の責任者らしき人間が

「おい、救急救命師を呼べ」

「はい、救急救命の高岡です!」

「で、君の現状判断ではどうだ?」


 「はい、1名は重症ですが、生命に関わる程ではないでしょう」

「がしかし・・・」

「もう1名は絶望か!」

 「はい、おそらく・・・」


「しかし、優れた外科医がこの場におれば、もしかすると・・・」

「うむ、一応近隣の病院、に聞いてみるか?」

 「それに、奇跡を信じて、ここから見物客にも声を掛けてみよう・・・」

「そうだな、やって見るか、じゃー俺は電話で近隣の病院へ電話する。」

 「自分はここから放送してみます!」

 

 「どなたか、外科医の先生おりましたらお知らせください!」

 「緊急事態です、ご協力お願いします!」


すると、なんと奇跡が起こった、前に進み出た、一人の紳士が・・・


「私でよろしければお手伝いします。」

と、タムラ先生!

すると、驚いたのは救急救命士

「あっ、タムラ先生、どうしてここへ・・・」

 「帰宅途中だよ・・ それより早く患者の下へ」

「患者は、かなりの出血です、それに意識レベルも・・・」


タムラ先生事故現場に走りより、まだ車の中に取り残された、

患者のバイタルをチェック。

 救命隊員は救命車から、必要と思われるものを素早くタムラ先生の下へ、

ストレッチャーも近くに持ってくる。


このような場合患者の移動にも細心の注意が必要だ、

だから、この救命士あえて無理をせずにいたのだ。


さすか、訓練された人間だ。

タムラ先生レスキューに指示して、前方のハンドルを切断要請、

それと、運転席側のドアを切り取ってもらうように指示を下す。

その間タムラ先生、患者のボデーチェックをくまなく行う。


「内臓破裂、特に肝臓破裂!」

「ほかにも肋骨骨折、出血がひどい!」

「救急救命病院に搬送しないと・・」

 「はい、しかし・・・」

「確か、文京区に救急救命センターが・・?」


「そこに搬送出来るか連絡してくれ、タムラと言ってくれ!」

 「ハイ、今すぐ連絡します」

「どうだ!」無線電話を奪い取るように

「受け入れ頼まれてくれるか、そうか恩にきる!」

「患者はおそらく内臓破裂、肝臓だろう、貧血ひどい」


 「了解です、で、ほかには?」

「救急車から、おって連絡する、とにかく至急搬送する。」

「おい、君どれくらいで搬送できる?」

 「25分は、かかるかと・・・」

「そうか、出来るだけ急いで頼む!」


もう一人の患者は近くの病院に収容された。

おそらく、あの患者はせいぜい全治2週間だろう、

ほかにむち打ちや足などに骨折がなければだが・・・



ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1028


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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