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Rap1279-喘息発作・・・!! -3

Rap1279-タムラ先生夜間外来総合


Rap1279-喘息発作・・・!! -3


まだ堅い話が続きます! 不要な方は読み飛ばしてください!


IgE抗体とは・・・・

体内に異物(抗原)が入って来ると、体の免疫系は種々の抗体を作って、

異物を破壊・排除するために防御機構が働きます。

そうです、抗原抗体反応・・・・、


Tリンパ球の働きにより、Bリンパ球からIgG、IgM、IgA、IgE 、

の抗体が作られます。

その中で、IgE抗体は肥満細胞の表面に固着して、

抗原(アレルゲン)と結合すると、直ちに肥満細胞の脱顆粒を引き起こします。

その結果、ヒスタミンやロイコトリエンなどの気管支収縮物質が放出され、

喘息発作やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹の症状が出現します。


俗に言うアトピー体質とは、このIgE抗体が作られやすいことです。


で・・・・ アレルギーの皮膚テストとは?


喘息などアレルギー性の病気は、原因抗原(アレルゲン)を見出し、

それを避けることが治療の原則なのです。

喘息診断の手順として、・・・・・・

まず問診で、詳しい生活環境等から、おおよそのアレルゲンの見当を付ける。

次に、アレルゲン皮膚テストを行い、その結果の疑わしいアレルゲンの、

血液中の特異的IgE抗体価(RASTなど)を、採血して測定しアレルゲンを確定します。


一方で肺機能検査と、気管支の可逆性試験・・・・

さらに気道の過敏性試験を行って、喘息の確定診断に至ります。


皮膚テストは手技が簡単で、結果が短時間で得られるため、

古くから行われているアレルゲンの検索法です。

感度、精度も高く経済的ですので、アレルギー専門施設では、

頻繁に実施されます。


その診断は、アレルゲンとIgE抗体との即時型反応を皮膚に起こさせ、

皮膚に生ずる発赤と浮腫(膨疹)の有無を観察する。

皮膚テストの方法には、プリックテスト(皮膚の跳ね上げ)、

スクラッチテスト(引っかき)および皮内テストがある。


前二者はともに針で、小さく皮膚に傷を付けて皮膚に滴下したアレルゲンを、

皮内に染み込ませ、皮内テストは注射で皮内にアレルゲンを注入して、

肥満細胞と接触させる方法です。

どちらもテスト開始後15~20分して皮膚の発赤と膨疹の大きさ(横と縦の径)を計ります。

プリック、スクラッチ法は発赤の径が15mm以上、

皮内テストは発赤径20mm以上あるいは、膨疹径が9mm以上あれば陽性と判定します。


喘息患者の、気道過敏性について!


喘息患者の気管支は、いろいろな刺激物質に反応しやすく、

健康な人なら反応しない様な、弱い刺激にたいしても容易に気管支が収縮します。

これを気道過敏性といい、これが強いと高度の気管支収縮を起こし、

時には気道閉塞のため窒息死する危険もあります。


外因性物質の、アレルゲンを吸入した時の、気道の反応性が特異的過敏性、

内因性物質のアセチルコリンや、ヒスタミンの吸入による反応性を、

非特異的過敏性と呼びます。

いずれの物質も濃度を上げながら吸入させ、肺機能の1秒量を測定し、

20%低下した時の濃度を過敏性の指標にしている。


喘息患者の、アセチルコリンに対する過敏性は、健康人の10~20倍高いと言われています。

それだけ気管支は敏感に反応して収縮するので、過敏性が高いほど喘息は重症となります。

気道が過敏になる最大原因は、気道の炎症です。


気道に炎症が続くと気管支の粘膜を被っている上皮細胞が障害されて剥がれ、

知覚神経が露出していろいろな刺激に過敏となります。

気管支を拡張する神経系が壊される一方で、炎症に関わる化学伝達物質により気管支の、

収縮神経系を刺激されます。


慢性炎症の結果、気管支の壁は厚くなり(リモデリング)収縮した時の、

気管支の内径は狭窄が強くなり、過敏性が増します。

炎症が自然にあるいはステロイドのような抗炎症薬により収まれば、

気管支の粘膜も修復され過敏性は下がりますが、リモデリングが起きた後では回復し難くなります。

 ですので、早めの治療が必要です。


アスピリン喘息について・・・・


喘息患者は、アレルゲン、冷気、運動などいろいろな刺激に反応して、

喘息発作を起こしますが、成人喘息の約1割の患者は、

アスピリンのような鎮痛薬も刺激となり、

ひどい発作が誘発されることがあります。


一般に鎮痛薬は炎症を抑える作用を持ちますが、

ステロイド薬とは違いますので、非ステロイド抗炎症薬とも呼ばれます。

同じ仲間にインダシン、ブルフェン、ボルタレン、ロキソニンなど多くの鎮痛剤があり、

これら鎮痛剤を使用して1時間以内に喘息発作が起きます。

時に意識障害を伴うほどの大発作になり、死亡することもあります。


これらの薬は、内服薬や注射だけでなく座薬、湿布薬も、

発作を誘発しますので注意が必要です。

喘息発作の前に鼻水、眼の結膜充血を伴うこともあり、

即時型アレルギーに似ていますが、

IgE抗体価は低くアスピリンなどの鎮痛薬の刺激により、

肥満細胞などからロイコトリエンという気管支収縮物質が、

大量に生成されることが原因と考えられています。


アスピリン喘息患者の多くは30~40歳に発症し、慢性鼻炎、

鼻茸を合併率が高く、重症難治例です。

鎮痛薬による発作を経験していれば、アスピリン喘息を疑い使わないのは勿論、

安全かどうか分からない時も不用意な使用は避けるべきです。

アセトアミノフェンや塩基性鎮痛薬は比較的安全といわれています。


また、アスピリン喘息の患者は、食品添加物の黄色4(タートラジン)

防腐剤の安息香酸ナトリウムやパラベンに対しても過敏性を持っていることがあります。

添加物の少ない食品を選ぶことが大切です。


喘息と環境、環境問題・・・・・・


 今も増加を続ける喘息患者!


1960年代に患者喘息の数は、人口の1%前後でありましたが、

30年後の1990年代の調査によるとほぼ3%と言われています。

特に、最近の傾向として都市部の小児と高齢者に喘息患者の増加が目立ちます。


都市のような人口密集地は、農・魚村の過疎地よりも喘息有症率が、

高いこともあって「喘息は文明病」と言われています。

1970年代に石油コンビナート工場の煤煙による大気汚染が原因となって、

いわゆる公害喘息が全国各地の工場地帯に多発しました。

そのため公害患者認定制度が設けられて工場の排気規制が進められた結果、

最近ではこうした公害による喘息発症率は低下しています。


したがって近頃の全国的に喘息患者が増えている原因は、

産業の発達による環境汚染だけでは説明できません。

喘息の発症因子には、

1)素因、

2)抗原物質(アレルゲン)

3)増悪因子がありますが、


喘息の増加の理由は素因よりも2)、3)の環境因子の影響が大きいと考えられます。


抗原物質には吸入性抗原と食物抗原があり、

生活環境におけるこれらの増加は重要な要因です。


吸入性抗原とは室内塵ダニ、ペット、カビ類や屋外の花粉、

昆虫類を言いますが、最近の住宅は、気密性が高くエアコンによって、

室内の温度が安定しているため、ダニ、カビ、ゴキブリが繁殖し易い環境となっています。


これらが家塵となって吸入量が増えているのです。


 少しマジ過ぎますが・・・・もう少し!

 

最近・・・・と言っても新建材や接着剤を多く使用した建物でのアレルギー症状・・・・、

これの問題はもう15年以上は経過しているが、ホルムアルデヒドなどの、

化学物質による室内汚染も無視出来ないのが現状だ・・・・

 特別な例として、穀類にも・・・・小麦、牛乳、米とか麦・・・・・

この抗体価の高い人はどうやって生きるのと言いたい。


 そうです、小麦アレルギーでは小麦はダメ・・・

そう、パン、麺類・・・ケーキがダメな少女の記事を何処かで見たが、

それでどうやって生きるの?

と言いたい。


食物のうち抗原となるのは、ほとんどが蛋白質であるが・・・・・


最近の食生活は、和食中心から卵、乳製品、肉類などの多い食事への、

食生活の変化により、蛋白質の摂取量は格段に増加している。

また、食物に添加される防腐剤や着色料の使用量も増えていますが、

これらも喘息増加の一因になる。


増悪因子のなかでは、都市化、産業交通手段の発達に伴う、

大気汚染物質の増加、風邪やインフルエンザなど呼吸器感染の増加、

心理的ストレスの増加などが、喘息の増える原因と考えられています。


最近では、確かに工場の排煙は環境問題が表面化して減りつつあるが、

自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物や、浮遊状物質は、

喘息の気管支の過敏性を高め、喘息症状を誘引する。


なお、都市部では風邪は蔓延しやすく、それが引き金となり、

喘息は悪化しやすい。


家庭問題、職業・学業上の問題、健康問題、交友関係など精神的ストレスは、

喘息の発作の回復を遅らせたり、重症化に繋がる。

喘息患者は、これら生活習慣や環境の変化が複雑に絡み合って、

増加していると考えられる。


 今回も硬すぎてすいません!  (不要の方は読み飛ばしてください!)


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来総合 R1279


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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