Rap1269-腎透析・・・・!! -2
Rap1269-タムラ先生夜間外来総合
Rap1269-腎透析・・・・!! -2
運ばれた患者がいつ透析を行ったのが知りたい。
それもあり、タムラ先生患者の所持品をチェックしている。
この現状で、透析を緊急に行う必要があるかどうかが、
生死の鍵を握ることになる。
そこで、血液ガスと胸部単純写真は積極的に施行する必要がある。
患者を動かしてリスクを負うよりも、ポータブルXPで肺の状況、
どれくらい胸水の貯留を、確認したい所だ。
聴診器を、早田先生があてて胸水の溜まった音を確認している。
「血液ガスは・・・・・」
「もう少しです!」
「体温は!」
「38.2度です!」
「抗生剤 シオマリン1g」
「おっと待った!CTRX1gだ!」
「5%糖100mlで、溶かすの・・・忘れるな!」
「05gを30分で!・・・あとから残りは指示する!」
ここで、タムラ先生抗生剤の言いなおしを・・・・・
それは、抗生剤には大きく分けて腎代謝性と、肝代謝性の2つに分類される。
腎不全患者に、腎代謝は避けるべきである!それに使用量、溶解液も!
(肝代謝抗生剤・・・・・・
EM、CLDM、CP、DOXY、MINO、CPZ、MCIPC、RFP、CTRX、CCL)
それに使える薬剤が限定される!
電解質異常も配慮してNa混入の生食は避ける。
腎不全患者、もしくは以下の薬剤の使用(大量)で発症しやすい薬剤は、
*解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬) *高血圧治療薬(特にアンジオテンシン変換酵素阻害薬)
*抗生物質(アミノグリコシド系抗生物質) *抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬)
* 造影剤(ヨード造影剤) *抗がん剤(特にシスプラチン等の白金製剤) 等
上記の薬剤で腎機能低下を起こす可能性が高いので、定期的に血液検査は行う必要がある。
*参考)一般に人工透析の患者などでは静脈血で血液ガス分析を行うことがある。
静脈血は組成が部位によって異なるので一概には言えないが、
大腿静脈や肘静脈ではPaO2は約40TorrでPaCO2は約46Torrが正常である。
pHは変化してしまい、十分な血液ガス分析はできなくなるが、HCO3-は測定できるので、
代謝性アシドーシスの治療効果判定などは行うことができる。
日本では何故か、血液生化学の項目に HCO3-の項目がないので苦肉の策である。
「血液ガス出ました!」
「読み上げてくれ!」
「PaO2(静脈血酸素分圧): 36 Torr 、PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧): 64 Torr
pH: 5.9 、HCO3(重炭酸イオン):*** mEq/L、BE(塩基余剰): *** mEq/L SaO2::70%です!」
「メイロン84 250ml、側管から!」
「はい!」
「あとの指示は30分後の血ガス分析で、指示!」
「よし、透析やろう!」
「はい、準備出来てます!」
何と、透析装置もこの救急外来セットされていた。
「ニトロール点滴静注50mg 1バッグ! も!」
モニター検査数値を見ながら、適切な処置がタムラ先生の口から流れるように出る!
「胸部XPです!」
両肺野は白くもやった写真がシャーカステンに設置された!
「おう!」と、タムラ先生
「わぁ・・・・」
そして早田先生の驚嘆の声が処置室に響く!
ここで、ちょっと急性腎不全とは?
(必要のない方はどうぞ、読み飛ばして下さい!)
急性腎不全とは、様々な原因で腎臓の機能が短期間に低下することをいいます。
腎臓の一番大きな役割は、老廃物や余分なナトリウム、塩素、カリウムなどを、
尿として体の外に排泄することです。
急性腎不全になると、老廃物が血液中にたまり高窒素血症という状態になり、
重い場合、人工透析をしないといけない状態になります。
急性腎不全になると、通常尿量が少なくなり(乏尿)、ほとんど出なくなったりします(無尿)が、
逆に一時的に増えることがあり(多尿)、尿量のみでは診断できないので、
高窒素血症があることを血液検査で確認してから診断することが重要です。
慢性腎炎や糖尿病性腎症により、徐々に進行する慢性腎不全と異なり、
急性腎不全になった場合にはその原因を除くことにより、多くの場合進行を止め、
改善させることが可能です。
勿論 早期発見と早期対応が、重症化を防ぐ一番よい方法です。
では・・・早期発見と早期対応のポイントとは?
原因と思われる医薬品を服用・使用して数時間以内に発症することもありますし、
数年経ってから発症することもあります。
服用・使用している医薬品により、発症する時期がある程度予測できますので、
医師・薬剤師等の説明をよく聞いてください。
もともと腎臓の機能が正常でない場合(慢性腎不全)、発熱、脱水、食事の量の減少、
複数の医薬品の服用、誤って多量服用した場合などに、急性腎不全を発症しやすくなります。
“尿量が少なくなる!” “ほとんど尿が出ない!” “一時的に尿量が多くなる!”
その他に、“発疹”、“むくみ”、“体がだるい”等の症状がみられた場合で、
医薬品を服用している場合には、放置せずに、ただちに医師・薬剤師に連絡するか、
医師の診察をすみやかに受けて下さい。
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来総合 R1269
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr