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Rap1245-ドクターヘリ、Drカーも到着・・!!-7

Rap1245-タムラ先生夜間外来総合


Rap1245-ドクターヘリ、Drカーも到着・・!!-7


 斉藤は、多くの医師と看護師の懸命な努力で、日に日に元気になって行った。

なのに・・・・何故か斉藤の気持ちは暗い。

 ダンプの運転手もどうやら一命は取り留めたようだが、

民家の住民は多くの犠牲者を出した。

 これは全く予想しなかった大きな誤算だ!


 斉藤の元気な様子を伝えようと、病院の看護師、事務員が、

彼の免許証や携帯等の持参品から連絡を取るも、一向に連絡が取れない・・・今も!

 困って警察に相談し、彼の住所を調べ、そこに言ってみると、

何とそこは既に引き払っていた。


 この現実を、会話も出来る様になった斉藤本人に尋ねると、

返事が何故かおかしい。

 保険や、治療費の事もそれとなく話して、事務長自ら少しきつめに問いただすと、

とんでも無い事実が見えて来た。


 あの事故は・・・・・作為的だった・・・・と!

過労は事実の様だ、それに借金苦でノイローゼ気味になっている事も、

本人の口から解かって来た。


 多額の借金で、死にたいと友人にも漏らしていたようだ。


そしてあの日、眠気と過労の中、無理に運転をした。

斉藤の心の中ははっきりとした事、それは本人以外しか解からないが、

それを考えていた事は大いにあると思われる。


 乗用車でダンプと正面衝突すれば、死ぬのは自分だけ・・・・・

そう考えるのは多くの人の一般的な思考回路だ。

 しかし現実は大きく違った。


 まさかダンプが制御不能になり、道路から飛び出し民家に突っ込むなんて、

これはきっと、殆どの人は想像しない事だろう。

 彼は、ある面で・・・・そう命に恵まれ、

ある面で世間・・・人生に捨てられた。


 少しまた話がズレルが、最近列車に飛び込む自殺者が急増していると、

マスコミが毎日の様に報じている。

 それは、現代の荒んだデフレ、失業者等、等・・・・・

世相を繁栄する悲惨な事実を物語っている。


 そう考えると、今回の斉藤さんの事故もそれと言えるのだろう・・・・・・・・

斉藤さんは複雑な心境だろう・・・・・

 いいや、そんな単純な物では無さそうだ!

 ある時など、看護師にこう、漏らした様だ!

「何で・・・・なんで死なせてくれなかった!」

とか・・・・


 その話を聞いた救急医療チームの医師、看護師は複雑な心境だろう。

しかし、チームリーダーの医師はこう呟いたそうだ!

「私たちは、負傷したり死に瀕した患者が前にいれば・・・・・」

「それは・・・・無条件で最善の努力で、命を救う努力をする!」 と!


 斉藤さんは其れまでに相当悩んだ!

悩みに・・・・悩んだ末、出した結論をあの日実行した!

妻も子供も捨てて・・・・この世を・・・わが身で、

清算するはずだったのだから・・・・


 そんな斉藤の下へ、タムラ総合病院の看護師 葵と麗奈が、

彼の見舞いにやって来た。

 おそらく、葵は彼に接する時間が多かった、し・・・・・・

葵は麗奈に同行を依頼した・・・・・タムラ先生の後押しもあって!


 葵、斉藤の部屋をノックする!

「お元気!」

 「・・・・・・・・はぁ!」

斉藤は、最初に看護してくれた看護師であった事は知らない!

葵は、その事をかいつまんで話した。

 葵他救急医療のスタッフ達は、その事実は患者の回復と共に、

知る事になった。


「体は・・・・・・良くなっていると!?」

 「はぁ・・・・・・・」

事情を知ってる葵、麗奈それ以上は言葉を控える!


 そして、麗奈がきつい言葉を斉藤に告げる!

「貴方の事情も聞いたわ!」

 「・・・・・・・」

「貴方・・・・これから・・・・死ぬ気で生きなさい!」

 「・・・・・・・・・ どうやって!?」


暫しの沈黙が病室の空気を凍らせる!


「貴方、男でしょ!」

「強く、・・・・・生きなさい!」

 「どうやって?」

「貴方はまだ若い!」

 「・・・・・・・!」

 「俺なんかに、仕事なんて無いさ!」


「・・・貴方・・・・甘いわ!」

「死ぬ気になれば、仕事を選ばなければ・・・仕事はあるわ!」

 「・・・・・どんな!?」

「そうね・・・・・例えば、人の為になる仕事!」

 「人の為になる・・・仕事!?」

「ええ、そうよ!」


 「例えば・・・・・・・」

「介護とか・・・・・看護師、理学療法士・・・とか」

 「エッ、介護、看護師・・・・・」

「そうよ!」

「介護は比較的資格は取りやすいわ!」

「あとの職業ははそれなりの努力が・・・ね!」

 「・・・・・・・・」

「特に、あなたこれからは人の為に働く義務があるわ!」


 それだけ言うと、麗奈大きめの封筒を斉藤に差し出した。

それは、タムラ総合病院の介護部門の入学案内と、

もう1つそれは看護師のだが、これは最低年齢が引っかかりそうだが、

一応持って来た。


 実はこの指示は殆どタムラ先生が主になって、葵、麗奈に指示したのだ!


 まぁ現代の世の中、いつから・・・・どうしてこんな負の世界に!

これは、明らかに政治が悪い!

嘆く姿が、タムラ先生の背中が侘びしいと感じる麗奈!


世間も侘しいが、私をいつまで、こんな侘しい状態にして置くの!

そう嘆く看護師の麗奈だった。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1245


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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