Rap1243-ドクターヘリ、Drカーも到着・・!!-5
Rap1243-タムラ先生夜間外来総合
Rap1243-ドクターヘリ、Drカーも到着・・!!-5
外の様子が騒がしい!
民家が尚勢いを増して燃え盛る!
ドカン・・・・ボウ・・・・・ドカドカ、ドカン!
大きな爆発音が続けて起こる。
どうやら民家が爆発して爆風がドクターカーにまで響き渡る!
ドクターカーの中ではダンプの運転手の、
蘇生後の体をCT装置にセット。
肝臓の破裂が疑われる。
バイタルはある程度安定してきるが、
輸血はどんどん行っている。
早田先生が真剣にCT画像を見ている。
簡単な触診で破裂か・・・断裂か・・・・
そして他の臓器の様子をチェックしている。
か、どうやら破裂までにはなっていない様だ。
これなら何とか助けられるかも・・・・そう早田先生は思う。
はっきりとは断定できないが脾臓は大丈夫そうだ。
それは、採血後の生化学検査の内容でも希望が持てる数値だ!
「胸部、腹部にメスを入れます!」
「開胸、開腹緊急オペ・・・ですね!」
「DICも!」
「そうだFOY2000mgルート確保でゆっくり滴下!」
「輸血も8単位追加 ABだ!」
「了解!」
「開腹オペ準備出来ました!」
「麻酔は・・・・・お任せします!」
早田先生麻酔医に全て任せた!そして・・・
「腹部、胸部の筋組織柔軟に・・・・」
「了解だ!」
麻酔医の答え!
「先生、準備OKです!」
早田先生と真紀のコンビで始める。
もう一人の看護師は若手の早苗、
24歳少し前までオペ室勤務の看護師、
バリバリだ。
ドクターカーが動く時は早苗も同時に動く!
ダンプの運転手、胸部にメスを入れると、
肝右葉に破裂があり、
早田先生、手圧迫を試みると出血量の減少を見たので、
肝門部処理後、肝右葉の切除を行う事にした。
右肝静脈は完全断裂であり、下大静脈1.8cmの損傷が2か所見られた。
早田先生素早くそれを、連続縫合止血を行った。
空気塞栓を予期して、術野を炭酸ガスで充満させる事も忘れなかった。
一般に、下大静脈損傷肝破裂は救命率も低いが、手による圧迫と、
Pringle maneuver法の併用で一時的止血を行った。
その後、循環動態の回復を待って肝切除を素早く行い、
下大静脈損傷部の縫合を行う手技が大量出血を制御できる。
それにより、患者を救命できると判断する。
なお、空気塞栓予防に術野を炭酸ガスで充満させ、
有効性を高めた。
いつの間にかオペは閉胸に近づいている。
早田先生と早苗のコンビも絶妙だ。
早苗、早田先生の出す指示に完璧について行けてる。
真紀はフォローに回ったが、早田先生のメス裁き、的確な判断に、
タムラ先生とは違った凄さを感じている。
これは・・・・こんな場所で、これ程の完璧なオペが出来る事に、
感動を覚えた。
これは・・・現代医療の革命とも思える。
問題は予算と、このような恩恵に出会える幸運がその人にあるか・・・・
それは大きな問題だ・・・
ドクターへリの要請も・・・その基準は
何処で線引きするかが大きな問題だろう。
スーパードクターカーの発想は、日本で重要な政財界の命を守るには・・・
テロ対策、狙撃対策、等を目的としてタムラ医師がある政界の、
大物に依頼されて試験的に見切り発車したが・・・・
ある意味誰に・・・・どんな場合にこの車を出動するのか、
大きな問題だろう・・・・・
下手をすると“金持ちの”、“偉い人の” それが優先か?
正直その辺もタムラ先生悩みの種だ!
人はみな平等で、同じ医療を、同じ教育を・・・って
この様な哲学的な思考より、外に出て一刻も早く患者を診れば、
それはそれだけ生存率も高まる。
きっとタムラ先生それを実証したくて・・・加担した!?
タムラ先生もCO中毒患者の劇的な回復を経験している。
女子中学生の脳細胞への後遺症はまだ未知だが・・・・
きっと良い方向に向かうのでは・・・・
先ほどのような手技は、現場で素早い判断が無ければ無理な治療法だ!
予後を見ずに判断は出来ぬが、待っている医療では、
不可能な治療法だ!
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1243
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr