Rap1239-ドクターヘリが・・・・!! -1
Rap1239-タムラ先生夜間外来総合
Rap1239-ドクターヘリが・・・・!! -1
日の出前の午前5時20分、片側1車線の国道でその事故は起こった!
何故この様な事態が・・・・・・
どうしてって・・・・・
原因は過労による体の変調・・・・・、
眠気と言う悪魔が・・・・
一瞬の隙に囁いた!
そして・・・・、相手の車と正面衝突が!!
相手は何と10tダンプトラック、斉藤守36歳の車はグロリアセダン。
斉藤は、これまでに体験した事のない強烈な衝撃が彼を壊す。
ほんの一瞬、目が閉じられた!
次の瞬間!
“あっ・・・と目の前に大きな塊が・・・・!”
“あっ!・・・あ!”
ドスンと全身を打つ・・・・・終った! この世とも!!
ドカン、キーキキ・・・・・・、
ドカン・・・ドドド・・・・
ダンプと乗用車の正面衝突だ!
現場は大惨事、10tダンプもなにやらブレーキ系統にトラブルが、
センターラインで、セダンはダンプと正面衝突・・・・・
下に潜り込み車体の上半分が破壊された・・・・
終った・・・・・俺の命が!
ガタン・・・・・ガ・・・ガ・・・ガァ
何とダンプががけ下にずり落ちて行く、とんでもない光景だ!
バーン、ババ・・・・バカン・・・・ドカン!
と、とてつもない大きな、そして地面を震わす音が木霊する!
そして僅かな静寂が・・・・・
付近に少しずつ人影が・・・・
ピーポー、ピーポー・・・・虚しく鳴り響き続けるサイレン、
止まぬ複数のサイレン、当然斉藤には聞こえぬが・・・
上空には微かにヘリの音が・・・・
少しずつ近づいてくる!
ヘリの腹の部位に太く赤い十字のクロスが見える!
これは・・・・ドクターヘリ!?
どうやらそのヘリ・・・・着地点の確認!
まさしくその道路上は、とんでもない事態になっている様だ!
下敷きのセダンを引っ張り出すのにレスキューも到着!
ダンプはセダンを取り出した途端、ゆっくりと坂を下って行く!
どうやらブレーキ系統のオイルが漏れており、惰性でズルズルと・・・・
ダンプは、がけ下に転落!
これは大惨事に・・・・
その下には民家が・・・・・
路上の事故現場は・・・
日が昇り出して路面はどす黒い血液が・・・・
それは新鮮血も混ざって辺りは血の海!
斉藤の血液が・・・・搾り取られて・・・・
生存の可能性が、減る!
その分だけ生命の危険が大きくなる!
目の前の悲惨な現状が、その場を凍らせる!
「おい・・・息はしているのか・・・!?」
「無理だろう・・・」
「早く運ばないと・・・・!」
「命が!」
「そうだな・・・・・!」
「でも・・・・あれじゃー・・・体が取り出せない!」
「・・・・・・車体を切断しろ!」
「レスキュー・・・・ドアを焼ききれ!」
「了解!」
レスキューが必死で、ダンプの下から引きずり出した。
やっとの事で引き出された車は車高が55%に破壊されて無残な鉄くずの箱!
既にスクラップと化したセダンを、呆然と見つめる複数の眼!
レスキューたちが、潰れた運転席のドアをバーナーで切断、
意識の無い運転手の救助にやっと成功出来たようだ。
ボロボロで、命がほぼ途切れかけた運転手!
ヘリから降りた医師と看護師の3名は、
まさに救出された運転手の前に飛び出る。
「葵! 鋏!」
「了解!」
「切れ! その服!」
「酸素! 5L!」
「了解!」
「酸素了解!」
「血管確保!」
「よし・・・・流せ 全開で!」
リアルタイムで、TVのシーンそのものが現場で展開されている!
多くの目が驚きと、凄さに圧倒されて目が点になっているのがわかる。
「すげー・・・・マジかよ!」
「わぁ・・・本当に・・・・テレビと同じ!!」
近くのそれを見つめる多くの人の囁きが・・・
「おい! もう駄目だろう!」
「きっと、死んでるぜ・・・・!・・・これじゃー・・・・」
「そうだ・・・な!」
「若いのに・・・・」
「命が・・・・終ったな!」
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1239
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr