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Rap1237-人工授精・・・・!! -2

Rap1237-タムラ先生夜間外来総合


Rap1237-人工授精・・・・!! -2


 アルコールの入った友美と嘉納三郎、

少し愚痴っぽく嘆く!

「どうして・・・・!」

「欲しい家庭には出来ないんだ!」

 「・・・・・・・」

「・・・・・・ふう!」


 「そうよね、出来る人は簡単に出来て・・・・」

友美もアルコールのせいか、愚痴りに多少の毒気が、

入ってしまった様だ。

 三郎もしょげた声で・・・・


「それ・・・・失礼だけどマズイ出来ちゃった!」

「が・・・・多いような気がする!」


 最近のマスコミ報道で、わが子を簡単に虐待したあげく

放置してしまって、それでその子の人生を奪う。

何の罪も無い抵抗の出来ない、

幼い命を奪ってしまったニュースが、最近特に多い!

「本気で愛し合ったつもりと・・・」

「信じたいが・・・」

「思いのままに、勝手に好きな事して・・・・・」


 “赤ちゃん!出来た!”

“どうする!?”

“そんなの・・・・知らねーよ! 俺!”

“何とか・・・しろよ!”

 “そんなお金ないよ!”

“・・・お前が何とかしろ!”


そんな会話が見えるようだ!

あるいは、それを知った男(彼)は当然音信不通に・・・・

トンズラしてしまう男も・・・・・多いとか! 


そんなの!望んでいなかったから・・・・

まさか1回のセックスで、出来るなんて、

よっぽど運が無かったんだ!

俺・・・・・・

 ふざけんじゃない、ばかやろう!

と本気でその相手に喧嘩を売りたい気分だろう・・・ 


「そして、夫婦関係が破綻すると子供が邪魔に!」

「で・・・新カップルに邪魔な扱いをされ・・・・」

 「あげくは・・・・・わが子を手にかける!」

「あぁ・・・・世の中不公平だよな!」


 三郎は2本目のビールを飲みながら・・・・

真剣に友美を見て、呟き・・・いや訴えに近い!

「どうしても、・・・・・・」

 「出来なかったら・・・・」

気まずそうに、その後の言葉を続ける。


「施設に相談して・・・養子縁組!?」

「頼んで見るか!」

 「・・・・・・」

友美は、三郎をちゃんと見て、

せいいっぱい貯めていた雫を流しながら、

「でも、やっぱり・・・・」

 「やっぱり、貴方の・・・・」

「貴方と私たちの子供が!」


三郎は友美の真剣な眼差しに・・・・、

自分が男だった事を思い出すように!

「やっぱり、・・・・そうだよな!」

 「・・・・・うん!」

「・・・・そうだな!!」


 二人は吸い寄せられるようにお互いが、

お互いをきつく抱きしめて、ながーいキスをした。

 「やっぱり・・・・!」

「私たち愛し合ってるよね!」

「・・・ああ・・・そうさ!」

「誰よりも オマエ を ね!」

 「・・・うん!」

「私も・・・貴方を世界一愛してる!」


長い抱擁と、たくさんの愛のこもったキスをしていた!

やっと、二人は唇を離し、

 「ねぇ・・・・もう少し頑張ってみよう!」

「そうだな!」

 

いつもなら、冷えて美味いはずのビールが、

何故か今夜は特に不味い!

「おい、ビールってこんなにまずかったかな!」

 「それは、貴方の心に余裕が無いから、でしょ!」


嘉納三郎、真面目な顔で!

 「で・・・原因はやはり・・・・俺!?」

「ううん! それだけじゃ無いって!」


 確かにこの夫婦、どうやら夫三郎の精子の少ないのが、

原因だけでは無さそうだ!

 しかし、精子の少ない事は医者から言い渡されている!

「貴方の場合、一般の人の半分ぐらいの量です」

と、言われて相当ショックなのは事実だ。


 実は、嘉納夫婦、次のトライは以下の方法を、

医者から勧められている。

それは、AIHと言う手術!


AIHは配偶者の精子を用いるが、無精子症の場合には提供者、

すなわち夫以外の精子を用いなければならない。

これを非配偶者間人工授精artificial insemination with donor's semen(AID)とよぶ。


わが国では、1948年に慶應義塾大学病院にて、

最初のAIDが施行された。

翌年AID第一例の出産が報告され、

その後1958年には凍結精子による、

AID妊娠の成功が報告されている。


AIHの適応は、

(1)性交障害・射精障害、

(2)精液性状不良、

(3)精子上行障害(性交後試験不良)、

(4)原因不明不妊・機能性不妊などがあげられる。


AIHの授精周期あたりの妊娠率は6%、

症例あたりの妊娠率は30%であり、

妊娠例のみに限ると、対周期妊娠率は20%前後である。


妊娠成立までに要したAIH周期数は平均5~6周期であり、

70%が5周期までに、95%が10周期までに妊娠するといわれている。

しかし、高度の男性不妊に対しては、

大きな限界が存在することは事実であり、

AIHにより妊娠が成立しない多くの症例では、

体外受精・はい移植の適応となることが多い。


嘉納夫婦が気を取り直してチャレンジして、いい結果に期待した!


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1237


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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