Rap1236-人工授精・・・・!! -1
Rap1236-タムラ先生夜間外来総合
Rap1236-人工授精・・・・!! -1
「今日生理来ちゃった!」
「やっぱり、今回も駄目か!」
「貴女、ごめんなさい!」
「何で・・・・君が! 君が謝るんだ!」
「・・・・・・・」
何ともいえない、重い空気が、折角暖かくなった部屋を、
冷めさせてしまった。
「そうか、気にするな!」
「・・・・・コメン!」
「だから・・・・・悪いのは君だけじゃない!」
「僕も・・・それに、医療の技術も、政府の考えも!」
「みんなさ!!」
こんな会話を、仕事を終えて帰って来て来るなりする羽目に!
嘉納自身少しは期待したいたのに・・・・・
「ビール・・・・くれる?」
「はい!」
「君も、飲めよ!」
出来れば、嘉納三郎はビールでも飲んでから、
少し落ち着いた気持ちで、聞きたかっただろう。
しかし、友美にはそんな余裕が無かった。
今度こそは!
と、少し安心していたのに・・・・
きっと、冷静なかつての友美なら、
そんな相手を傷つける言葉を、帰って来るなり、
相手を落胆させる言葉など、決して言わない優しい女性だ。
この、嘉納夫婦不妊治療でおよそ5年も、
こんな辛い思いを続けている。
出来る家庭にはすぐに・・・・・
そして予定外のオメデタも、
挙句は予定外の・・・・子供として!
失敗の子供として、水子に・・・・・
きっと、多くの女性が水子供養を、
どれ程経験したのやら・・・・
今も、ひっそりと水子供養に向かう女性を、
多く見かける。
そんな事を考えると、人生って、人間って、
不公平だとつくづく思う!
多くの子供が欲しい家族は、きっと死ぬほど・・・
自らの命と引き換えにしても、
夫にわが子を抱かせてやりたいと、
真剣に思う女性も少なくない!
せめて、自然受精が無理なら・・・・
人工授精でもと考える!
人工授精とは!
人為的な手段で雄の精液を採取し、
これを雌の内部生殖器内に注入して、
受胎を成立させる技術をいう。
授精(insemination)とは、雌の生殖器内に精子を授けることで、
かならずしも精子と卵子の融合である、受精(fertilization)を招来するとは限らない。
したがって体外受精の場合は人工受精の語を用いるが、
体内で受胎させる場合は人工授精で、両者を混同してはならない!
始めのいわゆる、人口受精を何度も繰り返して、
それが上手くいかない場合に次のステップへ向かう!
その次のステップの多くは体外受精だろうか・・・・・・
しかしそれまでに、数知れぬ屈辱を夫婦は味わう羽目になる。
特に女性は、婦人科内診を・・・・
屈辱的な・・・格好で・・・・
あの診察台で、両脚を大きく広げられ、
子宮に様々な器具を挿入され、痛い思いと、
これ以上ない、恥ずかしい思いをする。
それは、女性だけでは無い!
男性も様々な屈辱的な質問を受け、場合によっては、
病院内で無理やり精子を採精させられる!
これは、ある意味男性も屈辱だろう!
二人の愛する子供のためと必死で堪える夫婦たち!
勿論嘉納夫婦も、同じ思いを何度も経験しているはずだ!
特に、医療機関を変える度に、同じ検査をさせられる事に閉口して、
文句を言いたいのを堪えて・・・・・
ひたすら我が子の為にと!
そうなんです、医療機関ではある病院の検査は多くは無視します!
最近はその傾向は、だいぶ軽減されていると聞いているが・・・・
だが・・・・あります!
特にプライドの高い医療機関など、他の医療機関を信じません!
残念ですが・・・・・・
今回、二人の受けた、人工授精とは・・・・・・・・
精子を、受精の場である卵管膨大部の近くに送り届ける処置!
男性不妊の治療法として汎用されている。
精子の数が少ない、あるいは精子の運動が不良な精子無力症では、
受精に必要な数の精子が卵管膨大部まで到達できない。
このような症例では、用手的に採取し調製した精子を、
排卵日に子宮頸管、あるいは子宮腔内、さらには卵管内に注入し、
卵管内で受精が成立することを期待する。
このような手技を総称して、配偶者間人工授精!
そして、さらに卵管内に注入し、卵管内で受精が成立することを期待する。
このような手技を総称して、配偶者間人工授精(AIH)
artificial insemination with husband's semenとよぶ。
そう、今回は男性に少し難・・・・・
精子が少ないあるいは、別な理由で!
それ以前に、友美は多くの検査受けている。
今の所、客観的に見ると、この処置は男性側に非があるようだが、
断言は出来ない。
そんな事は友美ちゃんと理解しているが、先に自分が謝る!
ちょっと、お互いの愛の深さが見えるようだ・・・・・
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1236
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr