Rap1234-タムラクン の 恋-11
Rap1234-タムラ先生夜間外来総合
Rap1234-タムラクン の 恋-11
話は彩のことに戻り、タムラ先生は彼女の傷は、
次の形成手術で、ほとんど見分けがつかない程に、
きちんと完治すると言う事を力説した。
既に何十人も成功している事、
そして彩ともう一度きちんと話すことを約束した。
話の間じゅう泉は、タムラ先生に見とれてしまって、
心を何かに奪われてしまった様に、ぼうーっとしていた。
思い切って泉は、タムラ先生に、近いうちにゆっくりと、
落ち着いたところで、夕食をしたい事を、
かろうじて話すことが出来た。
泉の心の中では、ほぼ彩が安心出来る様になったが、
まだ入院中なので、少し不謹慎だと思ったが、
意を決して話した。
昼事を終えて、部屋に戻ってみると、
彩は目覚めていた。
そして二人を見て、何か意味ありげに、
にっこりと笑いながら、二人に尋ねた。
どこに行っていたの、二人して。
「お腹が空いたので・・・・」
「先生と食事に、行って来たのよ。」
「ただそれだけよ!」
「ふーん・・・!」
「何かお二人さん、恋人同士みたい?」
「お似合いよ!」
「何言っているのよ、先生に失礼よ!」
「ぼくは、・・・」
「イヤダー、先生、赤くなっている!」
「・・・そんなことないよ・・」
「ほら、そんな格好で風邪ひくわよ!」
と言って、泉は無理やり彩に布団をかけて、
部屋を出て行ってしまった。
その後にタムラ先生も後を追うようについていく。
彩の状態が落ち着き二人の時間が空いた頃。
二人は、ある有名なホテルのレストランに入った。
泉がたまに利用する高級レストランの一つだ。
「素敵な所ですね。」
あたりを見回し、ここが如何に高級かすぐに察する。
「僕らは話には聞いていたが、なかなか予約が取れない。」
「かなり人気のある店ですよ。・・・」
「そうですね、私も少し無理しました。」
と、ワインを片手にうれしそうに話す。
タムラ先生を前に泉は、
「先生、本当にありがとうございました。」
「いいえ、仕事ですから!」
「彩もようやく元気になり!」
「今度は本当に強く生きていけるでしょう」
「所で実は私・・・・・・」
「診療所で先生を見かけた時から・・・・・」
「先生がとても気になっていたのです!」
「本当ですか?」
「信じられない!」
「実は・・・・・、僕も貴方にも一度会いたい?」
「と・・・・!?」
「診察室以外で、貴方とじっくりと・・」
「会いたかったのです、僕!」
「私もずっと、先生に会いたかったです。」
「病気でもないのに、行くのもおかしいし・・・・」
「それに、二度ほど行った時、先生は居られませんでした。」
会計の時、それとなく先生の事を聞いたら、
先生は週3回しか来られず、それも午前中しか、
来られないと言うことでした。
一方的にしゃべり続ける泉の言葉に、
タムラ先生は、ただ頷くだけであった。
タムラ先生にとっても、泉のことは、
気になっていた存在だったので、
まんざらでもない様子だった。
食事を終えて、泉はタムラ先生をスカイレストランに誘った。
食事の間じゅう、とても和やかな雰囲気だった。
彩の言うようにまるで、恋人同士の様であった。
食事の場所でほろ酔い気分の二人は、
スカイレストランのバーカウンターでも、
かなりお酒がすすんだ。
窓越しに見える都心の光り輝くネオンは、
二人に様々な空想掻き立てる。
その光景を見つめる彼女の心は、別のところにあった。
泉は彼に断って、しばらく席をはずした。
戻って来てみると、彼女の顔はいくらか上気していた。
歩き方もぎこちなく、スツールに座る時もきちんと座れず、
転びそうになった。
寸前の所でタムラ先生が、抱き上げて助けた次第だ。
抱き起こすとき、泉のハンドバックから、
ホテルのルームキーが床に落ちた。
そのルームキーを二人の手が殆んど同時に伸びた。
二人の目が合ってタムラ先生は全てを知り、
ルームキーをバーテンに悟られないように、
カウンターの隅に追いやり、
カウンター側から見えない所に隠した。
泉にとっては、清水の舞台から飛び降りるような気持ちであり、
超積極的な行動である。
タムラ先生も動揺を隠せず、そのキーから目線を外した。
泉はその事で全てを知られ、体中恥ずかしさがこみ上げ、
まともにタムラ先生を見ることが出来なくなってしまった。
耳の辺りから頬まで、火照っている自分に恥じらい、
余計に赤くなってしまう。
こんな積極的な自分に驚き、自分を見失っている。
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1234
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr