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Rap1226-タムラクン の 恋-3 

Rap1226-タムラ先生夜間外来総合


Rap1226-タムラクン の 恋-3 

 


ついに瞳が、胸のことを己から話し出した。

「私の胸、元に戻るかしら?」

曜子は、ゆっくりと、噛み締める様に

「大丈夫よ!」と一言笑顔で囁きかけた。

「本当??」

「大丈夫!」


そう、言い残して曜子は、静かに部屋を出て行った。

それから2日過ぎた晩、曜子が私服で瞳の部屋にやって来た。

曜子は黙って瞳の病室に入り、ドアを閉めた。

瞳の前にゆっくりと歩み寄った。


いきなり何を思ったか、曜子は自分の真っ白なブラウスの、

ボタンを上から外していった。

瞳は訳がわからず、驚きの表情。

瞳はただ黙って、目を見開き、曜子の行っている事に、

魅入っていた。

ただ、事の成り行きを見つめているばかりであった。


曜子は、真っ白なブラウスを脱ぎ捨てる。

今度は両手を後ろに回し、ホワイトゴールドのブラのホックに、

手を掛け躊躇無く外した。

そして、瞳に話しかけた。

「ねえ、見て私のバスト!」

少し恥らいながら・・

瞳は思わず、


「綺麗・・・」と叫んでしまった。

曜子のバストは左右のバランスがとれ、

重力に逆らって、上向きにぴんとしていた。

本当に美乳であった。

思春期にバランスよく発達し、完成された綺麗なバストだった。


「実はね、私もあなたと同じように乳癌のオペをしたの!」

「タムラ先生にしてもらったの!」

「そしてその後、アフターケアーで・・・・」

「この病院内にある、“美容整形の乳房特別プロジェクトチーム”のお陰で、

今あなたが、目の前で見ている様なバストに。」


 「本当に?」

「本当なんだ!」

「あなたが今綺麗と言ってくれた、バストに戻れたの。」

 曜子は、瞳の前に近づき

「よかったら、触ってみてもいいわよ!」

瞳はコクリと頷き、曜子の美しいバストに両手で優しく触れた。


 「ウワー、柔らかい、全然傷のあとがわからない!」

「そう・・・、そう言ってくれると私もうれしいわ!」 

 「だからあなたも安心して。」

そう言って、北村曜子は恥じらいながら、後ろを向いて、

ブラジャーのフックをはめ、ブラウスを着た。


瞳は、目を潤ませながら

「曜子さんありがとう。」

と、心から感謝の気持ちをこめて囁いた。

自然な感じで曜子は、瞳を優しく抱きしめた。

そして、「タムラ先生を大切にね!」

と静かに瞳の部屋を出て行った。


瞳は暫らく曜子さんの、言った言葉が耳の片隅に残った。

“あれは一体、曜子さん、どう言う積もりなのだろう?”

瞳は暫らくベッドの中で、考えているうちに眠りについた。


次の日から瞳は、見る見る元気になり笑顔を取り戻した。

ナースも別の主任ナースと変わり、家族や友達も見舞いに、

やって来る様になった。


タムラ先生も、部屋に姿を見せるようになった。そして、

「やー元気か!」

と話しかけるだけで、幾分彼女から遠ざかっている様に、

瞳は感じている。

本当は主治医として、彼女が眠っているときに何度か姿を見せた。

麻酔で意識の無い時は、傷口を自ら処置をしていた。


彼女が覚醒してからは術後の様子は、逐一タムラ先生に、

看護師北村曜子が、完璧な報告を行っていた。

そして彼の適切な指示で、完璧な治療が行われた。

もちろん、北村曜子の行動もタムラ先生の指示であった。


めきめき回復した瞳は、院内を自由に動き回れる様になった。

外出の許可も出してもらえるのだが、

瞳は完全に、北村曜子さんの様になるまでは、

外に出ない決心であった。

不完全な姿で、人と会うなんて事は、

服を着ていてもしなかった。

瞳は自分が納得するまで、誰にも接したくないのだ。

特に好きな人や、自分で意識した人には!


たとえ外見からは、全然分からなくても駄目なのだ。

そう、体が完全になる迄は心の中は晴れやかなものになれない。

“美容整形の乳房特別プロジェクトチーム”

に期待する瞳は、祈るような気持ちである。

瞳は、欲張りな気持ちで

“この際だからと今まで以上に美しいバストにと”


しかし、彼女のバストは術前もすばらしいバストだった。

心の中で、よりパーフェクトなバストに、

してもらおうと心に決めていた。

そして、ある人に見てもらいたいと、

少しうがった気持ちも、持ち始めていた。

乙女心が、ますます瞳の心に芽生えて来ているのであった。

おそらく、3~4週間後“美容整形の乳房特別プロジェクトチーム”が

活動し始める事になるだろう。


そのチームをタムラ先生は、チーフとして指揮を執る。

タムラ先生の息の係ったスタッフで構成されている。

もちろん北村曜子も、そのメンバーの重要人物だ。

この“美容整形の乳房特別プロジェクトチーム”は

院長直下のスペシャルチームなのだ。

マスコミにも殆ど知られていない。


一般の医療業界ではオフレコで、タブーなのだ。

このようなチームは、厚生省でも多くの一般職員は知る由も無い。

高級官僚の特別な地位にある人物だけだ。

瞳の次のステップのオペは、殆どシークレットで行われるのだ。


そして、抜かりなく瞳のオペは終了した。

瞳のオペに当たっては、あらゆる最新技術を施され、

完璧に行われた。

一番重要な事の1つとして、瞳の皮膚組織を採取し、

最先端のクーロン技術で瞳の胸部に彼女と同じ細胞が移植された。

その皮膚は特別なフラスコの中で増殖育成されたものであった。


他にも様々な最先端技術が施された。

瞳には専門的な内容はオフレコにしてある。

瞳は、二度目のオペ後自分の胸を見てびっくりいてしまった。

あまりにも完璧な姿になっていたのだ。

その完璧なバストを鏡に映し、心の底からうれしく思い、

タムラ先生たちに感謝した。


瞳の顔も晴れ晴れとした姿に変身して行った。

それから数日後、早乙女瞳は退院した。

退院後すぐに瞳は、強引にタムラ先生とデートをする約束を、

採りつけたのである。

帝国ホテルのレセゾンでのディナーを、

父親のコネで無理やりセッテングさせたのであった。


瞳は、カルティエに特注した今風のシックでハイセンスの、

バストを強調したワインレッドのドレスを身にまとい、

頭の先からつま先までコーディネートされていた。


瞳、生涯最高のおめかしをして、待ち合わせの帝国ホテル、

オープンカフェのアンテークな椅子にチョコント腰掛けて、

タムラ先生の来るのを待っていた。


まさしく、恋焦がれる彼を待つ姿である。

そこへ慌しく、ジャケットの襟を正しながら、

左右を見渡し、瞳が控えめに手を振る彼女の元へ近づいてきた。

「あ、ごめん遅くなって!」

「オペが長引いてね。」


瞳は少しすねたような顔で

「大丈夫、私も少し前に来たところだから。」

と、がんばって嬉しそうに頷く。

しかし、予定の時間より1時間近く待っていたのだ。

瞳は心の中で連絡ぐらいしてくれたら、

と思いつつも口には出せない。


タムラクンの腕に絡みつくように寄り添いながら、

予約してあるレストラン ”レセゾン“へ向かった。

”レセゾン“に入ると、ボーイに予約席へと案内された。

予約席は、10畳程の個室になっていた。


その個室には縦長のテーブルが一つそして、

アンテークの洒落た椅子が6脚ほど並んでいた。

最前列の椅子に向かいあう形でボーイが瞳の椅子、

タムラクンの椅子と・・・・

それぞれ椅子を、ボーイに後ろに引かれ、腰掛けた。

程なくして、料理長自らやって来て、


本日のメニューを簡単に説明して行った。

ワインも全てお任せである。

グラスに、シャンパンを注がれ、

瞳の方がリードする形でグラスを軽く重ねた。

「先生ありがとう!」

と、一言にこやかに最高の笑顔で呟いた。


瞳はシャンパンを美味しそうに、ごくりと喉を潤した。

後の出された料理は、前回タムラクンと食事をした時よりは

多く食べたが、残すほうが多かった。


もっぱらタムラクンの、美味しそうに食べる姿を見て、

幸せを感じていたのである。

瞳はこの日、食事の間に1つ約束事を取り付けて、

タムラクンを開放したのだった。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) 1226


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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