表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
220/288

Rap1220-ある看護師の・・・・?-7

Rap1220-タムラ先生夜間外来総合


Rap1220-ある看護師の・・・・?-7


「ねぇ、貴方はもう、知ってるわね!」

 「ええ! あっさりと言って下さい! 後どれ位!?」

「そうね!! 長くて1ヶ月・・・・」

「早ければ2週間!・・・てとこ!! ですね!」

 どうやら、自分の死期をしっかりと確認するように、

言い放った。

気丈にも、涙も見せずに・・・・


何と、淡々とした会話だろう。

これが、この方が良いのだろう・・・・

 今の患者と医者との話として・・・

 

全てを知り尽くした、Drと看護師の会話だ。


 これ以外にどんな告知方法が、あるのだろうか・・・・

麗奈は二人の会話をじっと聞き入るのが精一杯か・・・

流石の百戦錬磨のスーパー看護師・臨床心理士でも動揺が、

隠しきれてない自分を、そんな自分を諌める麗奈。


「先生、一度外の空気が、吸いたいわ!」

えぇ・・・っと、驚きの表情が看護師2人と恵子先生に・・・・・

「そうね・・・・何処へ・・・行きたいの?」

 「アパート!・・・・にね!」

 「それと・・・九十九里の海!」

 「やっぱ、無理かな??」

「・・そうね、何とか考えて見ましょう!」

 「有難う、ございます! 無理言って・・・・」


どうやら、このまま病院で死を迎えたら、

不味い事でもあるのだろう。

 しかし、彼女それなりに準備はしていた事だろう・・・

でも、まだ何か気になる事が・・・・

 それは・・・・男の・・・・

男達の名誉を守ろうとしての事か・・・

 それとも、その逆で許せない奴らの化けの皮を剥ごうと、

密かに何か記録してあるものが・・それを世間に・・・


それは、まず無いだろう・・・

いずれ親族や友人が、遺品を整理していれば、見つかるだろう。

特別な場所か、隠し金庫に隠してあるとは思えないからだ。


「何とか彼女の望み、叶えてあげたいわ!」

「ああ・・・・・」

 「お願いします! 私からも・・・・・」

麗奈の言葉だ!

「なら・・・・早い方がいいかな!」

 「それに、少し輸血増やして・・・」

「神経ブロックも・・・・・必要だろう!」

 「そうですね!」

「まず・・・、彼女にその事を伝えてやって欲しい!」

 「はい、少しでも彼女の心を強く・・・ですね!」

「ああ・・・・・」


 虚しさが、悔しさが・・・・珍しくタムラ先生・・・・・、

目頭が・・・・・・赤い! 涙も・・・・

医者として、何も出来ない悔しさか・・・・


 癌は、恐ろしい。

しかし、それは・・・・・

今、この現代医療で・・・早期発見で、ほぼ完治出来る。

なのに、何故だ・・・・・それも医療の最前線のスタッフが・・・・だ!


看護師の麗奈、葵を伴って佐伯理沙の病室に向かう所だ!

その前に泣き上戸の葵に、釘を刺す!

「葵さん! あなた・・・・、泣いちゃダメよ!」

 「・・・・・はい!」

「これも・・・あなたの成長!・・・優れた看護師としての、ね!」

 「でも・・・・先輩、身内の癌告知、ターミナルケアー!」

 「いつも、患者さんはこんな気分を、感じて、苦しんで・・・凄いですね!」

「そうね、伝える方と聞く方の感じ方、予想以上の温度差ね!」

 「はい、こういう気持ちで家族は・・・耐えて看病してるのですね!」

「・・・・・えぇ・・・・」

 「あっ、麗奈先輩・・・・涙!」


何と、あの麗奈が涙を・・・・


「私も・・・血の通った人間よ!」

「葵・・・・あなたも、涙はここで・・・出し切りなさい!」

 「・・・はい・・・・わかりました!」



「理沙さん、良い知らせよ!」

 「・・・・はい・・・・」

やっと堪えて蚊の泣くようなか弱い声で答えている。

「あなたの望み・・・・叶えてくれるそうよ!」

 「・・そう・・・ですか! 嬉しい・・わ!」

「元気出して、理沙さん! 九十九里の砂浜、砂丘・・・・」

「あなたの・・・・、生まれ故郷 ですってね!」

「とても綺麗な海・・・・なのね!」

 「麗奈さん・・・それ・・誰から?」

「そうね、それは・・・あなたの、憧れの人から・・・」

 「わぁ・・・いつ? 彼と・・・どうして?」

「それは、あなたと私の永遠のヒミツ、に・・・ね!」

 「有難う、麗奈さん! 有難う!」

「どうやら、少し元気が出た様ね!」

 「はい! 頑張るわ・・・・それまで!」

「そうね、体力温存して・・・」

「歩きましょう、美しい砂浜を!」



葵は、じっと目頭を堪えて、突っ立っているのが精一杯だった。

麗奈は、気丈に平然と、理沙に伝えた!


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ総合病院 R1220


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ