Rap1219-ある看護師の・・・・?-6
Rap1219-タムラ先生夜間外来総合
Rap1219-ある看護師の・・・・?-6
タムラ先生「おい、どうだ!」
田村潤先生 「・・・・・・!?」
タムラ恵子先生「・・・・・厳しいわね!」
「まぁ、あれ程・・・とは・・・な!」
「兄貴、姉貴たちこの患者・・・・」
「院内の看護師だろ!」
「そうね、ふぅー・・・・参ったわね!」
「検診は拒否していたらしい!」
「それに暫く休職も・・・だ!」
「それでも、・・・な!」
「・・・そんなに冷たいのか、職員だろ!」
「そうね、返す言葉がないわ!」
「もう、お前にも打つ手は無いのか!」
「兄貴・・・それは・・・!」
「そんなに違わんよ、俺たち!」
「病理で肝の生検・・・」
「スキルスと出てるわ!」
「そうか・・・・・・」
「我々雁首揃えて・・・お手上げか!?」
「・・・・・・む・・・!」
「もう、彼女に話した方が・・・・」
「ねぇ、麗奈さん!」
いきなり振られて、言葉が・・・・・
「あっ・・・・・はい!」
「彼女もおおよその事実は・・・・」
「そうだろうな、彼女もベテラン看護師だ!」
「それくらい、承知しているだろう!」
「なら・・・告知!!」
「そうね、彼女なら・・・・」
「で、誰が・・・・・だ!」
「・・・・・!・・・!!」
「・・・・・!・・・!!!」
この会話、佐伯理沙の2度目のカンファランスルームの、
一室の会話内容だ。
さすかの看護師連中も声が出ない。
真剣な3兄弟の悲痛な叫びだ!
いきなり振られた看護師の麗奈も流石に、
たじろいでしまった。
それ位悲痛な、氷の張り詰めた雰囲気があの部屋中に・・・・、
肌が引きつってしまいそうだった、麗奈だった。
医者は神ではない!
そう、今の話の内容から、佐伯理沙はオペの手の打ち様が無い、
それ程までに限界に近い状況だ。
麗奈が鎮痛剤と言った、注射もモルヒネだ。
生きているのが奇跡に近い状況だ。
なのに、アルコールでそれも浴びるように・・・・・
並みの意思では、痛み我慢が出来ないだろう。
癌が発見されて、もしかすると、あいつに泣き付いて、
麻薬を処方してもらっていた可能性が高い。
そのあいつとは、そう、散々弄び捨てて行った、
不届きな内科医の事だろう。
まあ、うちの医師に泣き付いて、
処方してもらう手もあっただろうが・・・
しかし、そんな場合には診察、カルテが必要となる。
そして、治療を勧められる。
が、彼女はそれを拒否した。
それは・・・・佐伯理沙の精一杯のやせ我慢、
そして、既に捨てていたのだろう・・・・己の命を!
どうもそんな、気配が見受けられる。
しかし、タムラ潤先生がこの病院に姿を見せた時か、
あるいはその情報を、医学雑誌で見かけた時に、
一縷の望みを持ったのかもしれない。
最近は、一般の週刊誌にも載った事があるから、
それで・・・奇跡信じて頑張ってみようとして、
タムラ先生に相談に来たのが・・・・・、
本音なのだろうか・・・
そして、タムラ潤先生に憧れも・・・恋をしたのかも・・・・
そんな雰囲気が彼女を明るくしていた様だ。
あの後、誰が彼女佐伯理沙に告知をするのが一番なのか、
もめたのか・・・、
あのカンファランスルームで、結論がどう出たのか・・・・・
もう貧血も酷い、輸血も彼女の体に留まっていない。
下血も半端なく続く、なのに上半身は浮腫が・・・・・
痛みは点滴中に、ソセ・アタ(ソセゴン30mg アタラックスP50mg)
を絶えず側管注射で時間ごとに注入しているので、
症状の割には強く感じない。
患者は看護師なので、患者の前で医薬品名やその他医療用語は、
控えるように看護に当る看護師たちに厳命していた。
意識も少しずつ朦朧として来るのがわかる。
しかし、その中で時折意識がしっかりする事もなる。
「ねえ、私の・・命後どれ位・・・かしら?」
「・・・・うん・・・ああ、ねえ・・そんな事!」
「教えて欲しいわ・・・、主治医は誰かしら!」
「はい、恵子先生です!」
そんな会話が看護師と、佐伯理沙で続く中に、その主治医と、
看護師であり臨床心理士でもある麗奈がドアを開けて入って来た。
そう、今回は心理士の麗奈にも参加するように、
あのカンファランスで決めた様だ。
知りすぎる位に病気、患者の事を知る看護師だが、
今回はあえて3人の意見で、そう決まった。
欧米や、アメリカ等では、神父や心理士も同席があるらしい。
二人が沈痛な顔で入って来た時から理沙は察した。
下手に明るく振舞っても逆にまずいと思い敢えて、
普段道理に接する事も決めていた。
「そう、教えて、私の寿命!!」
相当強気で、気丈に振舞う理沙に言葉が出ない。
全て、手の内を知り尽くした患者には、言葉が出ない。
恵子先生、麗奈にとってもこんな経験は非常に稀だ!
さぁ・・・・話す、恵子先生そして麗奈!
もう、その場にいた看護師は眼を真っ赤にして、
声を殺してすすり泣いている。
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ総合病院 R1219
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr