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Rap1212-ストレス、不眠、生理不順 彼女が会いたい!-3

Rap1212-タムラ先生夜間外来総合


Rap1212-ストレス、不眠、生理不順 彼女が会いたい!-3


「ゆっくり出来るの・・・今夜だけ?」

 「そうだな・・・」

「そう・・・・・」

 「・・・・!!」

「何だ・・?」

 「ううん・・・何でも!」

「そうか・・・」


理恵はしきりに話しかける。

シンゴ もその辺はわかっているが、あえて無視する。

今ひなびた温泉旅館で夕食をとっている。

 どれくらいぶりなんだろう。

そんな事を二人とも考えている。


こんなはずでは・・・と思う気持ちもある。

理恵は心は体は・・ここで何とか挽回して、

よりを戻したい。

 そして少しでも長く傍にいてほしい。


今夜は結婚が出来なくても、彼の子がほしい。

それでいい、それだけでいい。

多くは望まない、己のわがままが・・・・、


わかれて、シンゴが遠くに離れてみて、

彼のよさをしみじみと感じて・・・

後悔して、寂しくって・・・・恋しくって・・・

もう最後は、がむしゃらに縋りつきたい気持ちで・・・

メールした、コールした・・・


“逢いたい! シンゴ ゴメン”

“逢いたいの・・・待ってる!”


そんなメールをNYから到着して成田空港のロビーで、

何気なく携帯の電源を入れる。

 携帯をスライドして現れたのは先程のメールだ。

一瞬シンゴは躊躇した。

 このまま放置するか・・・・・

しかし、あいつの今までの行動、性格を考えると・・・・


そして、疲れもなんのその、行く決心をした。

次に逢えるのはいつになるやら・・・・


たった数日でも、行ってあげなければ、

理恵相当病んでいそうだ。

今までの彼女の性格行動を考えると、

何をするのか不安だ。


 俺と一緒の時には相当落ち着いていたが、

仕事の関係で留守の事が多かった。

そんな時情緒不安になる。


理恵は、勝手に妄想を膨らませ勝手に崩れていく。

放っては置けない、俺がいないと・・・

駄目なのだろうか、

 しかし、今夜甘えさせ過ぎてしまうと・・・・

その後が心配・・・いっそ連れてNYへ・・・


「ねえ・・・シンゴ!」

「・・・お願いが・・!」

 左手に持った器を置き、右手の箸をおいて神妙な顔で、

「何だい・・・いきなり!」


来たか・・・目的は・・理恵の望みは・・

「せめて・・・せめて私に・・・・希望が!?」

 「ああ・・・」

「一人でも生きていける希望が・・・欲しいの!」

 「・・・・・!!」


そう言うと、理恵シンゴに抱きついて行った。

シンゴはさほど動揺しなかった。

ある程度は予想していた。そうなる事を・・・・・

今までずっと我慢していたのがわかる。


 シンゴも自ら手を出すわけには行かない、

この先の事を考えると・・・

来年早々NYに戻らなければ・・・

そうなると余計に未練を残し理恵の心再び不安に、

 しかし、シンゴには少し考えが・・・・・

そういっそ理恵を連れてNYへ


そんな事思いもしない理恵は、

今彼を離すと二度ともう後はないと・・・・

この部屋は個室だ、食事を終えた後始末にやって来る。

シンゴはその事を考え、理恵の体を暫く抱いた後


 「わかった!」

そう言って目で合図して、乾ききっていない黒髪を、

優しく撫でながら離した。

 理恵の燃える瞳も、シンゴの意思を理解して離れ乱れた裾を、

美しく伸びた脚を隠すように直した。


さして料理に手をつけていない理恵、

今の心境は食の気持ちどころではないだろう。

傍にシンゴがいる。

それだけで幸せ・・・それでもう胸がいっぱい、


張り裂けそうな理恵のハート

シンゴも気持ちは一緒なのだろう・・・・


「もう下善頼むか・・・・?」

 「うん・・・・」


シンゴは、食事を下げてくれるように内線で連絡した。


その間の空気は何か変な空気だ。

はい、片付けて・・・その後は・・・・

間が・・・・怖いシンゴ

そして恥らう理恵、さほど飲んでいなかったが、

今まで昼食は摂ったがそのときも多くを残した理恵・・・・

やはり胸がいっぱいなのだろうか・・


 少しの日本酒・・・あえて冷で飲んだが、

その酒が東北美人の白い肌・・・

理恵にほのかにピンク色に色づけた襟足、

浴衣から覗ける少し小さめだが、普段より開いた胸元・・・


シンゴ見慣れたはずの理恵の体だが・・・

その透けるような淡い桜色、

その美しさがより一層今夜は女らしい。


 実は、この旅館も無理を言って、

部屋を何とかしてもらった。

タイミングなのかそれとも・・・

とにかく豪華な部屋だ。


窓から見える景色は、暗い夜のはずだが雪明りか、

比較的遠くまで見える。

 窓に見える竹林の枝には雪が・・・・

近くに小川が流れているのか、

内線のコールの後、 静けさがせせらぎの音を、

流れを・・・感じる。


シンゴにとってこれが日本なのかと・・・

少し前のNYでの騒がしさが・・

疲れきったシンゴの心を和ませる。


 それから10分程して、下善に2人着物姿で現れ、

手際よく片付けて行った。


そして、二人見つめあいながらすいよせられるように、

くっつき抱き合った。


 それを待っていたかのようにシンゴの携帯のコールが鳴った。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生 総合病院 R1212


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr



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