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Rap1205-脳挫傷患者ドナーに、そして脳死肝移植に挑戦!-2

Rap1205-タムラ先生夜間外来総合


Rap1205-脳挫傷患者ドナーに、そして脳死肝移植に挑戦!-2


「君、肝移植の経験あるの?」

 「はぁ・・3例ほどですが!」

「で、うちのレシピエントは?」

 「この様子だとおそらく・・大丈夫かと!」


「で、ドナーとは・・・」

 「はい、今マッチング、総合検査、行ってます!」

「レシピエントの病歴は?」

 「胆道閉塞症で、葛西式手術から2年半が経ちました。」

「で、その後は!?」

 「ある時など病気の事を忘れる程の様でしたが・・・・・・」

「悪化・・・か?」

 

「はい、ひどい黄疸と掻痒に悩まされ続けていました。」

「肝機能の悪化と、ビリルビン上昇により当院に診察を・・・」

「診察の結果は、すぐにでも生体肝移植を実施した方がよいとの事でした」

「どうやら、その話は・・・・・」

「はい、以前担当の医師は・・渡米しました!」


「そうか、日本の医療に・・・・・か!」

 「詳しい事は私には、わかりかねます!」

「で、インフォームドコンセントは十分か?」

「はい、その事はカルテに・・・・」

「あくまで患者側からの要望により実施希望!です!」


「そうか!」

「それでは・・・・マッチング、検査急げ!」

「家族も、大至急呼べ!」

 「はい!」

返事は麗奈だった。


カンファランスルームに緊張の糸が・・・・

 その時に、院長が・・・・・

「どうだね、タムラ君?」

これには、あらゆる意味が・・・・・・


じっと、二人は見つめ合って・・・・・、

相当に優秀な頭脳のクロスマッチが行われている。

その時間は、本人たちにとっては、数分の出来事だが、

周りには相当長い沈黙に思えたことだろう!

「やりましょう! そして成功です!」

「うん、その言葉だけでいい!」


 「それと、院長、倫理委員会!」

「それに他の臓器きちんと無駄なくの手配お願いします!」

「わかった!」

「それは、うちの者と移植チームがきちんとするだろう!」

 「お言葉ですが、院長!」

「しっかりと、チェックお願いします! よ!」

「わかった、解った!」

「君の良いたい事は・・・・」


どうも最近、変なやからが変ないちゃもんをつけたがる!

それを、タムラ先生心配しているのだ!


それにしても、日本で出来ない臓器移植、

最近外国のメディアが・・・・・、

日本人は日本でとの強硬な態度か、今の現状だ。


当たり前の事だが・・・・

さあ、このT総合病院その幕開けに良い話が出るのやら・・・・


既に、レシピエントは麻酔の準備が始まっている。

硬膜外麻酔は使用せず,通常の全身麻酔のみを行う。

その理由は患者レシピエント・・・・、

肝機能不全による出血傾向を伴うことがあったり,

術中大量出血・大量輸血による出血傾向が出現する可能性があるためだ。


その事は既にタムラ先生を筆頭に、カンファランスを終えている。

当然、何度もシュミレーションを繰り返している。

今回の見学医師は6名に上る。

そして、カメラも回っている。

体位は仰臥位とし, 通常Swan-Ganz カテーテル・動脈圧測定ラインを挿入している。


「それじゃ、始めるぞ!」

 「はい!」

どうやらいつもと気合の入りが違う。

「消毒!」

「はい!」

麗奈の声だ


タムラ先生、なれた手つきで、

左頚部・左腋窩・左鼡径部を含めた範囲を、

ブラッシングし消毒する。


が少し、緊張の様子が・・・・

「先生、左頚部・左腋窩・左鼡径部を含めた範囲もブラッシング消毒を!」

「おう・・・そうだな!」

 「はい、術中に体外循環を使用する場合や内頚静脈・大伏在静脈を・・・」

「グラフトとして採取する事があるからだな・・・・」


 「はい、そうです!」

「では、メス!」

 「はい!」

渡されたメスを・・・・・、

ベンツ切開と呼ばれる逆T 字の切開を見事に行う。

今回の執刀は早田先生が主体となる。


 タムラ先生、見ていて鮮やかな手つきに敬服する。

どうやら、少しずつ俺の番も・・・・

なんて少し寂しさと頼もしさを感じる。


早田先生、切開するに辺り右方向は,

肝臓の右側が十分見えるように大きく伸ばす。

右方向は, 肝臓の右側が十分見えるように大きく伸ばすが,

左側は腹直筋外縁程度までに留め, 上方は剣状突起までとした。


開腹された状況で、明らかに黒ずみ、

これが肝臓かと疑うような色とつやのなさだ。

明らかに肝硬変だ。

一般に見るレバーそう牛や豚のレバーとは大違いだ。


こんな所で比較するのは不謹慎かもしれないが、

わかり易さを表現するのにあえて、述べる。

早田先生、タムラ先生、真剣に腹腔内の検索を行っている。

特に最近癌合併症例が増加していることもあり,

腹腔内の悪性病変の検索は重要で, 二人の医師は,

全例腹腔洗浄細胞診を施行する予定で!


「この浸出液、細胞診 お願いします!」

早田先生の声だ。

  「はい! 何箇所ですか?」

「そこと、そこ・・・全部で6箇所お願いします!」

 「はい、では早速病理へ!」

「学生さん!お願い!」

 「はい!」

それは、今回特別に許された優秀な看護学生だ。

 麗奈が見込みのある看護師を呼んでいた。


腹腔内の悪性病変の検索は重要で, 早田先生、タムラ先生は、

全例腹腔洗浄細胞診を施行している.

生体肝移植における肝摘出では, 胆管・動脈・門脈,

いわゆる肝門部の処理が重要で, この操作で問題が生じると,

後々の脈管吻合, さらには患者の予後にまで影響することから,

非常に丁寧に行う必要がある。

 

 まだ、まだ、開腹で脳死肝移植は始まったばかり



ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生総合病院  1205


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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