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Rap1020-飲食中にショック? 他人の薬で・・・

Rap1020-タムラ先生夜間外来総合

 

Rap1020-飲食中にショック? 他人の薬で・・・


「おいしい、最高!」

 「本当においしいね!」

「ねぇ、もう1回頼もう?」

「優子!」

 「そうだね、すいませんもう一皿お願いします!」

「生、中3つも!」

「やっぱ、仕事の後の一杯最高ですね!」

 「やめられねーな!」


雑誌の原稿、一段落して今、遅い夕食を居酒屋で、

呑みながら食事。

最高な一時を満喫している。


これが楽しくて、毎日あちらこちらの作者から怒鳴られ、

会社からけなされ、うそをつかれても我慢の日々。

新人の川村敏子、江藤正 中堅どころの山田優子と、

デスクの沢村隆一。


実はこのメンバーみんな、風邪気味 そして、

症状の比較的激しい新人の川村敏子が、昼休みに近くの診療所に行き、

くすりを貰ってきたのだ。

そして、食事の直ぐ前にビールで沢村隆一、敏子から貰った薬、

俺も同じ様な症状だからと、服用してしまった。


そして、今現在! 大変な状況に・・・


「苦しい、心臓がどくどくする!」

「呼吸も苦しい・・」

「うぅ・・・」

そう言って、倒れこんでしまった。

外から見ても苦しそう、顔面が腫れてきている。

痙攣もあるみたい・・・


「おい、川村・・、救急車を呼べ!」

「早く!」

 「はい!」

敏子、かなりあわてて119番、動揺が激しく、

なかなか上手くプッシュできない。


「はい、救急外来」

 「動機が激しく何かに当たったのか、ショック症状です!」

「意識レベルも低いようです」

「ショック症状は・・・」

 

「電話の相手が動転して、上手く聞き取れません!」

「救急車を至急向わせて、もっと詳細を知らせてください!」

 「受け入れてもらえますか?」

「とにかく、患者の状況を早く知らせてください!」

 「了解、です!」


なんと、状況の異変を感知したタムラ先生は、

じかに受話器を奪い取るようにして

救急隊と直接話しをしていたのだ。


今の話ではいろいろな病状が考えられるから。

居酒屋でのショック、もしや・・・


「はい、救急外来」タムラ先生直接受話器をとる。

「どうも、薬疹か蕁麻疹のようです。」

 「いかがわしい食べ物は食べておらず、患者は1人だけです。」

「他の3人は正常です!」


「しかし、昏睡、ショック状況なので・・」

「よし、至急搬送してくれ!」

 「あっ、一緒の人間も同行させてくれ!」


「西川くん!」

「どうも薬疹らしい、それもショック症状で意識レベルが低い!」

「準備してくれ!」

麗奈と、葵 素早く準備に動く


程なくしてサイレンが聞こえ、1~2分でサイレンが消える。


いつものようにタムラ先生、看護師の麗奈、葵

玄関で待ち構える。

ストレッチャーから降ろされた患者のバイタルのチェック、

自発呼吸はあるが酸素マスクは装着済み。

 救急車の付添い人は女性、顔は蒼白、


背が高く化粧は薄めいかにも新人といった感じ。

後から、タクシーが遅れて到着、あわてて飛び出し、

ストレッチャーに追いつくように駆け足。


救急車にも定員がもちろんある。

そのためタクシーで後から追尾、交通違反しない様に。


第二外来に運ばれた患者に素早く血管確保、

ソリタT1 500mlにソル・コーテフ500mg 

あらゆる病状を考慮して補液はなるべく

単純に・・・、が、タムラ先生のモットー

酸素は5リッター/分で暫らく様子観察。


点滴が全身に廻り始めておよそ5分。 

顔色、血圧、呼吸も落ち着いてきた。

患者の方はアルコールと、胸部の苦しみが消失したせいか、

安心感が勝り、すやすやと快い眠りについてしまった。

 

今回は手当てが比較的素早かったのと、

対処法が的確だったので、

直ぐに快方に向った。

ます一安心だ。 

周りの取り巻き立ちもほっとする。

安堵の表情だ。


 「患者さんですが、何か特別な薬、服用しましたか?」

  「実は、私が今日風邪で診療所に行き薬を貰ってきました。」

 「で・・・!」

  「その薬を、同じ症状だからと、デスク、沢村さんですが・・・・!」

  「私の薬を飲みました・・・」

「貴方がもらった薬を?」

「それも・・・ビールで・・・!」 

「そうです、私の薬です!」


そう言って、薬の袋をタムラ先生に手渡す。


破れかかったその薬袋を受け取り、テーブルの上に広げる。

袋は3種類 抗生剤、解熱鎮痛剤、消炎酵素剤、

粘膜保護剤それに、うがい薬が入っていた。


「皆さんにお聞きしたいのですが!」

「沢村さん、何か薬にアレルギー・・・・」

「またはショック症状があるような話聞きませんでした?」

「そう言えば・・・、確かペニシリンの抗生物質で具合が・・・」


「うむ・・・!」

「それで、沢村さんはこれを服用したのですね?」

「はい」 

すまなそうに椅子に、ちょこんと腰掛け、

川村敏子が小さな声で話す。

少し短めのスカートから健康そうな太ももを両手で抱えて・・・

「そうですか・・・!」


「だいたい状況はつかめました!」

「今回、川村さんが貰った薬の中に」

「セフェム系の抗生剤が入っていました。」

 「そうでしたか・・!」


「ペニシリン系ではありませんが・・・・」

「セフェム系も同じ様な症状ショックを起す事があります。」

「皆さんにこれだけは注意しておきます。」

「医者から貰った(処方された)薬は、

その人の今現在の症状に合わせた薬です。」


「決して、他人にあげたり、貰ったりしないで下さい。」

「大変危険です、中には死亡例もあります!」

「それに・・・ビールで薬! ダメです!」

 「すいません!」すまなそうに頭をうな垂れる敏子

 「敏子、お前があげたわけではないから・・・」

と、同僚が慰めるように・・


「患者さんは、今夜入院しましょう!」

「では、後はヨロシク」

タムラ先生麗奈に向って・・・・・、

そして、付き添いの人たちに一礼してたち去る。


いつものように、自分の用が済むと素早く引き上げる、タムラ先生!


後始末は麗奈と葵、

「先ほどの先生の趣旨通り、今晩1日入院して頂きます。」

 「はい!」

「付き添いは誰か一人お願いします。」

「はい、私が付き添います。」


率先して、責任を感じる川村敏子、声を上げる。

しかしそこへ山田優子が割って入り、

「貴方は風邪気味でしょ、無理しなくていいわ。」

「私が付き添います!」

「貴方は早く帰って寝た方がいいわ」

命令口調の感じで、細面の顔に教師タイプの、

少し両端のとんがったやや薄目のピンクのフレームを、

右手で軽く持ち上げるように。


麗奈と葵、どうも患者と何か関係がありそうな感じを二人とも・・・

そしてお互い目を見つめ合い、患者を病室に運ぶ。

残された二人の社員、もう用なしといった雰囲気なので、


「じゃー、わたしたちはこれで!」

と、言って帰っていった。


ナースに戻り麗奈と葵、椅子に腰掛け、

「麗奈先輩、例の、あれじゃなくて良かったですね!」

「そうね、一時はどうなるかと・・・・」

「あの時タムラ先生偶然受話器とってくれたのが最高のラッキーね!」

 「何か、虫の知らせでもあったのかな・・・」


「患者と救急隊のやり取り、もたつくと、患者にとって命取りね!」

 「そうね、今の救急体制、住んでいる場所や・・・」

「症状が起こった場所で人生が・・」

「そうよね、あの超有名な選手だったそして監督もやった・・・」

 「発生場所が悪ければ・・・」

「そうね・・」


“タムラ先生今頃・・・・”

何故か今日会話の少ない麗奈、寂しそう

「麗奈先輩 ・・!」

「麗奈さん」

「うん、何?」

「今、タムラ先生の事考えていたでしょ・・・」

 「やっぱ・・・」

どうも麗奈図星のようだ! 

  


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1020


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr



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