表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/288

Rap1197-どうして・・・・? こんな寒い夜に?-3

Rap1197-タムラ先生夜間外来(総合)


Rap1197-どうして・・・・? こんな寒い夜に?-3


 亜紀は以前歌手として相当売れた。

そして自殺未遂を・・・・

 今は自業自得で、その日暮の様な事をして、

うだつのあがらない男と生活している。


その男が亜紀を売ろうとして・・・・・、

新宿のファッアションヘルスに売ろうとして企んだ。

それを知り、その場を逃げ出した。

亜紀はその様な事を淡々と話した。


「そうだったの!」

 「私をファッションヘルスに入れるなんて! 100年早いって!!」

「そう言ったの・・・あいつに!」

「そして逃げ出したの?」

 「そう!」

 「そして殴られそうに・・・夢中で逃げたわ!」

「それで、池袋をうろうろしていたの?」

 

「そして、誰かにもらったお金が1000円!」

「コップ酒買って飲んだの!」

「そう・・・・それで!」

 「もう男の人が信じられない!」

「どうしよう・・・・?麗奈さん!」


「そいつから、早く逃げなさいよ!」

 「でも・・・・・!」

「・・・・!!」

「飲んでないとやっていられいわ!」

「将来私アル中・・・!」

「そして肝硬変で死ぬの・・・これ、決定ね!」


鼻で笑いながら、半ばやけになって亜紀は言った。

「馬鹿な事は言わないで!」

 「でも・・・どうやって・・・!」

「あなた昔思い出して!!」

「・・・・・ あのステージ を!」

 「!!・・・・・・!!」


「テレビで歌った事!」

「コンサートで、みんなの心奪ったでしょ!」

「それはもう昔の事! 今はごらんの通り・・・よ!」

「甘ったれないで、堕ちるのは簡単よ!」

 「もう良いわ・・・もうどうなっても!?」

「それじゃぁ・・・昔、貴方を慕って・・・・」

「貴方の曲を真剣に覚えて、歌って・・・」

「貴方に憧れた人はどうなるの?」

 「そんなの・・・・・関係ない・・・」

その瞬間、麗奈亜紀の頬を叩いた。


バシ・・・ピシャ!大きな音が・・・・・

黒服は少し驚くが、そ知らぬ素振り。

どうやらこの黒服、麗奈と知り合いか・・・

それとも何度か来た事が・・・・


「関係なくないわ!」

「貴方に憧れた人多いわ・・・・」

「私だって・・・・」

 「えっ・・・・!?」

「貴方・・・輝いていたわ・・・すごく!」

 「・・・・・!?」


亜紀の目が輝き出した。

涙もいっぱい貯めて・・・

「もうダメなの!?」

「心の底から・・・そう?」

「もう歌わないの?」

 「歌えないでしょ・・・こんな生活じゃ・・・」

「まだやり直せるんじゃぁ・・・・・!」

 「無理・・・でしょ!」


「心があれば・・・・・」

「あの時の心があれば、何とか・・・・」

 「もう誰も聞いてくれないでしょ!」

「・・・私の歌なんか・・・」

「そんな事無いと思うけど・・・・」

 「有難う、慰めてくれて・・・・」


暫く沈黙が・・・・

BGMとしてか、ボリュームを下げて小さな音で、

ミュートの効いたトランペット・・・・

JAZが流れている。

 あれは・・・・マイルストーン!?


古ぼけているが、JBLのスピーカーからマイルスデイビスの、

ミュートの効いたマイルストーンが流れている。


「それで終わり!」

「貴方そんな人だったの?」

 「そうよ!」

「そんな意気地なし・・なの!私!」

「たった一度、男に振られて・・・人生棒にふるの?」


 「あれは辛かった! 本当に!」

「相手が結婚して・・・・」

「記者会見して・・・子供出来て・・・」

「そして、週刊誌に人生の敗北者呼ばわりされて!」

「負け犬で野たれ死に!」

 「そうよ、負け犬で野たれ死に!」

「よ!!!」

「悔しくないの? 亜紀さん!」

 「・・・それは・・・」


 もう大粒の涙が流れっぱなしの亜紀。

泣くと言う事はまだ大丈夫、

可能性は充分と見た麗奈!


「うちに来ない?」

 「・・・・・?」

「イブまで後24時間しかないわ!」

 「そうか・・今日は12月23日!」

「一人じゃ辛いでしょ!」

「イブに・・・?」

 「・・・・・まぁ・・!」


「やり直しなさいよ、もう一度・・・」

「イブの日に誓って!」

「新しい自分探しに・・・・!」

 「えっ・・・イブに?」

「まぁ・・・なんか、誰か見ていてくれるでしょ!」

「貴方を!」

 「誰が・・・・・?」

「いるでしょ!   傍に!?」

麗奈、じっと亜紀を見つめる。

 「ありがとう・・・・!」

「狭いけど、一人くらい何とかなるわ!」


 「えっ・・・本当?」

「ええ、本当よ!」

 「助かる・・・・凄く!」

「イブにお祝いしましょう、ケーキ買って!」

 「わぁ・・・・信じられない! 本当に良いの?」

「良いわよ、本当に・・・・」

「それじゃ、帰りましょう・・・・」

 「はい!」


マスター、お会計!


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1197


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ