Rap1189-一酸化炭素中毒・・麻薬・・!-5
Rap1189-タムラ先生夜間外来総合
Rap1189-一酸化炭素中毒・・麻薬・・!-5
「うん! この元素・分析結果!!?」
「おい、どうした?」
「はい・・・分析結果では・・」
「モルヒン骨格と似ているのだが・・・」
「同定はできないのか?」
「そうなんです・・・・」
「そして試薬に反応しないのです!」
「その、C17H19NO3が、トリプル結合で質量が3倍か?」
「はぁ・・・??」
「これが、あいつの差歯に吸収してあったやつか?」
「はい、唯一あいつが反応して・・・・」
「うちで、これからmorphine抽出、出来んのか?」
「そうなんです、今までの手法ではどうしても・・・」
「無理!・・・・です!」
今、科捜研で2つの検体に頭を悩ませている。
それを懸命に調べている。
あの成田で気になる匂いが・・・
あの大臣の息子の体臭から・・・
それと同じ匂いが、この部屋のバスルームのローソクの、
燃えカスの匂いと・・・
科捜研の捜査員が気になり、元素分析を行った。
が、しかし同定できないのだ。
バスルームで燃えた、ローソクの燃えカスから、
僅かに匂ったそれだ。
それはタムラ先生も感じた事だ。
果たして、あの物質からmorphineが取れるのか、
未だに解決を見ない。
世界に誇る科捜研を持ってしても解決できない。
今、資料の一部をアメリカの機関に送っているが・・・・
果たして!
それと、CO中毒に係わった人物、タムラ先生、看護師の麗奈、
Drカーのスタッフ、刑事、科捜研の当事者の、血液検査、
呼気等を徹底的に調べた。
そして、タムラ先生麗奈に、あの正体不明の物質と同じ元素の集まりと、
見られるチャートが微量検出出来た。
呼気中から・・・
元素分析装置(試料を構成する元素を特定する装置)で元素は同定出来た。
しかし、それでは、麻薬とは言えないのだ。
あくまでもC17H19NO3 morphine骨格が検出出来た事にならない。
「どう言う事だ!」
「はぁ・・・??」
「唯一反応したのが、麻薬犬・・か!?」
「そう言う事になります・・・!」
「まあ、あの大臣の息子はマズ黒だろう!」
「でも、未だに禁断症状が・・・・」
「そうか・・・」
もう完全にお手上げ状態だ。
「昔、オウム真理教がサリンを地下鉄にばらまいた時も!」
「サリンである事がなかなか判明しなかったが・・・」
「おい、それは・・・次元が違う!」
「まあ…確かに・・?」
「そう言えば、あの時に元素分析装置を駆使出来れば・・・」
「はい、あれほど時間がかからなかったでしょう!」
「うむ・・・それにしても・・・!」
もう・・・いらつきの極限まで来ている。
科捜研の指揮を執っている、ひげの生えたすらりとした男、
平井健吉は、さすがに、苦虫を噛んだような、渋い顔をしている。
「そう言えば、一酸化炭素中毒の女性は!」
「まあ、自覚症状はだいぶ改善されたな!」
「そうか、もう一度面会したいのだが?」
「まさか・・・彼女も被疑者・・・か?」
「いや・・・今の処・・・何とも・・・?」
「あの彼女は単なる被害者だろう?」
「そうで在ってくれるといいが・・・!」
「まあ・・・おたく達は疑うのが商売だからな・・?」
「実は、彼女東南アジアにかなりの数の渡航が・・・」
「何だって・・・彼女するとインドにも・・・?」
「そういう事になるな・・・!?」
「それは・・・!!」
絶句するタムラ先生、信じられないと言った感じだ。
タムラ先生、概して美人に悪人は居ないと言うのが、
彼の信条だ。
いや、彼女は関係ない。
あるとすれば、利用されて・・・とか何か事情が・・
“まさか・・・彼女が・・・麻薬に・・・!!”
“ない、無い、あり得ない!”
「先生、何か考え事でも・・・!?」
「ああ、麗奈クンか!」
「もしかして、彼女の事CO中毒の!」
「おう・・・鋭いな!」
「先生、簡単です!」
「・・・直ぐに態度に・・・」
「そうか・・・」
「実は、な・・・彼女に麻薬疑惑が・・・!?」
「えっ・・・麻薬疑惑?」
「おい、声が大きい!」
「あっ、すいません!」
「驚くだろ・・・君も!」
「そうですね・・・!」
「先生若い人特に美人に弱いもの・・・」
「おい・・・それは・・・・」
無いと言おうとしたら、麗奈点滴をぶら下げて病室へ・・
C17H19NO3
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1189
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr