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Rap1176-うそ・・・下血、どうして・・・?-5

Rap1176-タムラ先生夜間外来総合


Rap1176-うそ・・・下血、どうして・・・?-5


「先生・・・・・!?」

「ああ・・・・!!」

 「ですよ・・・・ね!」

「ああ・・・・!!!」


患者が帰った後の二人の会話だ!

勿論、タムラ先生と看護師麗奈の会話だ。


「ねえ・・・・、二人とも・??」

葵もどうやら様子を察した様だ。


タムラ先生、あれからネット、文献をあさる。

無言で・・・・、


血液検査でも・・・・

便潜血はもちろん・・・だ!


彼女の来る日が近づく


タムラ先生未だに文献をあさる。

麗奈何故か、藻亜のカルテに見入る。

検査データが揃い、カルテに貼る・・・糊で!

「ああ・・・!!」

ため息が・・

検査室に再度確認、腫瘍マーカーCEA、


藻亜が、外来にやって来た。二人で・・・・


「すいません、お願いします!」

「それでは、内視鏡による大腸内視鏡検査を行います!」

施術者はもちろん、タムラ先生だ。

 「怖い・・・・!!」

「大丈夫です、任せてください!」

「大丈夫ですよ、タムラ先生は・・・安心して!」

繰り返すように麗奈も同じ言葉を・・・ 

「はい、お願いします!」


 この年齢で・・・信じられないが事実だ。

家族性大腸腺腫症、大腸粘膜に多数のポリープ(100個以上)が発生

それが癌化する。

若年で大腸癌になるのが特徴だ。


10から20歳でポリープが出来始め、

20代半ばでおよそ10パーセント、

40歳で約50パーセント、60歳で90パーセントの割合で、

大腸癌が発生する。


 何と、惨い仕打ちだ。

タムラ先生、諸外国の文献をあさり、無念の一語だ。

若干20数歳で・・・この様な稀な病気だ。

彼女がそれを逃れるには、

若年の時から最低年2回は大腸ファイバーを行い、

ポリープが見つかれば、それを検査して癌細胞が見つかれば、

やはり摘出の道しかない。

 

 この病気から逃れるのは、FAPと診断されたら、

何と、予防的に手術するのが一般的なのだ。


予防的手術には大きく分けると


1.結腸を切除し、回腸と直腸を吻合する方法

2.結腸と直腸を切除し、回腸と肛門を吻合する方法

違いは直腸が残るかどうかだ。

 直腸が残る場合、排便の不具合は軽減されるが、

残った直腸に癌ができる危険性がある。

そして、直腸のみ内視鏡で定期検査する必要がある。

3.内視鏡でポリープを切除する方法もある。


しかし、ポリープの数が多い場合、実際問題どれが癌化しているか、

見分けて切除するのは不可能に近い。

頻回な内視鏡検査を際限なく続けることになる。


彼女の天から与えられた天命は、“惨い”の一語に尽きる。


そんな事情、もちろん麗奈も知っているのであろう・・・


そして、検査結果も期待を裏切らない結果だ。

普通大腸内視鏡検査は、患者も同時に見れる。

 しかし今回はそれを避けた。

一般の患者の場合、ポリープが見つかっても多くの場合、

その場で除去出来る。

そして、転移もさほど心配はないのだが・・・


悲しいかな、藻亜は肝臓にも転移が見つかっていた。

もう外科医の手の打ち様の無い末期、ターミナルに近い。

そんな事は、タムラ先生、麗奈予想と言うより確認作業だった。


良く、今までこの程度で生活出来たのか不思議なくらいだ。

おそらく、一気に癌細胞が藻亜の体を襲ったのだろう。


 タムラ先生が検査の間に、麗奈一緒に来た彼に、

タムラ先生の診断内容を伝えた。

 彼は、もう言葉を失って、必死で涙を堪えていた。

「そうですか!!」

 「・・・・!!!・・・」

麗奈無言で、目で・・・せぇーいっぱい、伝えた。

「有難うございます! で・・・彼女には・・・?」

 「時期を見て・・・貴方から」

 「で、なければ・・・・タムラ先生がお話・・・・!」


もう、これ以上話は続けられない・・・


結果は見えているから・・・・


タムラ先生、本当に悔しそう・・・医療の無能さを・・・


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1176


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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