Rap1175-うそ・・・下血、どうして・・・?-4
Rap1175-タムラ先生夜間外来総合
Rap1175-うそ・・・下血、どうして・・・?-4
「おい、来ないぞ!」
予定の時間は過ぎて、6時05分タムラ先生麗奈の顔を見る。
「そうですね、遅いです!」
麗奈済まなそうに時計をみる。
朝は藁にも縋るような雰囲気だったが、
電話の声は少し元気が無かった。
何かあったのだろうか・・・
「先生たち、帰らないのですか?」
定刻が過ぎ、二人が帰る素振りが無く、
誰かを待つ様子が伺えたので、
葵は不思議に思い、聞いてみる。
「あっ、葵さん? 貴方今夜は?」
「はい、当直です!」
「そう・・・ で、他には?」
何でそんな事聞くのと言った感じで
「佐藤さんと、久保田さんです!」
「そうよね!」
麗奈自分もその予定表持っている。
それにスケジュール決めるのに麗奈も参加している。
葵にしてみれば“何が言いたいの!”と言った感じだろう。
タムラ先生は、今夜も帰れないのだろうと言う事は、
想像がつくが、麗奈誰か患者を待っている様だ。
「実はね・・・今朝・・・」
今朝の麗奈の話を聞いて、葵は
「もしかすると、来ないかも?」
「どうして・・・?」
「だって、自分でも相当ヤバイ事わかっているでしょ?」
「そう・・・よね! うん!」
麗奈もその事を心配している。
確定的に診断が下されると、本当につらい。
まだはっきり、決まった言葉を宣告されていない。
いなければまだ可能性が・・・・
そんな気持ちになるだろう。
そんな会話をしている時に、彼女はやって来た。
二人連れで・・・
「すいません、遅くなって!」
どうやら一人では不安で、彼に来てもらったのだろう。
「大丈夫よ、気にしないで!」
「貴方の気持ちわかるつもりよ!」
「有難う、ございます!」
答えたのは彼のほうだった。
実は、電話もらいまして、今朝の経緯も話してもらいました。
「そうですか・・・で、貴方! 26歳ですよね!」
タムラ先生カルテを見て怪訝そうに問い返す。
「はい、26です。」
「うう・・・・む!」
「実はうちの看護師から事情は聞きました!」
「が・・・??」
「先生、お話しなければならない事が、実は・・・・」
「うちの家族に大腸癌、S状結腸癌で死んだ人がいます。」
「小さい時に家族性で、遺伝の可能性が私にも・・・」
「そして血液検査してました!」
「で、今は・・・していない!」
「内視鏡等の検査も・・・?」
「はい、・・・・だって恥ずかしいですもん!!」
「そうでしょうね、それで、内視鏡とか、注腸なんてしてない!!」
「いえ、一度行きました。小学校の頃! でも・・・」
「はずかしかった! んだ!」
「はい、もうあんな事、二度と・・・イヤ!!」
「そうですか!」
「気持ちはわかりますが・・・」
「本当に、イヤでした・・・変な人たちに見られて」
「はずかしくて、なんでもないのに!!」
「そうね、何でも無いのに、まして女性が一番多感な時に・・・」
麗奈がフォローする。
どこが具合が悪ければそれも、我慢と言うか、
しょうがないと言った気持ちになるが、全然自覚症状の無い患者は、
苦痛そのものだろう。それに物凄い恥ずかしさが・・・・
「では、診察しましょう!」
不安気味の藻亜、麗奈がいてくれるのでだいぶ違う。
麗奈に促されて診察室に向かう。
「あの・・・!?」
「大丈夫よ、心配しないで!」
やはり、診察の場所が場所だけに恥ずかしさが・・・
「今から行う、検査は血液検査、それと触診まででしょう。」
「内視鏡今回は無理ですね。」
「後日、今日処方される消化器内を綺麗にしないと内視鏡は無理ですから・・・!」
「はい、わかりました! よろしくお願いします!」
「では、そこに横になって下さい!」
そこで、麗奈、藻亜に術衣を着せる。
肛門部に穴の開いた特殊な術衣だ。
カーテン越しに、その術衣を見て藻亜少し安心した様な・・・
でもちょっと不安なような気分だ。
麗奈の目が、
“大丈夫! 安心しなさい!”そう言っているのが伝わる。
それで、相当安心しているようだ。
「では、始めます。 リラックスして!」
「肛門に力を入れないように!」
「はい!」こえが、消え入るように小さい。
「いいですか・・・・、緊張してますね!」
「お尻の神経を別な所に持っていって!」
「!!!・・・!! はい・・・」
「そうです・・・その調子・・・」
“わあ、先生の指が私のお尻に・・・・はずかしい・・”
“でももう覚悟決めなくては、お任せするしかないわ!“
そう思うと、もうどうにでもなれと・・・・、
「うっ・・!」
「そこ・・・、痛いですか?」
「はい! 何か変です!」
「今までに、下血ありますよね?」
「はい、3度ほど・・・」
「貴方、以前診察した時、何か言われました?」
「ええ、大腸粘膜に多数のポリープ・・・」
「それは悪性ではないと言われました!」
「その後、受診しなかったのですね!」
「はい、大きくなるにつれ恥ずかしくて・・・!」
「そうですか・・・?」
「はい、わかっていたのですか、理屈では!」
「今の段階で、はっきりした事はまだいえませんが・・・」
「やはり・・・内視鏡は絶対に受けてください!」
「こちらで、診断のための薬出しておきます!」
「はい、わかりました!」
「お腹の内容物を全部出して、消化器官を綺麗にして!」
「徹底的に調べましょう!」
そう言って、ニフレックが処方された!
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1175
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr