Rap1172-うそ・・・下血、どうして・・・?-1
Rap1172-タムラ先生夜間外来総合
Rap1172-うそ・・・下血、どうして・・・?-1
「ねえ、最近大腸癌・・・って」
「怖いんだね!」
「そうなんだ、でも私たちに関係ない、よね!?」
藻亜、居酒屋で飲みながら聖美と、
豪快にビールのジョッキをグイと飲みながら、話していた。
そんな聖美の言葉が・・・・
藻亜には素直に頷けない事態が・・・・・
ある夜・・・藻亜、トイレに行きたくて目覚めた。
今午前4時50分まだ日は昇る前の夜明けに、だ。
ベッドから起き上がる。
“どうして・・・? こんな時間に・・もう・・”
不安な気持ちで、ベッドサイドの予備灯を頼りに手を伸ばし、
部屋を明るくした。
“うそ、何だか変・・・?”
寒さを感じ、近くにあったガウンを見にまといトイレへ駆け込む。
中途半端な便意を促すためにウォシュレットを肛門に当てた直ぐ後に、
急激な便意が起こり、ドバドバっと一気に便器に・・・・
昨日から30時間通じが無く、不快感と下腹部に何か重苦しさを、
感じていたものが一気に便座へ解放された。
が、しかし妙に虚脱感と言うか不安感が・・・・
一瞬藻亜・・・頭の回路がひらめた。
“もしかして・・・”
その不安を確認するために、便座を覗き込む。
“嘘・・・これは・・・血だ・・・??”
いきなり血の気が引くような・・・、
何か恐ろしさを感じた。
“これは・・・私・・・”
“もしかして・・・・”
最近マスコミで騒いでいる・・・
大腸癌の原因の1つにあった
下血・・・に違いない。
ウソ、嘘よその不安を打ち消そうと、
テッシッを肛門に押し当てだ。
何が生暖かくヌルっという感触が手に伝わる。
そのまま目の前にそのテッシュを持ってくる。
すると指先にも赤黒い血が・・・
これは・・・痔ではない。
そんな事を確かテレビで・・・
痔なら血液が鮮血と言う、真っ赤なさらさらの血液だ。
と言う事は・・・・
やはり大腸かもしくはその少し上・・・・
不安と恐怖で、そのテッシュをトイレに投げ捨て、
ベッドに駆け込む。
実は彼女便秘気味で、便意がなかなか起こらず、
週に一度がやっと・・・・、
と言うのが彼女の吹き出物、
肌荒れの原因を引き起こし苦悩していた。
しかし、そんな悠長な事態では無い・・・
これは・・・これからの私の人生は・・・
そっと、ベッドの中で冷たくなった手で、
下腹部に触れてみる。
少しへこんでいる。
寝る前のお腹が張った嫌な気持ちは去ったが、
体に震えが・・・ゾクっと、・・・・もう寝れない。
不安な気持ちのまま朝を迎える。
怖い・・・・・私もう・・・終わり・・・?
死ぬの・・私・・・怖い、怖い
実は藻亜、以前も今朝の様な、そこまで酷くは無い経験を、
何度か以前にしていた。
“便秘は・・・・女にはしょうがないの・・・!”
“繊維質を多めに、水分を多めに取らなくては・・・!”
と、いつも食生活を気にしていたが、
なかなかその事態は改善されず、
かといって病院にも行けない、
不安な毎日が続いていた。
それが、今朝のあの恐ろしい体験は、
・・・・もう・・・ショック、
ショックで仕事にも行く気になれない。
しかし、そうは言っていられない。
何とか気をとり戻し、再びトイレへ・・・・
何と、気が動転していたのか、
突然訪れる生理の汚れとは違う場所に、
血液が付着していた。
今朝のが・・・また一瞬眩暈の様な、
恐怖感が押し寄せて来た。
体が震えた。止まらない、怖い・・どうしよう・・・・
大きな不安感で、汚れたショーツを履き替えるために、
片足を上げてすらりと伸びた脚を抜く・・・・
だが体不安定でその場に転げた。
わっと泣き出した、大粒の涙が・・・
そのまま動けない。
暫くして、右足の親指に掛かった、
ショーツを何とか外す。
その際、嫌でも目に入る自分の股間・・・、
二日前彼に・・・・愛された、
その少し張り出た恥骨を覆う黒い物が、
嫌味たらしく存在感をアピールする。
“大丈夫・・・・よ!”
“藻亜・・私こんなに元気でしょ・・・”
“だって・・・彼と愛せたのよ・・・”
“あんなにも・・・大丈夫、藻亜!!”
もう必死で自分を元気付ける。
そう・・・・、愛してもらってるもん・・・・、
この体いっぱい・・彼に・・・!
何とか血液で汚れたショーツを脱ぎ捨て、
新しい花柄の派手なショーツと履き替える。
自分を元気付けるために、意識的に派手に・・・
そうよ・・・とっておきの、彼のための勝負下着を・・・
そして、ブラをつける。
自慢の少し小さめだが形の良いバストも、
今朝は何故か情けなくうな垂れ、張りがない。
薄いピンクの、シルクの少し胸元が広く開いたブラウスを、
何とか見につけ、濃い目のブラウンのパンストを穿いた。
黒にグレーの縞の入ったミニのスカート、
お気に入りの洋服ダンスから取り出し穿いた。
何とか気分を立て直そうと、
全て自分のお気に入りの服を選んだ。
そう、すらりと伸びた自慢の脚を強調するために・・・・
彼も気に入ってくれた脚。
もう、必死で出勤の準備を終え、化粧をする。
ファンデのノリが悪い、最近特に・・・
肌が荒れて・・・これも便秘のせいそれと・・・・
もう、考えるの・・・止そう、
元気・・・!藻亜は・・・!
何とか、バナナ一本口に入れ家を出る。
通勤時間がやばい、走らなければ・・・
あっ・・・脚がもたつく・・・
もつれてアスファルトに膝を打ち付ける。
転げた。
うそ・・・ストッキングがそして真っ赤な血が・・・・
イヤー・・・もう・・・・・また今朝の悪夢が・・・
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1172
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr




