Rap1156-えっ、飛び降りで、今の意識レベルは?!-6
Rap1156-タムラ先生夜間外来総合
Rap1156-えっ、飛び降りで、今の意識レベルは?!-6
「この場で開腹するぞ!」
タムラ先生、直接心臓に電気ショックを与えるつもりだ。
挿管は既に済み、どちらかと言うともう神頼みに近い
「はい、準備OKです!」
麗奈の声だ!傍には葵、
そしてもう武藤看護師は、倒れた警備の人間の処置に回る。
「メス!」
タムラ先生怒りのこもった声だ。
つい先ほどまで、希望の見えて来たこの体、また振り出し、
いやそれ以上に厳しいかも・・・
彼女に何の恨みが・・・・許せん! 絶対に!
あいつに、絶対に逮捕させる、犯人を・・・・
「チャージ出来たか?」
開かれた心臓の周囲、傷跡が痛々しい。
普段慣れてる麗奈も一瞬目を背けそうになる。
「はい!」
「よし、行くぞ! 離れろ!」
バン、・・・・・モニターはフラット、
1本線が空しい音と共に流れる。
「10あげて、もう一度だ!」
「はい!」
何と残酷なシーンだ。本当に、誰が・・・
怒り心頭のタムラ先生唇が振るえている。
「許せん!」
「生き返れ!」
その言葉を込めて直接心臓に電極を当てる。
「もう一度!」
「はい!」
「くそ!」
「手袋だ!」
どうやら、タムラ先生直接心臓にマッサージを行う積もりだ。
本当に、助けたい!
その気持ちがはっきりと見える。
麗奈にも、葵にも・・・
すべて一点に注目する全ての目が・・・
もう警部も、祈る想いで、何故かあの警部が両手を合わせ、
本当に祈っているようだ。
タムラ先生、繊細で長い手が20才前後の若い女性の心臓を、
愛と情熱の篭った、先生の神業で、蘇生を期待する。
「あっ、先生!」
麗奈が叫ぶ、そしてアンプルをシリンジに詰めタムラ先生に渡す。
タムラ先生黙って受け取り、心注(心臓に直接注射)を施す。
「戻って来た! 脈が・・・!」
「わっ、やった!」
葵の声だ!
「よし、ドーパミン流せ!」
「はい、酸素4リッターで!」
「オウ、そうだ、そして至急輸血開始だ!」
「はい、今!!」
「全開・・・!」
「いや・・・だめだ・・・200ml 1時間で流せ!」
「至急、オペ室へ運べ!」
「はい!」
「振動を与えないように!」
「はい!」
「ええと、今いる麻酔医は?」
「今、連絡を!」
「あいつを、呼べ!」
「はい!」
麗奈、あいつでわかる。
そう・・・タム先生の愛弟子だ。
で、最近、タムラ先生のオペの時、
麻酔医として共にオペ室に入る!
全くあの子は、すれすれで生きている。
よっぽど今の世に未練が・・
それとも、タムラ先生の力か・・・
「おい、すまん!」
警部がタムラ先生に深々と頭を下げる。
あれ程、注意されていた事・・・起きてしまった。
彼女を守れなかった。
だがしかし、あのような高度の技術を持った犯罪組織、
一体やつらの正体は。
そして、相当彼女の証言が・・・・重要なのだろう。
「まあ、あれじゃ・・・な!」
「でも・・・すまん!」
「うちには、医者以上の優れた看護師がいるから・・・な!」
当然麗奈の事だ、まず普通の看護師には無理だっただろう。
「あんな凄い仕掛け、俺も初めてだ!」
「そうだろう・・・その線で犯人の・・・」
「ああ、とにかく、絶対に犯人にワッパかけて・・・くれよ!」
「おう、きっと! いや、必ず捕まえる!」
「それに、警備の人間に麻酔銃からの麻酔弾!」
「おう、それだ!」
「それは、お宅の科捜研の仕事だろう!」
「今、全力を挙げて・・・る!」
「おそらく、あんな事出来る輩そんなにいないだろう!」
「俺も、そう思う!」
「それに何処から発射されたのか!今、その線も洗っている!」
とにかく、まるでスパイ映画の様なシーンだ。
政治家で、その方面に詳しい連中、例えば・・・・、
内閣情報室、自衛隊の武器調達係とか・・・
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1156
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr