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Rap1149-何だって、臨月の妊婦を受け入れた?-2

Rap1149-タムラ先生夜間外来総合


Rap1149-何だって、臨月の妊婦を受け入れた?-2


「それじゃ、まず血液検査!」

「妊娠時のスクリーニング全てね!」


もう始まったら恵子先生止まらない。

どんどん指示を出す。

その後の事は、今夜じっくり検討する。

それにしても全く・・・・


「はい、先生、エコー・・・」

「セット出来ました!」

「さすかね、伊藤さんの対応!」

「有難うございます!」

「ゼリー・・・!」

「もう少し広い範囲でね・・・・・!」


患者の名前そう言えば聞いていない。

「ネエ・・・貴方名前は?」

「・・・ 幾つ?」

「相沢仁美!」

「年齢は・・・?」

「さっき、書きました!」


どうやら、不信感がまだ拭え切れてない。 

「相沢さん、そんなに無理しないで」

「いつも通りで良いわよ!」

かなり突っ張った態度が消えない


 散々人生の裏道を歩き、

大人の汚いそして嫌な部分を、

好むと好まざるに関係なく覗かされ、

すり抜けて何をどう想い感じてか、

宿ったと言うか宿らされたのか、

あえて茨の道を歩もうとする気持ち、

それは半端ない覚悟だろう。


 全て己以外は敵に感じるだろう。

そして利用するものは利用する。

そんな気持ちが、今、目の前の医者や看護師にも、

同じような感情が・・・


「そんな態度!」

「・・・まずくない?」

すかさず、看護師の伊藤は、相沢仁美を睨みつけて注意する。

「いいわよ!」

「・・・少しずつで・・・!」

恵子先生以外と大人しい。


これからの彼女、嫌でもそんな態度で接する事が、

いかにこれから先マズイか、

身をもって理解する時が来る事を承知の様で・・・


 まず、何より患者の精神状態を安定させる事が重要、

と、・・・恵子先生は考えての事だ。


「それにしても、救急のタムラ先生・・・」

「無茶ですよね!」

「そうね!」

「・・・・彼は昔からいつもそうよ!」

 「あの先生殆ど病院にばかりいて・・・」

「家族って・・・」


「それは言わない約束よ!」

「・・・彼にはそれなりの事情が・・・ね!」

 「はい・・・でもあの先生なら・・・」

「私も立候補しようかな・・・」

「えっ・・・!!!・・・?」

その言葉に恵子先生、何故か反応する。

それは・・・・


 それより心配な事が山積み、

彼女と生まれて来る子供に・・・

今現在総合的に検査を行っている相沢仁美に、

考えられるいくつかの、大きな問題をあげてみたい。


それはまず第一に、母子の健康状態、

一見何でも無い様だが思わぬ所に落とし穴が・・・


事務的にあげて見ます!


1.妊娠中毒症(血圧、尿蛋白、浮腫むくみ

2.貧血(鉄欠乏性)

3. 妊娠性糖尿病(妊娠により血糖値が急激に上昇)

4.感染症(性感染症) 

5. 赤ちゃん自身の状態


それぞれとても心配です、が一番心配なのは性感染症です。

特に不特性多数の男性との性交渉には数限りない危険が・・・

そしてコンドームによる避妊も時として無視したり、破れたり

とにかく“危険がいっぱい!!”


 もう直ぐ、総合検査結果が恵子先生の下に集まるが・・・・

少し安心なのは、本人が意外としっかりしている事だ。

“生む!”と言う強い意志に何とか答えてあげたい気持ち・・・・


それは彼、(タムラ先生の)切なる想いだろう・・・

めちゃくちゃなのは・・・

医者として破天荒なのは本人が一番理解している。

しかしそれをあえて、自分にはそれの手伝い、

と言っても自分では無く妹の恵子に依頼するのだが、

その気持ちに恵子先生も賛同した。


と、言うよりさせられたのが現状だろう。

そんな兄が好き・・・!

恵子先生、もしかすると・・・

彼が代表して・・・布石として・・

そう、彼みたいなDrがこれからは必要なのかも・・・

 

今のこんなすさんだ世の中、

リスクは背負いたくない。

楽な仕事、責任の少ない仕事(訴訟等の)で、

面倒な事はゴメンそして高所得、

カッコいい仕事をしたい・・・

いっぱい勉強して最高学歴で永久ライセンス・・・・


決してそんな医者ばかりでない事は、

強く力説するが、世の流れ、政府の指針、

方針が甘いのでそちらに向かう医者も多いのかもしれない。


最近桝添厚生労働大臣が、医者を増やすと言う発言があったが、

その発言後に増える医師の、実戦での活躍は何時の事になるやら・・・

私の私的な感想ですが、彼は頑張っていると思う。

今までの大臣は何をやって来た。

まあ・・それを言い出すときりが無い


おっと、大分横道にそれました。 すいません!


とにかく一番心配なのは感染症だろう。

それもHIV、エイズだ。

本人が感染していても、胎児には感染しない事が多い。


すいません、この話をしないと先にいけません。

不必要方は飛ばしてください。


では、HIVの話を進めます。


HIVに感染していることに気づかないで出産すると、

赤ちゃんへの感染率は約30%、妊娠初期に感染がわかると、

1~2%と言われている。

妊娠中から母子感染を防ぐための適切な対策をとれば、

ほとんどの赤ちゃんが感染せずに生まれてくると言えるでしょう。

適切な対策とは、具体的には

「レトロビルという薬の内服など+帝王切開+断乳」です。

レトロビルによる母子感染予防としては、

妊娠中の妊婦さんのレトロビルの内服、

分泌時にはレトロビルの点滴投与を行い、

生後6週間は赤ちゃんにレトロビルシロップの、

経口投与を行います

(レトロビルの内服が問題のない患者さんのみ)。


レトロビルによる母子感染予防を実施した場合の、

感染率は約8%なのに対し、なにも治療をしなかった場合の、

感染率は約25%という報告があります。

そして、HIV感染者の分娩は、

日本では帝王切開が推奨されています。

この帝王切開は計画的に行うもので、

陣痛が始まってから緊急に行う帝王切開ではありません。

陣痛が始まってからでは、胎盤から漏れる血液により、

子宮内の赤ちゃんに感染する可能性があるからです。

帝王切開による感染率は1.3%に対し、

経膣分娩の感染率は25%とのデータもあります。

赤ちゃんが生まれたら、HIVに感染しているか、

調べる必要があります。

検査は出生48時間以内、2週間後、2ヵ月後、

3~6ヵ月後の4回行います。

陰性であれば9割以上の確率で、

感染していないと言えますが、

最終診断は1歳6ヵ月時点で行われます。

ネットの文献より引用しました。(HIV感染の妊娠、出産)


では、本題に戻します。果たして彼女その様な事が・・・・・



ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1149


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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