Rap1143-ん・!来ない・・どうなる?-24
Rap1143-タムラ先生夜間外来総合
Rap1143-ん・!来ない・・どうなる?-24
「あっ・・・私・・・!!」
無事彼のオペで生還した冴子、今目覚めた。
そして、その場所に圭介が
「おはよう・・・!」
ほぼ渡米の準備も終わり、時間に余裕の出来た圭介、
冴子の病室に、看護の状態でいた。
「私・・・どうして・・ここに?」
事実関係を把握出来ていない、冴子。
そして目の前に彼が・・・・何故・・・
「そうだね・・・君は刺された。」
「そして偶然にも・・・・」
「佐川亮輔君に発見された。」
「えっ・・・亮輔が・・・?」
「そうだよ、そして心音君がここへ・・・」
「僕に連絡して・・・」
「それで・・ここは・・・そうすると・・・?」
「そう、***大学病院の病室!」
「それじゃー・・・貴方が・・・!?」
「そう言う事になる・・ね!」
「でも・・・大丈夫・・・?」
「その心配か・・・それは、心音君が上手く・・」
「そうなんだ・・・・!」
「そう・・・全てが良い方に向かい・・・」
「多くの人の力で・・・、助かった。」
「そして・・今・・・・私!」
「ここに、いる!」
ゆったりした私服で圭介が、
おおらかな表情で冴子を見つめる。
「あれ・・・?それ、その服・・・?」
「そう、その、それ・・だよ!」
その、それは・・冴子が圭介に、
着る機会は無くても良いので、
作るだけ作らせてと・・・
圭介が冴子の部屋でくつろいでいる時に、
サイズを測り編んだセーターを、着てくれている。
「わぁ・・うれし・・・・・あっ痛!」
今まで自分の病状を把握して、
無理の無いようにゆるく話していた冴子、
そんな事を忘れる程気持ちが高まり、
つい声が大きくなってしまった。
冴子の傷跡が・・・、心が痛んだ。
半分痛く、半分疼くような心地よさで・・
「ほら・・・無理すると!!」
余裕の優しさ、大きな心で・・・
私を包み込むように・・・
圭介はまるで冴子の部屋で見せてくれるような、
澄んだ瞳で冴子を見下ろす。
「だって・・・??」
そんな姿・・・・、
他の人に見られたら・・・立場が
彼の立場が・・・心配だ!
「何・・・・? そんな顔・・して??」
今までの状況がまるで嘘のような・・・、
そう・・・
向日葵みたいに日のあたる場所へ、
何の気兼ねもなく・・
本当に・・大丈夫なのかしら?
そのままの気持ちが、冴子の言葉に
「だって・・大丈夫なの?」
「・・・この状況?」
「そうだね、冴子いつも・・・」
「待つ身ばかりだったね!」
「うん・・・・・・!」
もう、涙・・・・・涙・・・・
涙が止まらない、冴子
こんな偶然信じないだろうが、
つい先日程圭介の妻が心肺機能維持装置(PCPS)
から開放され・・永遠の眠りへ、
両親の強い希望と、その筋の関係者の総合意見で・・・
圭介に、彼女の両親からその事実を伝えて来た。
そして圭介、妻に永遠の別れを・・・
マジの涙を流して、告げて来た。
実は、圭介とその妻、越美の、
夫婦生活は形だけのものだった。
圭介は学生時代に、越美に恋に落ち、
越美の体を承知の上で結婚した。
相手の両親が止めるのを聞かずに、
彼女越美の回復を願って。
圭介はその分野に、寝る間を惜しみ、
本業と言うか、本研究テーマを全うしつつ、
植物状態である彼女の回復に、残る力を全て投入した。
しかし、その壁は厚く打ち破る事は出来なかった。
勿論己だけの力でなく、その道のエキスパートに助言を仰いだ。
その結果が、昨日あった。
・・・救われぬ結果として!
当然、冴子にその様な状況は微塵も感じさせず、
圭介男を貫いた。
おそらく、冴子も妻がいる圭介に自分を殺し、
二番目で接していた。
もしも冴子・・・、越美の現状を把握していたら、
彼にどの様に接していたのか・・・
圭介、冴子に何も言わなかったのは冴子の、
性格を知り尽くしていた。
その結果として、冴子に何も告げず。
妻がいるが・・それでも良いのなら・・・
そして、冴子に妊娠させる事も、徹底して避けた。
冴子に経口避妊薬を3年以上も服用することを条件に、
付き合いが始まった。
当然、圭介は確実な自身は無かったが、
そのリスクも彼女に伝えた。
それでもかまわないと言う冴子の強い意志に・・・
3年以上の経口投与を許可した。
勿論、定期的に生理を起こさせる事も条件に、だ。
そして、その資料は製薬会社に、
トップシークレットとして、表に出ない貴重な研究資料として、
研究者たちに引き継がれ、今の経口避妊薬の副作用軽減化に貢献している。
今もそうだが、田村圭介は乳癌の権威として、
日本の医学会に貢献している。
新しい手法もどんどん行い、その論文が、
再びアメリカの某大学に興味を持たれ、
今度の招聘、渡米へと話が進んだのであった。
圭介は、その渡米に相当悩んだ。
それは妻の事、そして冴子の事で・・・
「行こう、アメリカへ!!」
「本当に、本当?」
「ああ、本当だよ!」
「嬉しい・・・冴子・・・ 」
「幸せ!貰ったみたい・・・」
「そうさ、君は“僕の宝”だから・・・・」
「えっ・・・それって・・イタリア人が良く使う・・」
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1143
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr