表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/288

Rap1135-ん・!来ない・・どうなる?-16

Rap1135-タムラ先生夜間外来総合


Rap1135-ん・!来ない・・どうなる?-16


「そうか・・・!!」


冴子の彼、そう言ってから、

長い沈黙が・・・・・

冴子の様子が少し変なのに気づき、

“彼・・・・出来たの?”

そう・・・・茶化す様な軽い気持ちで質問すると、


返事に困った冴子の様子から、

彼は冴子が迷っている様子を感じ取り

“「そうか・・・・!!」”

と突っ込んだ質問に暫しの沈黙が・・・


「ネエ・・・・私今のままでいい・・・・」

「今のままが・・・いいの! 冴子!」


「そうか・・・・・そうだよな!」

「・・・冴子を束縛するのって・・」

「ズルイよ・・・な・・・・俺・・・は!」


 「嫌よ・・・冴子!」

「・・・今のままがいいの・・・!」

 「いないわ・・・好きな人なんか・・・・」

もう唯彼を見つめ・・・必死で涙を堪えている冴子、

彼の優しさを充分に知り尽くしている


彼の仕草も・・・・

彼の愛おしさも・・・

笑い声も・・・・


“いや・・・そんなのいや・・・・”

“失いたくない今を・・彼を”


「すまん・・・な・・」

「俺のわがままで・・・そうだよな・・・」

 「いいえ、いいの!」

「貴方の今でいいの!」

 「欲張らない・・・そう・・・・」

「何も 貴方から何も奪わないわ!」

 「このまま・・・彼なんていないわ・・・本当に!」


「どうやら・・・俺・・冴子の事!」

「・・・相当・・苦しめてるな!」

 「ううん・・・そんな事ないよ・・・」

「幸せよ!」


リビングで二人、ワインを片手に、

凍り付いているような冷たい空間の中で

淡々と、言葉を吐き出す。

言葉と言うより単語の羅列だ。

 

始まりがあれば、終わりは必ずある。

その終わりの・・・序章なのか・・・今は


冴子は今が・・・彼を待つ今が、

幸せと思い続けている。

それでいいと・・・何の不満もない・・・

少ないけれど、大きな幸せをくれる彼   

そんな彼がいい・・・そんな彼でいい・・と


 あなた・・・、冴子は今の幸せ壊さない、

・・決して

先ほどの迷いはウソ・・・そう嘘よ!


もう冴子、完全に彼に埋まっている。

そう、そして埋まったままでいいと、

真剣に考えている。

先ほどのほんの少しの迷いは・・・

そう心音・・言葉

自分の言葉ではない・・・

そう彼に言わなくては・・・


「ねえ・・・さっきの !」

「・・心音の・・・心音の、なの!」

「そうか・・・」

それ以上の言葉が出ない彼、

本心から彼も冴子が気に入ってる。


しかし、冴子を檻のない牢に閉じ込めているような、

気分は十分に承知している。 

今がその牢から解き放つ時なのか・・・・

身勝手すぎる自分に

そう、冴子に甘えて・・・

彼女の青春を奪っているのだろう・・


しかし、俺はそんな事一度も言っていない。

冴子が今の・・・その状況に満足して、

・・・いると・・・

 でも・・・彼女の幸せは・・・


「なあ・・・冴子!」

「・・終わりにするか?」

 「いや!!」

「それは・・絶対にいやよ!」

必死に抵抗する冴子、本心なのか・・・


「でも・・・今の冴子・・・」

「辛くないのか!」

「悲しくないのか・・・待つ身で・・・・?」

 「平気よ! 幸せよ!」

「貴方に愛されてるもん!」

「貴方の奥さんよりも・・ね!」


テーブルのワイングラスは、二つとも全然減らない。


「それじゃぁ・・・」

「もしも・・・もしもだ!」

 「!!!・・・・!!!・・!!」

心配そうに彼を見つめる冴子、

次に出る言葉をゆっくりと待つ。

「冴子に好きな人が出来たら・・・・」


 「そんな人・・出来ない・・よ!」

「もしもだ・・・そしたら・・・」

「俺は直ぐにでも・・・身を引く!」

“なんて・・・・、卑怯な言葉なんだろう!”

“今の俺の言葉!”

“ズルくないか、今の俺・・・・!”

“本心から冴子を失いたくない俺の傲慢さ!”


そんな事を知ってか知らずか、

冴子に笑顔が・・・

そして手前のワインをゆっくりと飲み干し、

いつもと違う事を・・・

そう、彼の唇に今頬張ったワインを口移しに押し込む。


「おい、そ・・れ・・・」

「ね! 美味しいでしょ!」

「!!!・・・!!・・・」んぐっ!

 「美味しいでしょ!」

「ああ・・・そうだな・・・!」


 もうどうやら二人に言葉は要らないようだ。

そして、愛の宴が・・・

二人きりの愛の宴が・・・・

始まった!


果たして冴子のこれからは・・・

冴子今幸せ感じているのか・・・本当の・・・



ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1135


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ