Rap1121-ん・!来ない・・どうなる?-2
Rap1121-タムラ先生夜間外来総合
Rap1121-ん・!来ない・・どうなる?-2
シャワールームで先ほど掻いた汗をさっと流し、
同じ下着を穿きワイシャツのボタンを閉めていた。
微かな音だが冴子は気づいた。
そっと・・・・、今まで心地よい疲れで夢の中にいた、
起き上がり彼の背中に寄り添う。
ソファーに落ちていたネクタイを渡す。
ハンガーからスーツを取り、ズボンを渡す。
穿き終えた頃、上着を手に持ち着せてあげる。
ネクタイをきちんと直して、
少し乱れた髪のまま横向きで、
彼の心臓の辺りに耳をつけ、鼓動を確認する。
これもいつもと同じ仕草だ。
「おやすみ!」
「お休みなさい!」
「美味しかったよ!」
「有難う!」
冴子の部屋のカレンダーには、11の日付にピンクのマークが、
2つ付いていた。
そして、19の日付に付箋が・・・・
田園都市線、三軒茶屋のホームヘ向かう冴子、いつもと同じ時間だ。
「おはよう!」
「おはよう!」
「あら、冴子・・・・?」
「何よ・・? ・・・途中で話し止めて・・・・!」
「あっ、ごめん、少し見惚れちゃった!」
「えっ、どう言う意味?」
「女が輝いている!!」
「えっ何それ・・・」
「有難う・・・ね、・・・・嬉しいわ!」
「今日の予定は?」
「ドック1泊2日コースが5名、日帰りコースが10名・・・よ!」
「相変わらず忙しいわよね・・・・!」
「そうね、今日も頑張りましょう。」
中村冴子はVIPが主にやって来る、人間ドックの看護師、
先ほど会話を交わしたのは、同期の横田 心音だ。
ドックの患者は、ほぼ100%系列病院の紹介で超VIPばかりだ。
それもそのはず、一般の料金と比べ0の桁が1つ違う。
当然、スタッフは超一流、医師も、検査技師も、看護師も・・・・
看護師、医師、検査技師のほとんどが女性、そして選りすぐられた人間だ。
技術もスタイルも、顔も・・・・・
ロビーは一流ホテルと見間違えて仕舞う程、部屋も全て個室で、
一般の入院施設ならおそらく、特別室かそれ以上だ。
午前中の仕事を終え、冴子と心音レストランで食事を摂っている。
レストランと言っても、施設内のレストランだ。
VIP患者に作る食事の合間に職員の食事も作る。
だが、料理の内容は職員に出す食事が、シェフたちには遣り甲斐がある。
何故なら、VIPには腕が振るえるようなメニューではないからだ。
検査前の食事は、あっさりしたメニューでなければ検査に適さないからだ。
「冴子・・・、昨夜抱かれたでしょう?」
「もう・・・! 何よぅ・・・、いつも・・・わかる?」
「当然でしょ、冴子の肌艶・・・・抱かれた次の日の艶全然違うわよ!」
「て、言う事は、心音には隠せないわね!?」
「そうね、私の感覚は鋭いわよ・・・並以上に・・・ね!」
「そう言う心音、最近ご無沙汰じゃないの?」
「きつい事言うわよね? 事実だからしょうがないけどね!!」
「分かれたの?」
「違うわ・・・ヨーロッパに出張よ!」
「そう・・・今の現状じゃ・・ついていけないものね!?」
「そうよね! 誰か・・・居ないかな?」
「何言ってるの、すぐに帰って来るのでしょ?」
「まあそうだけど・・・所で、冴子あんた、大丈夫?」
「何が・・・?!」
「あれよ! ずっと続けてるんでしょ?」
「ああ、あれね・・・・ だと思うけど?」
「冴子、暢気よねぇ?」
「2年も続けているが、先生も少しね・・・心配かな?って!」
「そうでしょ? やっぱり!」
「それで・・・・、先生はね!」
「半年に1度位来させた方が良いって言うんだけど・・・」
「めんどくさくなっちゃった! あれ・・・」
「そんな・・・、めんどくさいって、冴子・・・」
「普通の若い女性は、みんな毎月なのよ!」
「それは・・・そうだけど・・もしそうなったら・・・それで良いわ!」
「えっ、それって、女・・・放棄するって事?」
「そうかもね・・・? 私子供それ程好きじゃないから・・・」
「そう・・・?!」
心音、もう次の言葉が見つからない。
暫くの沈黙だ。
「あっ、折角美味しい料理・・・冷めちゃうわね!」
「そうね・・じゃ・・・食べましょう!」
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1121
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr