Rap1012-夜の裏道で 葵 昏睡に出会う?
Rap1012-タムラ先生夜間外来総合
Rap1012-夜の裏道で 葵 昏睡に出会う?
都心午後9時ごろの人影がまばらな裏路地、
一人の30歳前後の細身の女性が、ふらふら視線が定まらず、
まるで酔っ払ったようにふらふら歩いている。
突然その女性が蹲るように倒れこむ、
何人かが心配そうに通り過ぎる。
が、声をかける人はいない。
何と異常で非常な光景が・・・・・、
異常事態に関わりたくないのだろう!
みんな急いで家路に帰る。
何事も無かったように!
そこへ、看護学生の 葵 が近寄り、
しゃがみ込み脈を診る!
仰向けの女性明らかに青白い、
「どうしたのですか!」
何度も顔をゆすり耳元で叫ぶ!
どうも、こん睡状態らしい事が、
看護学生にもおおよそ想像が出来た。
緊急事態なので、彼女のハンドバックをあさる。
何と出てきたのは、ペンスタイルのインシュリン、
それも1本は空!
予備のインシュリンは折れて使い物にならない。
明らかに糖尿病性昏睡!
すなわち体内にインシュリンが足りなくなり、昏睡状態
である事を、葵は確認した。
「はい、救急外来です」
「どういたしましたか?」
「すいません、麗奈さんいますか?」
「あの・・どちらの麗奈さんですか?」
「えーと、あそう、西川麗奈さんです!」
「少々お待ちください、ところで、急用ですか」
「はい、急用です、ものすごく!」
「では、私がお話聞きましょう」
「そうですか、・・・・・」
「実は、大久保駅の路地裏で、糖尿病昏睡で女性が倒れています。」
そこへ、タムラ先生受話器を奪い取る、丁度ナースセンターで
カルテチェックをしていた所だった。
話の内容は、病状や必要性があるときは、
電話の内容が部屋に流す事が出来る。
「私はタムラだが、君は・・?」
「あ、タムラ先生!」
「うれしい・・」
「糖尿病昏睡だって!」
「はい、バックの中に・・・」
「わかった、直ぐに救急車を呼べ」
「君も一緒に救急車に乗れ!」
「はい!」 かなり大きな声、気合が入っている。
「救急車に乗ったら、この病院が受け入れると言え!」
「はい!」
「あとは、救急隊の指示に従え!」
「はい!」
“やっぱタムラ先生かっこいい”
“最高、惚れちゃった”
“もう、タムラ先生 麗奈さんから奪っちゃオー”
「はい、救急外来!」
「あ、あの、昏睡の・・・・」
「収容できた! ご苦労様」
「え、葵さん」
「そう、よくやったわ、ご苦労さん」
「6分到着」
「了解」
「おい、麗奈君」
「彼女、葵君、て、言ったっけ!」
「なかなかやるなー」
「もちろん、私の後輩ですから・・・」
「え、君そんな若かったっけ?」
「失礼ね!」
「確かにそんな若くないですけど」
「彼女はね、私の友人の妹よ」
「なーるほど、納得!」
「何が、納得ですか・・・!」
「確かに私はもう、オバンですよーだ!!」
「いや、いや、ごめん決してそんな意味じゃないよ」
しきりに誤る、そこへ
サイレンの音が近づいて来る。救われたようにタムラ先生
「おい、早く外来へ行け」命令口調
看護師の麗奈、タムラ先生をにらみつけ玄関に向う。
「あ、麗奈先輩!」
「ごくろうさん!」
「早く運びましょう」
患者さんのバイタルチック開始、
「少し血圧低いわ、で、患者さんのインシュリンは?」
「これです」とバックの中から取り出す
耳たぶから血液を少量搾り出す、針をさして
「血糖値 450もあるわ」
「これじゃー、昏睡になるわね!」
第二診察室に入るとタムラ先生すでに椅子に座っていた。
「血糖値 450」
「血圧 60 40」
「脈拍 90」
「では、ノボアクトラピット 20単位」
「はじめ30分ごとに血糖値チェック、3回」
「後は1時間後ごと 血糖値が正常域に達したら4時間後ごと」
タムラ先生、眼球、手足を見て、麗奈に服を脱がすように指示
黙って、麗奈頷く 傍に 葵も 葵ただびっくり
「うつぶせ」すかさず麗奈それに従う、葵もそれに従う
「入院だ」と一言
いつものように当直室に戻っていくタムラ先生!
唖然の葵、まだ不思議な事ばかり麗奈先輩に手伝って
彼女を病院の備え付けの服に着替えさせ患者を病室に運ぶ
「ねえ、タムラ先生すごくかっこいい!」
「わたし、憧れちゃう!」
「ねえ、麗奈先輩」
「なーに・・・・よ!」
「タムラ先生のこと好きでしょう?」
「愛してるでしょう!」
「何言うの、いきなり!」
「葵、わかるんだ!」
「でも、私もタムラ先生 メチャクチャ好きになっちゃった」
「先輩、宣戦布告よ!」
「どうぞ・・・」
とは言うももの・・・・
どうして、こう タムラ先生ばかり
私だって・・・
ちょっとまじめな話!
注 糖尿病昏睡の主な症状
インシュリン分泌量や作用が不足して昏睡に陥るのである。
原因としてインシュリン注射を忘れたり、ストレス、感染症合併等が原因となる
そのため血糖がエネルギーにならないで脱水症状となり血液が酸性となり
昏睡に陥る、手遅れになると生命の危機となる 怖い病気です。
主な症状として 吐き気、頭痛、腹痛、血圧低下、そして昏睡
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1012
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr