Rap1118-私はオンナ、女よ!!-4
Rap1118-タムラ先生夜間外来総合
Rap1118-私はオンナ、女よ!!-4
性同一性障害で、悩む患者に対する世の中の情勢が、
最近顕著に変化した昨今、少し記述してみたい。
悩みは当然、男女共にある。
最近TVを賑わすタレントで、その事実をカミングアウトして・・・
成功(?)して、画面に相当登場するタレント(?)の殆どが、
男性から女性に性転換した人物だ。
何故なのかそれは、逆はかなりの無理があるからろう。
その事に今回は触れない。
そして、精神面も今回は触れない。
それは、かなり大きな命題だから・・・・・
そして精神科、心療内科の領域であるから・・・・
まあ、機会を見て取り組んでみたい題材だが・・・!?
それでは、今回は男性が女性への性転換の、
一般的な手術の施行方法にについて・・・・、
手術の一般的な内容は、ペニスの皮膚を膣に転用する方法。
すなわち、ペニスの転換{Vaginoplasty}です。
ペニスを切断して、尿道と直腸の間に・・・・
膣になる部分を広げて作る。
そこへ、切断した(完全ではない神経など感じる要素のあるものは残す。)
ペニスの皮膚を反転し、さらに陰嚢の皮膚の1部も、
膣の入り口に利用して移植し膣を形成します。
それ以前に、陰嚢、ペニスの皮膚は当然、
脱毛処理を行っておく。
陰核形成には、亀頭の一部分を使用して、
顕微鏡下での結合手術すなわち、
血管神経接続手術で、感覚を残す手術を行う。
勿論、外性器も陰嚢等の組織を転用し、小陰唇も形成する。
この一連の、手術は平均でおよそ8時間はかかるであろう。
そして、この一連の手術は内臓を手術するのではないので、
一般的に、直接生命に対すリスクは、少ないと言われている。
なお、技術の優れた医者、チーム医療が上手く機能すれば、
手術時の出血も少量で、輸血の必要はまず無いでしょうが・・・・
そこで、今回救急搬送された、惨めな患者はどの様な原因で、
この様な事が起こったのかは、おそらく本当の真意は、
患者が回復しても口にしないだろう。
原因としていくつかの要素が考えられる。
まず第一に、日本でもぐりの病院の下で行われた。
若しくは医師免許を剥奪され医者が無菌室等で行わなかった。
そして、体に病原菌が充満して敗血症に・・・・
最近ある大学病院で、性同一性障害と認定された患者に、
公のもと行われた事実がある。
しかし、この事例はかなり稀である。
世間的にGOサインの出た事例だ。
そして、この様なしっかりした監視、管理の下で行われる。
そんな段階をきちんと踏めるような患者の希望者は希少だろう。
希望はあるが、手続きが非常に面倒だ。
そのために、国内で、もぐりで行う・・・・
次に、国内から離れて、東南アジア、シンガポール、
タイ、バンコク、マレーシヤなどが
大きく希望者を募っているのが現状だ。
大きな組織には相当数の希望者か殺到しているようだ。
しかし、そのルートに乗らない潜りもある。
おそらく、この可能性が一番大きいだろう。
潤沢なお金を用意できる人は稀だろうから!
「おい、患者の身元確認は?」
「はあ、それがどうも連絡が取れないようで・・・・」
「警察、来ているんだろう?」
「免許証から本籍、現住所確認しているようですが・・・・!」
まあ、危ない状況は過ぎ去ったが、
いろいろ言いたい事が・・・・・、
でも無理な気がする事も薄々気づいている。
両親から勘当されている可能性が高い事も・・・・・、
そして治療費の回収も気になる。
それなりの収入とか、パトロンがいればこの様な中途半端な、
治療を行うことは無いだろう。
無理を承知で、性転換手術を行い、
後は何とかなるだろうと言う甘い考えが、
この様な結果をもたらしたのだ。
「免許証の、氏名、年齢は?」
「佐伯 隆二 24歳」
「北海道札幌市豊平区 ****番地 です。」
麗奈淡々と答える。
果たしてこの若い男性、
性同一性障害で悩んでいたのだろうか・・?
それとも、・・・・別な理由が・・・・
元気になったら、一度ゆっくりと話を聞いてみたいものだと思う、
麗奈・・・!
「ネエ、麗奈先輩・・・今の医療技術・・・凄いですね?」
「どう言う意味で・・?」
「だって、あの患者の・・・・」
「性器相当成功に出来ていていたのですもの!」
「そうね、正直私も驚いたわ!」
「その内、近い将来・・・・卵巣とか?」
「そして、排卵が起こり・・・男性の真の出産なんて・・・!」
「そうですよね、それと反対に女性が男性に性転換・・・・」
「ペニスが作られ、精子が・・・・そして射精して・・・・」
「生まれた時の性別が反転して・・・」
「反転したカップルが・・・その子供が育つ・・・・」
「全然、不可能じゃ無い様な世の中に・・・」
「ああ、全く・・・これから先、どうなるのやら・・・」
「ネエ、麗奈先輩もし・・・もしですよ・・?」
「どちらになりたいって?」
「そうです、麗奈先輩・・・自分の子供産みたいですか?」
「そうね、今の自分に満足しているから・・・その内・・・・!」
「誰か・・・・、素敵な人の子・・・生む!?」
「そうね、結婚して・・・その人の子供・・・生みたい・・かな!?」
「そうですよね? 絶対・・・そうですよね!?」
「でも、本当に生まれた時の性に、違和感を感じたら・・・・・?」
「そうですよね、私たちには到底理解出来ない・・・です!」
「今の世の中、そう言う意味では幸せなのでしょうね!」
「きっと、昔の人にも同じような悩みが・・・あった!」
「ある意味、同性愛って言うのもそんな可能性・・・・・」
「秘めているのかも・・・」
患者の、佐伯隆二は抗生剤のトリプル服用で、
何とか危機を脱した。
顔色もよくなり、まるで無口だったが、
最近は少しずつ麗奈や葵の問いに、答えるようになった。
特に、命の恩人とも言うべき葵にはかなり心を開き出した。
今クラブで働く時の名前は “鳳 ゆかり”と名乗った。
父親にばれて勘当され、北海道の地を離れ新宿にやって来た。
「葵さん、助けてくださって、本当に有難う!」
「良いわよ、それが私たち看護師の宿命だから・・?」
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1118
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr