Rap1115-私はオンナ、女よ!!-1
Rap1115-タムラ先生夜間外来総合
Rap1115-私はオンナ、女よ!!-1
「おい、あそこに誰か倒れているぞ!」
明治通り、新宿と新大久保の間、大通りを少し入った路地に、
一人の女性が蹲る様に倒れていた。
今は午前0時を時計が小さな針が2つ進み、
JR山の手ラインも既に運転を休止している時間、
だがここはマンモス大都会、不夜城人通りも途絶えない。
そんな場所の路地裏に、痙攣が時折手足に・・・・、
息はしているようだ。
「おい、生きてるのか?」
「さあ・・・死んでるのか・・・も!」
「なんだか、やばくねえ・・・?」
「警察呼ぼうか・・・・・・!」
「そうだよな、よし・・・・」
大都会の、有り触れた風景の1コマだ!
下手に関わると後が面倒な事にと考え、
多くの人が遠巻きに・・・
倒れている人に近づかない、多くの人が・・・
通勤時間など、そんな事にかまっていると、
遅刻して面倒な事に・・・
しかし、そこに一人のミニスカートの似合う、
20歳前半の女性が、その倒れている女性に近づき、
何やら観察して・・・・・
迷うことなく、倒れている女性の腕を取り、脈を見ている。
「ねえ、誰か救急車呼んで! 早く!」
屈み込んでいると、パンツが見えそうな・・・
そんな事に躊躇せずに叫ぶ。
そのミニスカートの似合う女性の声に、
素早く反応した一人の男性。
先ほどまで遠巻きに見ていた群集の一人だ。
「はい!」
そして、持っている携帯で119とプッシュ・・・・・
しかし、3秒ほどの後、サイレンの音が段々近づいて来る。
そして止まる。
が、駆け足でやって来たのは2人の警官だった。
「おい、どいて・・・ほら・・!」
倒れている女性と、その人に覆いかぶさるようにしている、
女性に向かってまっしぐらに・・・・
すると、ミニスカートの似合う女性は、
「救急車よ・・・警察は呼んでないわよ!」
「何だね、君は!?」
警官の若い方が、むかついた様子で、
ミニスカートの似合う女性に声を荒げて叫ぶ。
「だから、早く救急車呼んで!」
「警察は必要ないわよ!!」
「通報が・・・、人が死んでるって!」
「まだ、死んでないわ!」
「生きてるわよ、ほら・・・」
どうも、様子が変な感じに・・・・
警官もそれ以上どうしたら、いいのやら、
すると、もう一人の年配の警官が
「あんた、誰?」
「私・・・・看護師!・・・よ!」
「あ、そうですか、それで・・・・」
どうやら、年配の警官も押され気味だ。
「救急車、まだ! ・・・」
「早くしないと、本当に死んでしまうわよ!」
「分りました、至急手配を・・・」
今度は若い警官が警察無線で・・・・
「あのう・・・救急車呼びました・・・よ、今」
おずおずと答えたのは、
先ほど119番にプッシュした男性だ。
今度は、警官の視線がその男性に・・・・
“やっぱ・・・こうなるよな!”
“だから関わりたくなかった!“
「私は、電話しただけです!」
「その女性に言われて・・・」
どうやら、事件性はない事が周りの状況で察していたが、
格好がつかない警官達!
まあ、完全に事件性がないわけでは無いが、
例えば麻薬、覚せい剤とか・・・
倒れている女性は、暴力を受けた様子は見られない。
でも、その女性を観察しているミニスカートの似合う若い女性は、
警官を無視して看病をしている。
まあこんな時、看護師と言わずに医者と言ったとしたら、
警官の態度も大分違うのに・・・・・
それに若い看護師・・・だし
今度は救急車の近づく音が・・・・
「救急車が進入します! 路を開けて下さい!」
その音に素早く反応したのは若い方の警官だ。
「はい、そこ・・・退いて!」
「!!!・・・!!・・・!!!」
「はい、そこも、下がって!」
「下がって!」
救急車の進入誘導を真剣に行う、若い方の警官
まあ、とにかく患者がいるのは事実だ。
下手に事態をこじらせ、もし患者死ぬような事があれば、
後で何を言われるか・・・・
救急車から、素早く担架を持って隊員が駆け寄る。
「どうしました?」
聞く相手はやはり警官だ。
「うん、まあ・・・詳しいことは・・・!」
そう言って、倒れている女性の様子を見ている、
若いミニの娘に聞けと、ばかりに、そちらの方を顎でさす。
「あの人は?」
「看護師さんだって!?」
あっ、“さんて”今度は看護師に“さん”がついて、言ってる。
どうやら態度が変わったようだ。
「高熱、痙攣もあるわ!」
「そうですか、それでは・・・」
そう言って女性の患者を担架に乗せる。
この女性かなりスタイルがいい。
身長も170センチ以上ありそうだ。
が、しかし何処か変・・・かな、
でも胸も大きいし・・・・・
「搬送先! 決まりました?」
ミニの看護師簡潔に聞く。
どうやら外科系の看護師?
「いえ、それが・・・・」
一般的にまず、患者の状態を確認してから、
受け入れ救急病院を照会する。
だが、最近どうも救急の受け入れ態勢が、
いろいろ大変な世の中だ・・・
「未だですか?」
そんな感じを素早く読み取り、ミニの看護師、
期待薄の返事を予想していた様子だ。
1.5秒考え、素早くハンドバックから、
自分の携帯を取り出し、メモリーの始めのほうをプッシュする。
「あ、葵です!」
「タムラ先生でしたよね、今夜の当直!」
どうやら、搬送先は決まったかな・・・
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1115
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr