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Rap1108-胸が・・私・・・どうなる?4-4(喫煙)

Rap1108-タムラ先生夜間外来総合


Rap1108-胸が・・私・・・どうなる?4-4(喫煙)


三枝子は部長と話をしている間、胸、心臓の痛みを、

必死にこらえていた。

つい部長の悩みを聞かされ、自分の体調が悪く、

胸が苦しい事を言い出せなかった。


それにしても、人間、偏った生き方は何処かに、

犠牲が出るものなのだろうか?

三枝子も、部長の二の前にならない様にしなければと思うが、

閲詩とは冷戦状態。

 体調は最悪、仕事は一番忙しい、タバコの禁断症状みたいな、

いやな現状が・・

どうすれば良い・・・、

まるで今の自分は男か・・・

 とにかく、明日病院へ行こうと硬く決心した。


何処へ、何科に受診すれば良いのやら、誰に相談すれば・・・・

ふとひらめいた!

そうだ、確かあそこに総合病院があった、

その名はT総合病院だ。

昨夜で、ほぼ見通しがついたのを幸いに、

午前中受診を決めた。


朝、家を出る前に、保険証を確認。

財布も少し多めに万札を3枚ほど入っているのを確認いざ病院へ・・・

出るのは、きついいやな言葉だけだ。

やはり、足取りが重い。

決して良いことは言われる筈は無いのだから・・・

 うろうろしていると、GMみたいな人が、内科を勧めた。

それに従い、内科受診を決めた。

 

「どうしました?」

「はい胸が、時々苦しくて・・・」

 「では、検査を一通り行いましょう!」

まず、内科に案内されて、問診、採血、胸部XP、

エコー等を行った。 

検査が一応終わり、どうやら専門の先生が選ばれ、

症状を聞かれた。


「すいません、胸が時々痛むのです!」

同じ事の繰り返しなのに・・・

 「そうですか?」

「今の症状で受診するのは初めてですか?」

「いえ、昔時々同じような症状があったので、診て貰いました!」

 「それで・・・」


「その時は・・・何と言われました?」

「少し、心臓が大きいですね!」

「それに時々不整脈みたいな事があると・・・」

 「治療はしたのですか?」

「いいえ、薬を飲む程ではないので、暫く様子を見ましょうと言う事でした!」

 「そうですか!」


「正直に言いましょう!」

「!!!・・!!・・!」

「あなたは一刻も早く入院して、手術を受けないと、命の保障はありません!」

「えっ、入院・・・手術、命の保障・・・・!?」

「あなた、喫煙も・・・ヘビーでしょう!」


「あっ、はい・・・多い方です・・・が?」

「すぐに、タバコ・・・止めた方が良いでしょう!」

「でも・・・仕事が・・・!」

「あなた、死にたいですか?」

「いや・・それは・・・嫌です!」

「でしたら、私の言う事を忠実に守ってください!」

「はい、それでどうすればいいですか?」


「まず、タバコを止めて頂きます!」

「そして直ちに入院して下さい!」

「直ぐに・・・ですか?」

「勿論、今すぐです。」

「あのう・・・仕事が・・・残って・・」

「あなたは、仕事とご自分の命どちらが重要ですか?」

「それは・・・もう・・しかし、遣り残した仕事が・・・」

「誰かに、任したほうが良いでしょう!」

「そういう訳には・・・・!」


「仕事というものは、その人がいなければ、誰かが何とかしますよ!」

「でも・・・?」

「大丈夫ですよ! ほら・・・後ろに・・・」

何と、そこには部長が立っていた。

「あっ、部長・・・・どうして?」

「君の体調が悪い事、君の彼に聞かされたよ!」

「えっ、彼が・・・!」

 「そう、君を休ませてくれと、懇願されたよ。」


「そうだったんですか?」

 「だから君は、後の事はわれわれに任して、暫く休め!」

 「これは、命令だ!」

「わかりました、それではお言葉に甘えて、休ませて頂きます。」


所で、三枝子の病状はかなり大変な事になっていた。

Drの話によると、徐々に進行して、特にタバコの過大な喫煙が、

より一層の病状を悪化させたらしい。

彼女の病名は、虚血性心疾患と診断された。


簡単に言うと、心臓の筋肉への血液の供給が減ることや、

途絶えることを虚血という。

狭心症と心筋梗塞の2つを、まとめて虚血性心疾患という。

狭心症と心筋梗塞の大きな違いは、心筋が回復するかどうかで、

狭心症では心筋が死なず回復するのに対して、

心筋梗塞は心筋が死んでしまい回復ない。

そこで、彼女には冠動脈の狭窄によっておこる虚血性心疾患の治療として、

内科的なカテーテル治療と、外科的なバイパス手術がある。

そして、それぞれ一長一短がある。最近ではカテーテル治療の成績があがり、

かつてはバイパス手術のみでしか治療できなかった症例にも適応が広がりつつある。

一方、バイパス手術は人工心肺を使わないオフポンプ手術や内視鏡手術など、

彼女の状況に合わせ、負担の少ない方向でオペを行う事になろう。

まして、不整脈を合併していた場合生命への危険が高まる。

だが彼女の場合不整脈はない。

以下は症状と病気の説明です。不要と思われた方は読み飛ばしてください。

所で、狭心症と心筋梗塞の起こる原因とは・・・・

狭心症は心臓の酸素不足により起こります。

冠動脈は心臓に酸素と栄養を供給している血管で、左に2本(左前下行枝と左回旋枝)、右に1本(右冠動脈)大きなものがあります。

冠動脈の動脈硬化が進み、血管が次第に狭くなると血液が十分送られず、需要と供給のバランスが崩れて心臓が酸素不足の状態に陥ります。

これを虚血性心疾患と呼び、狭心症と心筋梗塞がその代表的なものです。

また、冠動脈の一時的なけいれん(痙攣)でも心臓は酸素不足となり、

発作が起こります。

狭心症と心筋梗塞の違いですが、狭心症は酸素不足の状態が、

一時的で回復するのに対して、心筋梗塞は血栓などで冠動脈が、

完全に閉塞します。

そして、その先の血流が途絶え、心筋が壊死を起こすもので、

心臓に大きな障害が残ります。


狭心症と心筋梗塞の大きな違いは、心筋が回復するかどうかで、

狭心症では心筋が死なず回復するのに対して心筋梗塞は、

心筋が死んでしまい回復しません。


いずれの病気も重症化すると、心臓のポンプ機能が低下する心不全や、

虚血による重症の不整脈を合併して生命への危険が高まります。

狭心症の発症には、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による、

器質的狭窄と攣縮(痙攣)が、様々の程度で関与していますが、

主として器質的狭窄によるものが労作狭心症、

攣縮によるものが安静あるいは異型狭心症として発症します。

日本人の狭心症では攣縮の関与が欧米に比し多いとされています。

虚血性心疾患の症状


胸の中央、左胸部、左肩、首、下あご、みぞおち等に、

胸痛が肩から腕などへ広がる(放散)こともあります。

締めつけられるような、抑えつけられるような、

重苦しいといった漠然とした痛みです。


胸やけ、肩凝り、歯痛などが主な症状のこともあります。

狭心症は数分から10分くらいです。

心筋梗塞は数時間です。

タバコの本数が多いほど虚血性心疾患に罹る危険が高くなります。

一日20本未満でも危険度が3~4倍、20本以上では6~7倍と、

なるとの報告もあります。

果たして、三枝子無事オペを終え現場復帰なるか。

今回タムラ先生は登場しません、さすがに循環器、心臓外科のオペは無理です。

ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1108


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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