Rap1106-胸が・・私・・・どうなる?4-2(喫煙)
Rap1106-タムラ先生夜間外来総合
Rap1106-胸が・・私・・・どうなる?4-2(喫煙)
三枝子は一人会社に残り、焦りと苛立ちの中、
悪戦苦闘している。
“ああ、だめ!”“どうしよう!”
三枝子の机の隣のゴミ箱は満タン、
もう4回も書き直しをしている。
当然食事など摂らずに・・・・・、
コーヒー、それもブラックで5杯目だ。
そのコーヒーを設置してある、コーヒーメーカーから、
カップに移し、小さくなった、喫煙コーナーで、
2度ほどタバコとコーヒーで気分を和らげた。
残りの3杯目からは、三枝子の所属オフィスが、
誰もいなくなったのを良い事に、自分の机中に隠してあった灰皿を持ち出し、
タバコを吸いながらの奮闘中だ。
当然換気扇はフル回転。
そこへ、突然企画部長が三枝子のいる部屋に戻って来た。
「おう、ミエちゃん頑張ってるか?」
「あっ、すいません?」
「ミエちゃん、まだタバコ・・・止められないのか?」
「すいません・・・、はい・・・・!?」
三枝子は、禁煙となった部屋でタバコを吸う事に対しての、
嫌味なのかまだ仕事が終らない嫌味なのか、
判断に苦しみ返事に困ったのが、今の心境だ。
「まあ、頑張って、くれ!」
「悪いが俺はこれで帰る・・・よ!」
“まあ、あいつの気持ち・・・・・わかる。昔も俺も・・・・、”
“この場所でタバコの喫煙、今回は多めに見よう。”
「はい、今タバコの煙を吐いたら良い考えが・・・!」
“あれ、この場所での喫煙文句言わない・・・・そうか・・・・”
「ミエちゃん・・・・!」
「火の始末、しっかりな、それに換気も!」
「えっ、あっ・・・はい、その点はきちんと、やっておきます!」
“まあ・・・、部長心の大きい事。少しは救われるわ!”
「あっ、それとこれ、食え! 何も食って無いんだろ!」
そう言って、後ろ手に持っていた、マックのセットを前に出し、
よこしてくれた。
「あっ、すいません?」
“あれ、部長こんな優しい面あったけ・・・意外と良い奴かも・・・・・”
「今日はもう遅い、なるべく早く帰れ!」
「まだ後1日あるから・・・!」
「はい、お気遣い感謝します。」
「もう少しで出来そうなので・・・!」
「そうか、無理言ってすまん、・・・な!」
「いいえ!」
「とにかく、君の企画力、発想力・・・・!」
「俺、買ってるから・・!」
おそらく今の言葉、事実だろう昔は企画部長凄かったのは、
良く周りから聞かされていた。
“あれ、部長以外と素直なんだ!”
“普段は理不尽な事ばっかりなのに・・・”
“意外と、良い人・・・それとも?”
「今の、言葉・・・・すっごく、うれしいです!」
「おう、そうか・・・!」
照れて、薄くなった頭を書きながら、少し顔を赤くしている。
“ん!・・・何処かで呑んで来た・・・?”
“まあ・・・・、素面じゃ言えないんだ・・・今の言葉!?“
「部長、何処かで・・・少し呑んで・・・?」
「まあ・・・そんな所かな!」
「俺も色々あるからな!」
「そうですか、今夜の部長・・・好きかも?」
「何・・・・今・・・何て?」
「あっ、いいえ・・なんでも・・・」
“照れてるのか、それとももう一度今の言葉もう一度聞きたいのか・・・・”
“もう・・・、言えないよ!“
「そうか、じゃ・・・帰るよ! 君も・・・な!」
「はい、お気をつけて!」
「お休みなさい!」
「おう・・・!」
そう言って、企画部長は少し千鳥足で、
職場の廊下を歩き帰って行った。
“よし・・・、気合入れなおして、頑張るか!”
三枝子は部長の持って来てくれた、
かなり冷えたマックを口にほおばった。
すると、何故か目から自然に涙が落ちて来た。
その涙もマックと一緒に口のなかへ・・・・・・
丁度、食べ終わった頃、三枝子の携帯が着信の知らせ・・・
ピンクのランプがチカチカ、閲詩からのだ。
「はい・・・、何?」
「随分な・・・言い方だな?」
「別に・・・!」
「まだ、怒ってるのか?」
「怒って出て行ったのは、あんた・・・でしょ?」
「やっぱり、まだ怒ってる!」
「怒って無いわよ!」
「だって、お前の事心配だから・・・・」
「そう・・・?」
「おい、今まだ会社か?」
「そうだけど・・・?」
「また、お前一人・・・で?」
「そうよ!?」
「じゃあ・・・まだ・・飯食ってないのか?」
「・・・!!!・・・!」
「何か、差し入れ・・・しようか?」
「いいえ、結構です!」
「腹・・・・減ってるだろう?」
「大丈夫です!」
「素敵な方から差し入れ頂いたわ!」
「何だって?」
「差し入れして貰ったわ! 素敵な人から・・・・」
「誰だよ・・・そいつ?」
「何・・・焼いてんの?」
「別に・・・・」
「そう・・・?」
急に、閲詩の声が変わった。喧嘩の後だけに心配なのだろう・・・
三枝子も三枝子だ。
少し困らせて見たい心境が働いたのだろうか、それとも・・・
まあ、佐藤閲詩の心中は穏やかではない。
そして、思っても見なかった言葉をあえて言ってしまった。
「わかったよ、その素敵な人と上手くやれよ!!」
「そうね、・・・それ・・・・いいかも?」
また、三枝子も売り言葉に買い言葉。つい口が滑って、
思っても見ない言葉を言ってしまった。
「じゃ・・な! タバコも好きなだけ吸え!!」
「そうね、勝手にするわ!」
「タバコじゃんじゃん吸うわ!!」
三枝子、もう涙が止まらない。乾いた涙の後を今度は本当に、
冷たく痛い・・・涙が
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1106
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr