表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/288

Rap1104-女性バイクドライバー転倒 腎臓破裂?-9

Rap1104-タムラ先生夜間外来総合


Rap1104-女性バイクドライバー転倒 腎臓破裂?-9


 タムラ先生、麗奈と脳外の病棟に向かった。

「あの二人、ライダーススーツ、お揃いで!」

「そうだったな? それに真新しいぞ!」

 「先生、あの二人気になります?」


「どう言う意味だ?」

 「別に・・・でも、二人ともスタイル良かったですね?」

「ああ、確かに・・・・・」

「スーツ、擦れたり、破れた場所以外綺麗だったな?」

 「たぶんあの二人まだ初心者でしょ・・・きっと!」

「それは、俺も思ったな!?」


 「そう思います、私も!」

「無理な運転で・・、若いみそらを・・・残念だな?」

 「先生・・・残念、て・・・どう言う意味?」

「それを、言わせるな!」


脳外の病棟にたどり着き、真剣に患者のバイタルをチェック。

「エコー!」

 「はい、直ぐに!」

さすがに、自分の職場とは違い少しあたふたする麗奈。

だが直ぐに、看護師に連絡を取り、エコーは届いた。


「うむ、CT では少し気になる場所!」

「エコーでも、血腫気になるな?」

 「モード変えますか?」

「そうしてくれ!」

 「はい!」


「明日、もう一度CT 特に肝臓、骨盤から大腿にかけて、」

「今までより狭くスライスしてくれ?」

 「はい!」


タムラ先生がオペした彼女の方は相当な重症、

一時はやばい状態だった。

果たして、二人のこれからの命は・・・


遅れて到着した頭部から出血の重傷の女性は、

意識レベルは絶望に近かった。

頭部打撲、骨折、出血は後頭部で開放骨折、

かなり危険な状態だった。


今回のスタッフ達は、タムラ先生がいつもそばにおいている。

そして、脳外科は頻繁にコンタクトを取っているエリート集団だ。

今回たまたま、脳外科医達は別な患者のカンファランスを行っていた、

そこへ偶然の様な形で救急の連絡が入った。


彼らの年齢は比較的若いが、この病院のホープ達で、

いずれはこの病院を、背負ってたつスペシャリストたちだ。

名前さほど知られていないが、彼らは重度頭部外傷の救急救命に、

低体温療法が救の道の一つとして・・・・・・

また、優れていると、研究を重ね日夜努力を重ねている。


救急救命の、生存率のかなり低いほぼ救出不可能な状態の、

患者に対して、僅かな可能性に賭ける。

殆どの救急救命がさじを投げ出す、

そんな事例に対して俄然と立ち向かう。


患者の家族に対しての説得は、同時進行、若しくは、

後で行うという危険なリスクはいつも背負っている。

しかし、放っておけば必ずその後は死が待ち構えている。


その為に術中のビデオ撮影は必ず行う。

それで緊急オペの必要性を証明する形になる。

 今回、このような患者の頭部のオペに対して正しく、

低体温療法が有効だろう。


重傷頭部外傷患者に対し、体温を30~32度に下げることで、

頭蓋内圧を下げ、酸素代謝率を低下させる。

 また、頭部外傷における二次的な脳虚血の改善にも有効であり、

現在最新の臨床経験でも好成績を収めた症例がある。

 

低体温療法が重度頭部外傷に対し、

現在優れた治療法となるかどうかは、

これからの多くの臨床症例で、

意見が分かれる事は事実だ。


 今後多施設の前向きな臨床経験が行われる事だろう。

それに、今回のような開放骨折のある患者に対して、

さらに多くの研究が必要とされるだろう。


 多くの症例で、頭部外傷では外傷後12時間以内に頭蓋内病変が、

種々に変化する事がある。

そして、硬膜下血腫では縮小することが多かった。

現在瀕死の女性患者は、対光反射なし、意識レベル300、瞳孔散大、

CT所見で(急性硬膜下血腫、脳挫傷による脳全体の偏位)

この様な状態では殆どの脳外科医は逃げ出してしまう。


すなわち絶望だ。

緊急に撮影された、脳挫傷のCT scan像では、

左側の白い部分が脳挫傷に伴う出血。

その周囲に黒っぽく見える部分、すなわちそこが、

挫傷およびむくんだ脳で、反対側の後頭部や側頭部を、

強打した時に出来たと思われる。


 脳挫傷とは、頭を強打することによって、

頭蓋骨内で脳が急激に動き、その衝撃で脳に傷がついたものである。

すなわち交通事故の衝撃だ。


この傷が、脳血管におよび、出血を伴う。

この出血が大きい場合や、脳のむくみが強い場合に、

手術が必要不可欠となる。

今まさにその状態である。


 低体温療法による緊急手術により、

危機は脱出したと思われる。

が、これから果たしてこの患者は、

日常生活が送れるようになるか、多くの課題が山積している。


 ちなみに、脳は外側に硬膜があり、頭蓋骨から、

順位内側に向かって、くも膜、軟膜となっています。

急性硬膜外血腫というのは、頭蓋骨と硬膜の間に血腫が出来るもの。


急性硬膜下血腫というのは、硬膜とくも膜の間に決腫が出来るもの。

外傷性くも膜下出血というのは、くも膜と軟膜の間に出血が起こるものを言います。


これからの課題として、

彼女が、交通事故によって頭部外傷を受け、意識障害を起こし、

脳質拡大や縮小等の過程を経て、その回復後に行為の計画と、

正しい手順での遂行、記憶、思考、判断、言語、注意の持続などが、

障害された状態を高次脳機能障害といいます。


全般的な障害として意識障害や認知症も考えないわけにはいかない。

この様な脳外科分野に、現在タムラ先生はお手上げ状態だ。

高度医療が限りなく進む。タムラ先生は出来る事に最善を尽くす。


そして、後輩の先進医療には強烈に寛大だ。

そして、脳外のオペの見学にも出来る限り参加する。

 そして、前にも触れたがこの低体温療法に大きな関心を持っていた。


そして、そのチャンスが、再び彼の目の前に・・・・・

そう、今回の2人の患者を情報を密にして、

脳外の先生に協力をお願いした。

それが甲を奏して訳だ!


まだ多くの問題が山積するが、

きっと二人の病状は改善に向かう事だろう。

今回は専門的過ぎて、理解に苦しむ読者も多い事だろう。


 書いている自分も話がうまく伝わったかどうか疑問が残る。

ただ言える事は、救急医療には数多くの解決しなければならない、

問題が多すぎる。


リスクのある、訴えられる事例の多い科には、

若い医者は避けたがる。

いつの間にか、医者も人間、リスクは背負いたくない。

患者も助けて欲しいときは、神に頼むように縋る。

しかし、医者も医療の細分化がなされ、専門家が多くなり、

広い範囲で、人間を見ると言う考えが出来にくくなっている。

ある患者は、

「医者だろう・・、なら診ろ!」

言われた医者は、

「専門外なので診れません!」

と答える医者が多いのが現状だろう。


医者の言い分は、“医者だろう、診ろ!”

と言われ、中途半端な自信では患者を診れない。

もし診て、最悪の結果が・・・そんなリスクは負えないし、

強要されても断るのが本当なのかもしれない。


しかし、が、しかし医者だ、ジレンマがあるのも事実だ。

専門分野で、もしも医療ミスを犯しても、

それは、己の不勉強として、深く反省する。

それに自身を持って行ったオペ、まず大きなミスは起こさないだろう。



また話しがそれた様だ。

実際、どちらが沢村悦子で、どちらが藤原繭なのか、

そして二人の経過に関して述べておこう。

 まず、沢村悦子はタムラ先生が診た。

そして一時はかなり深刻な状況になった。


事実、片方の腎臓すなわち、右の腎臓は摘出した。

そして、右の肝臓も摘出までにはいたらなかったが。

相当ダメージがある。


右恥骨部、外陰部の表皮剥脱と皮下出血、恥骨結合離断で、

そちらの方は順調に回復している。

バイク事故は思った以上に重症なケースが多い。


そして、脳外の先生にオペを担当してもらったのは、藤原繭だった。

遅れて到着した頭部から出血の重傷の女性は、

意識レベルは絶望に近かった。

頭部打撲、骨折、出血は後頭部で開放骨折で、

かなり危険な状態だった。

今後の課題として、機能障害、脳神経損傷で動眼神経麻痺、

動眼神経損傷。

結果として、眼球の運動制限以外に、自律神経の異常から生じる、

様々な失調症状が出現します。


他に、植物状態の可能性はが残ると思われる。

幸いにも、内臓の異常は安静にしておけば大事には、

至らないとのタムラ先生の意見だ。

それにしても、バイクの転倒事故は、

二人に大きな代償を払う結果となった。


  

ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1104


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ