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Rap1103-女性バイクドライバー転倒 腎臓破裂?-8

Rap1103-タムラ先生夜間外来総合


Rap1103-女性バイクドライバー転倒 腎臓破裂?-8


「どうなった、もう一人の患者は?」

 「はい、何とか一命は取り止めました!」

「今回も、低体温療法で・・、か?」

 「まあ両方ですかね・・・でも詳しくは脳外の先生から後ほど・・」


「とにかく、二人の命は救えたか・・・!」

 「そうですね! 先生と、救命士の密な対応がよかったと・・」

「麗奈君、どうも君の言い方が・・・・気になるな?」

 「はい・・・そのう・・」


そこへ、脳外のDrがシャワーを浴び術衣を着替えて、

タムラ先生たちの下へやって来た。

「そうですね、何とか一命は取り止めましたが・・・」

「機能障害が残りますね!」

「まあ最近の機能回復訓練は優れてますから・・・」


「そうですか、ご苦労様でした!」

 「でも先生の、搬送中のフォローが無ければ、無理だったでしょう!」

「低体温療法でオペを・・・?」

 「実は、開放骨折があり、難航しました。」

「頭蓋内圧はさほど高くなかったので・・・」


「で、脳神経損傷あり?」

 「はい、脳神経損傷で動眼神経麻痺・・・・」

「ですかね!」


*脳神経損傷で動眼神経麻痺とは・・・

脳幹の受傷、また脳圧の亢進により、脳神経が圧迫されたり、

神経が無理に引き伸ばされた様なケースでは、脳神経に損傷が生じます。

 目を動かす神経は、滑車神経と外転神経、動眼神経となります。

そして、滑車神経と外転神経は、単に、眼球を動かすだけの純粋な運動神経ですが、

動眼神経は、眼球を動かす運動神経でもあるのです。

そして、自律神経を構成する副交感神経という側面を持っています。

そのため、動眼神経損傷の場合は、眼球の運動制限以外に、

自律神経の異常から生じる、様々な失調症状が出現します。


「他に、植物状態の可能性は?」

 「はい、可能性は五分五分でしょうかね!」


*植物状態とは?

脳の中でも、下部脳幹の仕事である、呼吸・循環等の生命維持に、

必要な機能の障害は

免れたものの、上部脳幹・視床下部・視床・大脳半球の広範囲に、

不可逆的な脳の損傷が生じ、その結果以下の定義に当てはまる場合を、

「植物状態」 と説明します。

 脳神経外科学会の植物状態の定義

1.自力移動不可能

2.たとえ声を出しても意味のある発語は不可能

3.眼を開け、手を握れ、等の簡単な命令にはかろうじて応じることはあるが、                                              それ以上の意思疎通は出来ない。

4.眼でかろうじて物を追うことがあっても認識は出来ない。

5.自力摂食不可能

6.糞尿失禁状態である。


 以上の 6 項目が、治療ににもかかわらず3ヶ月以上続いた場合、植物状態とみなします。

そして、植物状態は、明らかに脳死とは異なります。

今この場にいる患者に対して正しく、低体温療法が有効だろう。

だが、開放骨折があったとの事、果たして、あの脳外の先生はどんなオペを・・・

低体温療法 以前にも触れました、{タムラ先生夜間外来R1041、42}

重傷頭部外傷患者に対し、体温を30~32度に下げることで頭蓋内圧を下げ、

酸素代謝率を低下させる。

また、頭部外傷における二次的な脳虚血の改善にも有効であり、

現在最新の臨床経験でも好成績を収めた症例がある。

低体温療法が重度頭部外傷に対し、現在優れた治療法となるかどうかは、

これからの多くの臨床症例で、意見が分かれる事は事実だ。

今後多くの施設の前向きな、臨床経験が行われる事だろう。


 「タムラ先生、今回は頭部だけですが・・・」

「腹部の打撲が少し気になります!」

「では、後ほど見ておきましょう。で、CT, NMR は?」

 「はい、全身のCTは撮ってあります。」

「そうですか? で?」

 「今の所目立った症状は大丈夫でしょう・・・・」

「とにかく先生、診て下さい。少し疲れました!!」


「先生、脳外の先生相当疲れが・・・」

「そうだな、後は俺が診よう!」


 

ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1103


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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