Rap1101-女性バイクドライバー転倒 腎臓破裂?-6
Rap1101-タムラ先生夜間外来総合
Rap1101-女性バイクドライバー転倒 腎臓破裂?-6
「あぁ・・・・痛ぁい・・・・もうダメ 」
「えっ、うそ・・・何で・・・」
バーン、ギィ・・・キィキィ・・・・ガシャンー・・・・
ボーン、ズルズル・・・ガシャーン、ボン・・・
!!!・・・・!!・・・!!!!・・・!!
ピィ・・ポォ・・・ピィ・・ポォ・・・ピィ・・ポォ・・・ピィ・・ポォ
「おい、急げ・・・」
「はい!」
「受け入れ先、有ったか?」
「いえ、まだです・・・」
!!!・・・・!!・・・!!!!・・・!!
「はい、***病院救急外来!」
「こちらは、***消防隊です!」
「どういたしました?」
「バイク転倒による全身打撲、受け入れ可能でしょうか?」
「もう少し詳しい病状は?」
「はい、患者は2名女性!」
「1名は全身打撲、意識不明意識レベル低いです。」
「もう1名は頭部打撲、頭部からの出血多量・・・」
「腹部から下腹部にかけて強打の模様!」
「少し、お待ちください!」
「先生・!?」
麗奈、タムラ先生に確認!
「脳外、外科、整形外科、放射線科は?」
「はい、大丈夫です!!」
受け入れOKのサインがタムラ先生から出た。
「もう少し、詳しい病状聞け!」
「受け入れ、OKです!」
「そちらに、救急救命士、同乗してますか?」
「はい、私です!」
「もう少し詳しい病状を!!」
「1名は脈、触れますが微弱です。出血は多量では有りません。」
「全身打撲、骨折は確認出来ません。」
「もう1名頭部からの出血多量、意識レベル中程度!」
「腹部から下腹部にかけて強打の模様、現在出血見られません!」
「擦過傷部に多少の出血あり・・・・」
現状は、急カーブを曲がる時に2台のバイクが接触。
地面に滑るようにして倒れた患者に、1名は全身打撲、
意識不明意識レベル低い模様。
もう1名はヘルメットが真っぷたつに割れ、
多量の血液が路上に流れ出ている。
到着した救急救命士と救急隊員が、頸部の脈を確認。
触れるが、微弱。
バイタルをチェック。
その模様を受け入れ病院と連絡、指示を仰いでいる。
場所は少しカーブのきつい上り坂。
都内一般道、警察の車が3台、救急車2台。
警察車両が片側一方を封鎖。
暗くなった、夜空から雨が落ちて来て、皮のツナギを濡らす。
1名は腹部の辺りがこすれて破れ、白い柔肌に血液が滲み出ている。
もう1名はヘルメットが割れ紅い血液が外灯で反射している。
それを降り出した雨が少しずつ流している。
2台の真新しかった、であろうバイクが横倒しに、
それぞれ別々に無残な姿となって雨に打たれている。
1台はヘッドライトが今でも点灯してエンジン音を唸らしている。
もう1台は静かに横たわり、前輪が正常な形からかけ離れた状態で、
道路から少し離れた場所にある。
2台の救急車は、けたたましくサイレンを鳴らして、
受け入れ病院へ急行している。
救急救命士は、病状の重いほうに乗り込み医師からの指示を仰ぎ、
適切な処置を施して、救急搬送中に出来るだけの事をしている。
もう一人の少し軽い方には、消防隊員が同じように指示を仰ぎ、
救急処置を施しながら病院へ向かっている。
サイレンの音が、少しずつ大きくなる。
少しして病院に近づいたらしく、サイレの音が止む。
近所への配慮だ。
救急外来には麗奈、葵と、後数人の見慣れない看護師2名。
タムラ先生のほかに3名の白衣の姿が既に待機、まず一台が到着。
重症と思われる患者だろう。
タムラ先生ともう1名がそれに、看護師の麗奈、
他1名の看護師がストレッチャーを急ぎ足で押す。
少し遅れてもう1台の救急車が到着、残りの医師2名と看護師の葵他1名も、
ストレッチャーを急いで押す。
救急救命病棟に二台のストレッチャーが並ぶ。
二人の皮のツナギは無残にもはさみで切り裂かれて行く。
一応患者には話しながら行うが、患者に反応などあるはすがない。
このような救急救命ではどんな高級な服だろうと、切り裂かれる。
何せ患者の命が最優先だ。
二人とも、皮のツナギの下は、ブラと、パンテーのみだ。やはり、
皮のラインが重要なのだろう。
あっという間に皮のツナギは切去られ、女性としてはかなり恥ずかしい状況だ。
しかし、そんな姿に見とれるようなスタッフは当然誰もいない。
「おい、気管挿管だ、二人とも!」
「はい!」
「エコー急げ、酸素、ルート、2方向確保!」
「どちらですか?」
新米の看護師つい聞いてしまった。
「バカヤロウ!」
タムラ先生、怒鳴り散らす。
「二人ともでしょう!!」
麗奈にもキツク言われる。
「この患者、CT急げ!!」
今度は、脳外の先生も続けて指示を送る。
「輸血、全血8単位、クロスマッチ急げ!」
やはり、タムラ先生凄い、凄過ぎる。
対応が早い、救急車の中でも指示をずっと続けていた。
そのため、方針がほぼ固まった状態で処置、オペに対応出来る。
今回は、脳外科医のスタッフ、それにもう一人タムラ先生の教え子が、
外科・麻酔を担当できる。
当然開腹を覚悟しての布陣だ。
タムラ先生は、比較的軽症の女性を診察する事に。
まず、頭部のCTと 頭部、胸部、大腿のレントゲン写真撮影。
終わった患者の外傷部位の優先順位を決め、
その部位を優先して治療に専念。
勿論これは、救急医療に携わる医師の常識だが。
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1101
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr