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第六話「切っ掛けの電子メール」

 夕飯も食い終わり、風呂に入って今日の疲れをとった俺がその後に何をしていたかというと。まあ特に面白いことなどはせず、自分の部屋で適当に漫画を読んだり、何となく筋トレをしたぐらいである。

 健太郎と店巡りの為にいろいろ動き回った所為か、現在俺の体は軽い疲労状態にある。なのでさっさと寝てしまおうかと考えてはいたものの、夜更かしの魅力を知ってしまっている学生の身としては午後九時という時間はやはり寝るには早すぎる気がしてしまう。

 しかし、夜更かしするにしてもどうやって夜を過ごそうか? 何か暇つぶしになるものはないだろうか? 考えてみるが、いいものが思い浮かばない。

 色々考えてみた結果、俺は妹の美紅の部屋にあるノートパソコンを自分の部屋に持ってきて、適当にネットサーフィンを楽しむことにした。まだ起きている美紅の部屋に入ってパソコンを持ち、また自分の部屋へ。自分の部屋のテーブルにパソコンを置き、パソコンを立ち上げた。

 その数分後には、俺はネットサーフィンを楽しんでいた。主に自分の趣味のサイトをうろうろしながら時間を潰した。俺は基本的には娯楽向けのサイトしか見ることがないため、今回もそれに倣っている。

 そんな味気のない時間を過ごしながら二時間ぐらいが過ぎたころだろうか。パソコンのメールボックスに新着メッセージが一通との報せが表示されているのに気がついた。俺にメールを送ってくる人間はほんの三人ぐらいしかいない。一人は健太郎で、もう二人は中学の知り合いの男だけだ。

 この三人の中で、今回俺にメールを送ったのは誰なのか当たりをつけてみる。ここ最近でもメールを送ってきた回数が一番多いのは健太郎なので、この新着メッセージもたぶん健太郎からだと思う。

 メールボックスを開いて受信箱を見ると、案の定健太郎からのメールだった。送り主の欄に健太郎の名が表示されている。件名が表示されていないのはいつも通りの事なので、気にせずにメールを開く。

【カラオケをやらないか?】

 奴のメールにはそんなことが書かれていた。

 カラオケか・・俺は歌は得意ではないので気が進まんが、とりあえず日時だけでも聞いておこう。

『いつやるの?』

 そう返信して暫く待つ。再び健太郎からのメールが来た。

【明後日にでもやらないか?】

 明後日か・・、けっこう行き成りだな。

『他に誰か来るの?』

 再び返信する。男二人だけでカラオケというのも微妙だ。

【分からないけど、やらないか?】

 分からないってどういうことだ?

『分からないって何でだよ?』

【(´・ω・)】

 さっきから訳の分からん奴だ。

 そんなことより健太郎が参加人数について分からないと答えたのは妙だ。健太郎がこの件の主催者ならばカラオケに来る人数を把握していなければおかしい。

 たぶん主催者は健太郎とは別の奴で、健太郎はそいつの話に乗り、どうせならと俺を誘ったのだろう。健太郎は参加者側なのかもしれない。

【ちょっと待ってて】

 




 一分後



 

【カラオケに来るやつは俺らをあわせて十人ぐらい】

 おそらくこの数分の間に主催者側から人数の通知を受けたのだろう。そう考えると辻褄は合うはずだ。健太郎はたぶん主催者じゃないだろう。

『誰が来るんだ』

【岩吉とか後藤とか、あといろいろ】

 岩吉と後藤というのは中学の知り合いの男のことだ。健太郎の他に俺にメールを送ってくる二人の事な。

『他には誰が来るんだ?』

【細かいこときにしてんじゃねえよバカ。とりあえず明日俺のうちに来い。話はそれからだ。そんじゃおやすみ〜】

 何か一方的に話を切られた気がするのは気のせい? 

 まあ、そんなことはどうでもいいか。明日はとりあえず健太郎の家に行って、適当に今回の件について聞いてこよう。

 今日のところはこれで寝るとしようか。さすがに二時間もネットサーフィンをしてると飽きてきちまった。これですることは何もなくなったので、布団に入ってあとはぐっすりするだけだ。

 今日という日は最後の最後で適当な部分があったような気もするが、気にしないでおこう。

 部屋の電気を消し、さっさと布団に入る。

 さっきまでパソコンを弄ったせいか、頭が興奮してうまく寝付けなかったが、数十分後にはぐっすりしていたと思う。

 たくさんの光の球が、青空に飛び交っている。そんな綺麗な夢を見た気がした。  

 




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