第十二話「仲直りしよう」
10:37
滝本に意表を突かれたのは、優斗たちが俺の視界から消えてすぐのことだった。
「え? あれっ!?」
目の前のバカ女が、どういうつもりなのか俺の右腕をガッシリと掴んだまま、ずんずんと歩き出したのだ。
「おいぃ! なにすんだよいきなり!」
「……」
俺に対する反応をちっっっとも示さないバカ女は、俺にかまわず歩き続けている。
いったい何なんだこの女は? 俺をどこに拉致して何をしたいってんだよ。
それにここは人通りの多い所なんだぞ。今の俺たちの状態を目にした赤の他人様たちが、どんな目でこっちを見てくるのかと思うと……あぁ~考えたくない。
名前も顔も知らない人間に俺たちの姿を見られて変に考えられちまう事を考えると、腹が立ってきた。それになんか顔も熱い。
けっこうな距離引っ張られたところでもう一度声をかける俺。
「おい、いいかげん離せよ!」
少し声を荒げてやれば手を離さないまでも、立ち止まってはくれると思ったが、生憎な事に滝本はさっきと同じく無反応だった。もちろん、手を離しもしなければ立ち止まりもしない。
少女が少年の腕を引っ張ってずんずんと歩く様は……そりゃこんな所じゃ何人かの目には留まるだろう。実際にこっちを見てくる奴らの視線を、俺は肌で感じ取っている。
さすがにこの状況に耐えられなくなってきた……。
俺は滝本に対するイラ立ちを爆発させた。
「このバカ女ッ! さっさと手を離せ!」
少しでかい声を出しすぎたと思う。周りの客の目が一斉にこっちを見た気がした。
だが今の俺にとっては、人に見られる気まずさとか恥ずかしさよりも、滝本に早く手を離してほしい気持ちのほうが凄かったんだよ。
そのための怒鳴り声でもあったんだけど、結果は完全に裏目に出ちまったんだ。
……俺の怒鳴り声にやっと反応した滝本だったんだけど、その時なんて言ったと思う?
「……うるさい……黙れ」
こちらを振り向きもせずに、スゲェ恐ろしい声でそう言ったよ滝本は。
「ッ……いててててててッ!」
思わず怯んじまった俺に、滝本の野郎は俺の手首を力いっぱい握りしめたあげく、捻り曲げようとしやがった。
俺の右手首に激痛が走る。ちょっとの力で曲げられただけでも痛くなる手首を、滝本は全力で捻りあげようとしたんだぞ? 手首がヤバイことになるんじゃないかとハラハラした……。
それにしてもこいつ、こんなに握力すごかったのか……。
女にしては上出来すぎる握力だな。たぶん50ぐらいはあるんじゃねぇか? 何をしてこんなに強い握力を手に入れやがったんだこいつは……。
滝本の関節技に苦しめられること十数秒。その間痛みにもだえていた俺だったが、滝本が俺の手首を掴む力を緩めた時は心の底から安心した。本当に手首を折られると思ったからな……。
そして俺は、安心すると同時に、あることに気づいた。
滝本が立ち止っていたんだ。たった今、俺の手首を締め上げた手だけは離してくれないみたいだけど……。
未だ右腕を握ったままの滝本の手を、俺は振り払う。右腕がやっと自由になれた瞬間だ。
「おい滝本。お前……今日はいくらなんでも調子に乗りすぎなんじゃないか?」
攻守交代の時間だ、滝本。俺を散々振り回した報いをうけてもらおう。
どんなふうに攻め返してやるかは決めていないが、とりあえずこいつを振り向かせて、いろいろと怒鳴ってやろうと思う。
今日はムカつくことが多すぎた。校門の前でいくら待っても来ない連中ども、勝手にばっくれる連中ども。あいつらって、あんなにつまんない連中だったか? 俺らと楽しむのがそんなに嫌かよ? 俺らと楽しむのが面倒だってのかよ? あいつらを気に入ってたのは俺だけだってのか? クラスでの付き合いは仲良しごっこだったのかよ。
かなり気分が悪い……。
こうゆう感じって、裏切られた……っていうのか? なんだか気分が落ち着かない。すげぇ腹がたつ。どうして俺あの時、怒鳴ってまでアイツらを止めなかったんだ?
滝本も滝本だ。あんな風に言われて、挙げ句に逃げられて、しかも顔を出しもしなかった連中を待つなんてことが、どうしてできるんだよ。
わりぃけど、今日の俺はかなり怒ってるほうだぞ滝本。お前が言ったから、あの時は長い間待ってやったけど、今は一分一秒も何かを待てる自信がねえ。
八つ当たりみてえな事するようでみっともないけど、今日は俺の溜まりに溜まった不満をぶつけさせてもらうぞ。
場所が場所だが、ケンカの場所を選んでられるほど、今の俺に余裕はない。
俺に背を向けて立っている滝本。俺はその滝本の肩を掴んで、やや乱暴にこちらを振り向かせた。
そして振り返った滝本の顔を見て、俺は再びこいつに意表を突かれることになった。
「ッ!……マジかよ……」
滝本は今にも泣きそうな顔を俺に向けた。
「佐竹の……バカやろー……」
俺のイライラは一瞬で焦りの色に変わる……。
ここで大泣きされたら、本格的に周りの視線が痛くなってきてしまう。
「っ……うっ……ひっ……」
涙腺崩壊まで五秒前、みたいな雰囲気を感じ取った俺は滝本の腕を掴み、人の少ない所を目指して動き始めた。こりゃさっきと役が完全にひっくり返ったな。
今日という日は、俺の今までの人生の中で間違いなく五本の指に入るくらいの厄日だ……。
11:03
「なあ後藤」
ゲームセンター内が騒がしいせいだろう、後藤は自分が呼ばれたことに気づかず、目の前のクレーンゲームに夢中になっている。
後藤の操るクレーンは、なんとも可愛らしい豚の人形の上で右往左往している。そんなクレーンを見つめる後藤の目は……けっこうマジだ。
「よし、ここだ!」
豚人形の上でウロウロしていたクレーンが、いよいよ豚を掴みにかかった。
「よし! いけっいけっ!」
クレーンが人形をしっかりと捕らえた。
「あとちょっと! あとちょっと~……いよっしゃあ!」
後藤は無事に豚さん人形をゲットすることに成功した。
一応言っておくと、後藤にはこんな可愛らしい人形を集めて悦に入るようなへんちくりんな趣味は一切ない。
どうやら四月に六歳の誕生日を迎える、後藤の妹のためのプレゼントなのだとか。
「これであいつも喜ぶぞ~。あいつブタさんが好きだからなぁ~」
後藤も一応、俺たちと同じく高校入学を控えている身の十五歳である。そんな十五歳がクレーンゲームで可愛い豚の人形を取るのに夢中になっている姿は、事情を知らない通りすがりならば、臭いものを見る目つきで後藤を睨んでやったことだろう。
そんな後藤の隣にいる俺も、他人から臭がられるのではとちょっと心配したが、思いのほか俺たちに目をやる人間は現れなかった。
「んで……何だよ優斗?」
「ん?」
「さっき俺のこと呼んだよな?」
「……」
別に好き好んでゲームに夢中になっている後藤の隣にいたわけじゃあない。それでも目の前にいるクラスメートの側に立っていたのは、こいつに聞きたいことがあったからだ。
「学校の話……聞かせてくれよ」
「?……ああ」
学校の話ってのは、もちろん学校で起きた出来事とか思い出話のことを聞いてるわけじゃない。
集合場所の校門で何が起きたのかを聞いている。
「お前、そんなの聞きたいのか? お前が来たときの俺らの雰囲気で、嫌なことが起きたって事ぐらいはわかるだろ?」
「まあ……分かるけど」
俺がこいつらと合流した時に覚えた違和感は二つ。
一つ目は、集合時間が過ぎているのに、クラスメートどもの集まりが悪かったこと。二つ目は……健太郎たち四人の雰囲気が悪かったこと。あの時は四人そろって口をきいてくれなかったほどに、ムードが落ち込んでいた。
四人のムードが悪かったことを知っての上で聞いているのだ、俺は。
「う~ん……分かってるなら聞かないほうが良いと思うんだけどな~……」
それに、何が原因で四人がああなったのかも健太郎から聞いてすでに知っている。
それでも聞いておきたい理由は……何なんだろうな? 俺にもよくわからん。
「いいから聞かせろ」
後藤にとってもこの話をするのは気分がよくないだろうが、俺は言った。つい命令口調になったことをなんとなく後悔した。
「……クラスメートの連中が、集まったは良いけど色々理由つけたりして……どっか行っちまったんだよ」
これは健太郎から聞いた話そのまんまだな。
「ドタキャンした奴らの中には……その……お前といるのが嫌って理由なんかで逃げたやつもいたんだよ」
「……ふ~ん……」
これは完全に初耳だ。まあ別に親しい仲でもない奴に言われたって、そこまでショックではないが……。
「……」
後藤が押し黙ってしまった。今の自分の発言で気まずさでも感じているのだろうか?
突然に訪れた沈黙の中で、俺は何となく、俺を拒んで逃げたクラスメートは誰なのかを考えていた。
……たぶんアイツだろうな。一人のクラスメートの顔が浮かぶ。普段は俺と喋ったりすることもあったのだが、社交辞令な感じがビンビン伝わってくるアイツこそが、俺を拒んだ張本人に違いない。
「なんか優斗……平気そうだな?」
しばらく続くと思った沈黙タイムは、意外に早く終わった。
「平気だよ。俺だってそいつのこと気に入ってるわけじゃないし」
「……」
「寧ろお前に嫌がられて逃げられてたほうがダメージでかいから、それに比べりゃちっちぇよ。だから気にすんな」
「…………おうっ」
「それで? 他には何があったんだ」
俺は後藤に更に聞いてみることにした。
「ああ、他にはな……」
結局のところ、後藤の口から出た真実は健太郎が話した内容と大して変わらなかった。
他者との馴れ合いが嫌でキャンセルした奴、突然になって理由をつけて逃げた奴、参加予定の奴らが結局姿を現さなかったことなどが、後藤の口から不機嫌オーラとともに飛び出した。
話が長くなるにつれて、後藤の表情や言動もあからさまに険しくなってきたため、俺はこの話を切り上げようと後藤に言葉を投げかけようとしたものの、当の後藤はクラス連中にたいする愚痴をマシンガントークの如き勢いで喋りだしたために、俺は口をはさむにもはさめなかった。
べラベラベラべラと喋り倒す後藤がいよいよ鬱陶しくなってきたので、俺は後藤のほっぺたをビンタで軽くはたいてやった。
「イテッ! 何すんだよ優斗!」
「もう十分分かったからいいって。頼むから愚痴は家に帰って布団に潜って眠ってから言ってくれ」
「なんだよ……寝言は寝て言えってかぁ?」
この場合、愚痴は寝て言えって感じだけどな。
「とにかく、本当によく分かったからもういいって」
今頃になってゲームセンター内の喧騒が耳に届いてきたぐらいだ。それほどに後藤の、愚痴を弾にするマシンガンは俺の聴覚に影響を与えていたのだろう。
「くっそぉ……お前冷たいよなぁ。俺のグチぐらい広い心で聴けるようなデカイ男になれよ~」
「お前なぁ……言わせてもらうけど、愚痴ばっかベラベラ言ってたって、みっともねぇだけだぞ。それに、俺がお前から聞きたかったのは愚痴じゃなくて……」
「へん! 優斗のバ~カ。友達のグチも聞けねえとは、ケツの穴のちっせー野郎だぜ! バ~カ」
「……」
突然、後藤の奴は俺を罵りだしたかと思うと、少し離れた場所で音楽ゲームに興じている岩吉の所へ行ってしまった。
「なあ啓介、優斗の野郎がさぁ~……」
やれやれ……なんなんだアイツは……。
愚痴を言うだけ言って、いきなり俺をバカ呼ばわりして去っていくとは……なんだかアイツに良いように使われた気がする。
俺の視線の先には、何やら話している岩吉と後藤。
たまにチラチラと俺を見てくる二人の視線に晒されるのも疲れるので、俺はとりあえずこの場を離れることにする。
「あっ! 優斗どこいくのぉ?」
岩吉がさっそく声をかけてきた。
「ちょっとジュースでも買ってくる!」
騒がしいゲームセンター内なので、声を大きめにして言う。
「優斗おぉ! 俺への詫びにジュースでも買ってこい! もちろんお前の金で!」
うるさい後藤は無視して、俺はゲームセンターからひとまず退散した。
11:05
「やっと泣きやんだかよ……」
「っ……」
いきなり泣きだした滝本を引っ張って連れてきた場所は、モール内の一階とニ階を繋ぐ階段の踊り場だ。
人の出入りが激しいLCにしては、ここの階段は不思議なぐらいに人通りが少ない。
「う……っ……」
こんな場所にコイツを引っ張ってきたものの、残念ながらコイツを泣きやませるための効果なんてこの場所にはなく、滝本はニ十分ぐらい泣きっぱなしだった。
そして今、やっと泣きやんだってわけだ。
(う~ん……)
まあ、泣きやんだのはいいんだが……こういう時って、なんて話しかければいいんだ? そもそもこいつは何で泣きだしたんだ? もしかして泣いた原因は俺にあるのか?
もし泣きだした原因が俺にあるのならば、尚更話しかけづらいじゃねえか。どうすればいいんだよ?
滝本が泣いた原因を探るため、さっきの状況をもう一度振り返ってみよう。
突然、滝本に腕を引っ張られてどこぞへ連れて行かれる俺。引っ張り回されている途中、俺は滝本に対し、口調を荒げ、一部暴言を混ぜたような発言をした。
でも、あの程度の発言が原因で、この女が泣きだすような理由にはならないはずだ。学校で会った日には、毎回毎回こいつにはクドクド言われてたし、俺の方からもこいつにギャアギャア言っては、口ゲンカが絶えることのない学校生活を送っていた。その時の暴言飛び交う口ゲンカの事を思えば、こいつがあの程度の攻撃で泣くようなヤワな女には思えないんだが……。
「……っ」
現にこいつは俺の前で泣きだしたわけだ。理由はさっぱりわからない。俺が泣かせたのかもしれない。
さっきの状況を頭の中で何度も確認するが、やっぱりこいつが泣いた原因は分からなかった。
「滝本……あのさ~」
このまま考え続けても意味はないだろうから、とりあえず滝本に話しかけることにした。
「お前、何で泣いてんだよ?」
「……」
予想通り、滝本は返事をしなかったが構わず続ける。
「なあ、おい。何とか言えよ。いつまでも黙ってんなよ。どうしたんだよ?」
「別に、何でもない……」
滝本がやっと喋ったが、返事は素っ気なかった。
「何でもないことないだろ。何かあったから泣いたんだろ? それって俺が原因じゃねえのかよ?」
「別に……」
「っ……俺がなんか悪い事して泣かせたんなら……謝るよ」
こんなことを言ってちょっと後悔した。いつもの俺なら、こいつにこんな弱みをみせるような発言はしない。屈辱だからな。それでも謝る意思を見せたのは、こうしておかないといけない気がしたからだ。
「その……悪かった、ゴメン」
こうして謝らないと、ダメな気がしたからだ。
親父もよく言ってたしなぁ。「女とトラブル起こしたら男が先に謝らないとダメだ。でないとヤバイことになる」って。
今のこの状況は、まさしく女とトラブルが起きている状態だ。ここで男の俺が先に折れないと、親父の言った「ヤバイこと」に、本当になってしまいそうな気がした。そうなるのがなんだか怖い。
俺はもう一度、「ゴメン」と言って、滝本に頭を下げた。まるでこのタイミングを見計らったかのように、下の階段から白のワンピース姿の女が上ってきた。この光景を見られていることを思うと気まずくて恥ずかしかった。それでも俺は頭を下げ続けた。
そして、ワンピースの女がニ階へと姿を消した頃。
「い……ご……福……」
「え?」
滝本が小さな声で何やら喋った。
「何? なんて言った?」
下げていた頭をあげて、何と言ったのかを聞いてみる。
「いちご……大福、買ってよ……」
「……は?」
滝本の口から出た言葉に、思わずマヌケな声を出してしまう俺。
なんだこいつ……いちご大福を買ってと言ったのか?
「ッ!……」
「え!? おい!」
訳も分からずぼんやりとしていると、滝本が急に階段をかけ下りていった。
「なんなんだよ……」
一体あの女は何がしたいんだ。結局泣きだした理由も分からなかったし。
いちご大福、って言ったよな……。それを買ってくれれば、許してあげるってことなのか? さっきのセリフは。
よく分からなかったが、とりあえず滝本の後を追おう。
11:12
ゲームセンターを出、近くの自販機で買わずにスーパーマーケットへジュースを買いに行った理由は、スーパーマーケットの方が少しだけジュースの値段が安いというケチな理由なのだが、そんなことは今はどうでもよかった。
お目当てのカルピスウォーターと、後藤の機嫌取りのためのミルクティーを手に取り、いざ会計を済まさんと、気の良さそうなおばちゃんが担当しているレジに向かおうとした時の事だ。
何気に周囲を見渡してみると、見覚えのある……というか完全に俺の知っている人間が、そこをうろうろしていたのだ。
……和菓子のコーナーで何やらうろうろしている滝本と健太郎を見つけた。
「あいつら……」
一緒に行動している……ということは、二人とももう仲直りしたというのだろうか? さっきまで互いに黙りあっているような、崖っぷちな関係だったというのに?
その点を考えれば、そう簡単に二人がよりを戻したとは、とてもじゃないが思えない。
ここは一つ、二人の様子を伺った方がいいと判断した俺は、和菓子コーナーから少し離れた場所で、二人を見守ることにした。でばかめみたいで嫌だけど、ここは我慢だ。
「な……な、いち……大……」
しばらく様子を見てみると、二人はまだどこかぎこちない。完全に和解とはいわずも、小康状態は保てているようだ。
「おい……ない…い…ご大…」
さっきから口を忙しくさせてるのは健太郎の方だ。何を話してるのかは、このスーパーの喧騒もあってうまく聞き取れない。
和菓子のコーナーに居るわけだからな……。何か目当ての和菓子でも買いに来たんだろうが、何があってあんなことになったんだ? 考えられる可能性といったら、健太郎が滝本への詫びに菓子をおごってるってことぐらいか……。
事の経緯を考えていると、二人は和菓子のコーナーを離れ、何処かへと歩き始めた。俺も気づかれないように二人の後を追う。
それにしても、あんな状態の二人を見ていると、違和感を通り越して寧ろ不気味な気がしてならないな。あの二人の仲を知っている人間ならば、誰もが思いそうな感想だと思う。
あの二人の間に、あんな表情は似合わない。
「……あ!」
そういえばジュースの会計をすっかり忘れてた。このままスーパーを出たら万引き扱いになってしまったりするのだろうか?
……いかつい万引きGメンに捕まるのも嫌なので、ここはさっさと会計を済ませて、二人を追うことにしよう。