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R-38  作者: 妖怪ポテチ
13/16

遭遇、人狩り

 翌朝、アールから蹴られて、ソファから転げ落ちサンパチは目が覚めた。


「んぉ……なんだ??」

「いつまで寝てるのよ。もう朝よ!」


 自分が寝ている間に着替えたらしい。少しだけ服装が変わっていた。肩から掛けたバッグから背中に背負うような大きなリュックサックに装備も変わっている。


「まだ薄暗いのにこんなに早く動くのか?」


 少しだけ出ている朝日が世界を照らしているだけだった。


「ここは電気もないし、蝋燭だって無駄に出来ないからスカベンジャーは日が出るとともに行動して、暗くなる前に戻るかキャンプ地を決めるの」

「農作業みたいな感覚だな……」


 アールについて階段を共に降りていく、一階の通路通り、外に出ようとした時だった。

 ピッピッピッと何かの機械の信号音がサンパチの耳に聞こえてくる。


「おいアール。なんか鳴ってないか?」

「え? あ。ほんとだ」


 背負っていたバッグを降ろし、音が鳴る原因を探し出し、取り出した。

 昨晩、自慢げにアールが解説していた人狩りに反応する探知機。音はその端末から出ている。

「「ん?」」


 端末の画面を見て二人は首を傾げた。赤い点が複数個映っており。端末の中央を目指して動いている。


「これって端末の真ん中が自分たちがいる場所なるんだろ? こっちに向かってきてるんじゃないか」

「音さえ立てなければ問題ないわよ。さっさと隠れてやり過ごしましょ」


 カランカランと入り口から外に向かって空き缶が転んでいった。

 普段ならこんなことはしなかっただろう。いつもと違う行動。入り口で端末を取り出そうと立ち止まり、更に振り返ろうとしてしまったことで普段なら当たらない場所にあった空き缶を蹴ってしまったのだ。


「「あ……」」


 外へ転がる空き缶を唖然としながら見つめている。

 そして入り口を塞ぐ様にしてロボットが現れたのだった。


「人間ヲハッケン、捕獲シマス」

「「うわぁぁぁぁ!?」」


 二人で一目散に階段を駆け上がった。

 二階に上がる際、アールが腰からボールのような物を取り出して下の階に投げつけた。

 更に三階へと向かうところで、ズドンという爆発音と振動が身体に伝わってくる。


「アール!? 何をしたんだ!?」

「手榴弾を投げつけたのよ! あーもう高いから大事に取っておいたのに!! いいから早く上がってよ! 先に屋上まで登って!!」


 指示された通りサンパチは先に屋上へと向かった。

 鍵は開いており、ドアを開けると広い世界が現れる。

 遠くにはビル群があるが、この辺りは同じような高さばかりのビルだったので見晴らしが良い。


「高いところから見渡すと世界って広いんだなーって改めて思うよな」


 そして二人は一夜を過ごした場所を脱出し、イケブクロを目指すことになったのだ。

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