ナターリアは頑張ります
こんな感じで始まる物語がまた見たいなと思って書きました。初めての作品なので拙い所は多めに見て楽しんで頂けると嬉しいです。
………………………。
誰かの話し声が聞こえてくる。誰だろう?こんな綺麗な声の知り合いなんていただろうか?「いや、君にも似ていてるよ。きっと将来は美人さんだな」
今度は男の人の声だ。んーやっぱり聞いたことないなぁ誰だろう…?私は現状を確認しようと目を覚ました。んん?ここ、どこだ??
目を開けると、金髪でグリーンの瞳をした女の人と、茶髪でブルーの瞳をした男の人がこちらを覗きこんでいた。さっきの声の人たちだろうか?まあいいや、とりあえず、体を起こそうか。
………。あれ?動けない?それになんでだろう?視線の先に小さな手が見える気がする。子供もいるのかな…そう考えているうちに体が急に浮き上がった。
「ほーら、お父さんだぞ。今日からお前の名前はナターリアだ。健やかに育ってくれよ?」男の人が私に向かって話してきた。
ナターリア??ふと自分を見てみると体が小さい。じゃあ、さっきの手も自分の手ってことだろうか?お父さんってなに?……。え?えぇええ!?どーなってるの?なんか、体が縮んでるみたいな……ってなにがあったの!!??
ここは落ち着かないと。深呼吸、深呼吸。すぅーはぁー、すぅーはぁー、ふぅ……。と、取り敢えず見えている手を動かしてみるか。グーパーグーパー、うん、動くね…。
これはもしかして、転生?という事だろうか?漫画でよく読んでいたけど、嘘だよね?自分が転生するなんて……。いやいや、そんなはずないよね?きっと何かの夢のはずで、寝て覚めたらいつもの自分に戻るはずだ。
うん、そうだ、そうだ。よし。と目を閉じもう一度目を開くと………。ここは元の世界…ではないね。だめだな。やはり全然変わらない。
本当に転生なのかな?よくわからないけど、異世界みたいだし。とりあえずそういうことにしておこう。でも、そうか。読んでていいなぁと思っていたけれど、実際にこんな事が起こるなんて……よかったのかな。
でも、転生しているって事は私どうなったんだろう?死んだってことだろうか?卒業も近かったし、やっとこれからって所だったのに…。うーん。 そういえば私、なんで死んだんだったっけ?
あーそうだった。あの時、後ろからいきなり車が近づいてきたんだった。
危ないって思ったんだけど、その場から全然動けなくて立ち尽くしていた。その後の記憶もないから、私はそのまま車に轢かれたんだろう。人通りも車通りも少ない所だったし、油断してたなぁ。
両親にはいつも迷惑かけてばかりだったから、就職したら思いっきり親孝行したかったけど、できなくなってしまったし、親より先に死んでしまった。お父さん、お母さん、先に逝く親不孝ものでごめんなさい。
そう言えば、さっきの声。私に向けてお父さんって言っていた気がする。この生ではあの人たちの子供になったていう事かな。前世で出来なかった分、今世では長生きして、ちゃんと親孝行しよう。