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死んだ方がいいかもしれない  作者: マカロニ
1/5

一部

僕たちは口で言葉を発するたびに、命を削っていく。それでいて、生命ではない。血も通っていないし、臓器もない。自分の体で知っていることなんて、体の中心に存在する赤ペンくらいだ。赤ペンは心臓の役割をしているらしい。仲間から聞いた。

なぜ僕たちは存在しているのか、それすらもわからず季節を尻目に生きている。



そして何より一番わからないのは僕たちは人間から嫌われているということだ。







黒色のベースにインクを跳ね飛ばしたようなデザインがしてあるリュックを買った。とてもお気に入りだ。

僕は店員から袋に入れてもらったリュックを手にぶら下げて店を出た。外はすっかり日が落ちていて、街灯は道を照らし、小虫を殺した。

街を歩くとダンスの練習をしている若者が音響に乗せて踊り、気乗りしていないサラリーマンが上司の背中を追っている。


僕らは夜になったらある場所へと向かうことになってる。人ではない僕らの集う場所には水さえあれば入れる。水たまりなんかが溜まっていたら、それに飛び込めば、僕たちだけの世界に飛ぶことができるのだ。いつだって辛いときや苦しくなった時、水を顔に打っただけで安らげる場所へと体が移動する。


僕は今日一日、疲れました。今日も癒しを求めて水を探す。

都会のネオンと喧騒に紛れる。見渡す。すると、若者が透明な何かを歩道に捨てた。中身は殆ど入っている。おそらく、飲み飽きたのだろう。僕はそれを手にすると、締まりきったキャップを開けて、口を逆さまにした。顔にひんやりと冷気が流れていく。額から鼻筋、鼻山、口元を流れて首筋へ。

一瞬、何かの声が聞こえると、僕は移動していた

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