筋肉の願い
今回は筋肉が大活躍です!
~アンナ・フィアット~
勇者のパーティーにはいたのはジーンがいたから。
ジーンはボーとしてて、暇人、得意なことは逃げることと大食い(本人談)、趣味は乗馬(乗っているのはケイの後ろに座っているぐらいしか見たことがない)と。
ジーンはのんびり屋さん。
私が失った魔力に劣等感をもっていたときに声をかけてきた。
~魔導学舎~
「ここで一番見つからないところはどこだ?」
私の首に腕をかけそんなことを言ってくる。
それが勇者ジーンとの初めての出会いだ。
ジーンは何かから逃げている最中なのか、汗でびっちょりの腕を私にかけてきた。
……汗臭い……。
「見つからない場所?」
「そうだ……、しばらくの間隠れていても見つからず、尚且つ飲み食い自由!三食昼寝付き!これが条件だ!」
「……そんな場所あったら私が行きたい!」
強い語調で言い返してしまった、反省。
私は、五属性百もの魔術が使える天才、こんな訳の分からない奴にかまっている暇はない。
先日も、異世界から召喚された勇者とやらがこの学舎に来て、優秀な魔術師を連れていきたいといったときに候補にされた、でも魔力が失われて魔術が使えなくなったと聞いて、すぐ別の奴を連れていった。
屈辱だった……。
すぐ、新しい勇者が来ると聞いた。
それまでに、なんとか力を取り戻さなくては!。
「私急いでる、ほか当たって」
「ふんっ、そういって知ってるな?アルカディアの場所を!」
しるか!、知ってたら当の昔にいっている!。
本が読み放題で、ジュースが飲み放題のアルカディア!。
夢のよう……。
いけない……、こんなことしてる暇はない……。
「離して、私急いでる」
?あっさり離してくれた。
「俺のことは口外するな、したらお前の机の上に、ハートマークの傘でお前の名前と俺の名前を刻んでやるからな」
地味ないじめか。
「これは脅しじゃない、俺は言ったことは絶対にする。有言実行が俺のもっとうだ」
なぜこいつはこんなに情けないことを威張って言えるの?
そう思っていると、そいつは風のように走り出した。
そのすぐ後に、筋肉だ…、筋肉がかけ寄ってきた…。
「ここに良いマッスルが来なかったかい?」
風の魔術の講師のインダット教諭だ…何で強化魔術の先生じゃないの?。
「それはね、筋肉は自前の以外に認められないからだよ?」
こころが読まれた!。
「はっはっは、まあそんなことはいいじゃないか。それより来なかったかい、ま・っ・す・る」
気持ち悪い言い方するな。
「知らない、でも、何かよくわからない男ならこの廊下を向こうに走っていった」
私は正直に男が走っていった方向を教える。
「ありがとーう!」
良い笑顔で走っていったなぁ、良いことをすると気持ちいい。
その次の日、私の机にいつもの悪戯がされていなかった。
そう私は嫌われている、毎日のようにいろんな物が無くなったり、部屋を荒らされたりもした。
気持ち悪かった、でも今日はなにもされてなかった。
代わりに、机の上にジーン♡アイナと傘がされた文字が彫り込まれていた。
あの野郎…。
周りの生徒からなぜか憐みの様な目が向けられている。
教師が近づいてきて。
「アイナ、君に何があったんだい?先程ここに、変な男が天井から降りてきて君の机に何かしていったそうだ。何かあったのならいつでも相談に乗るよ?」
普段そんなことを言わない教師がそんなことを言ってくる。
「いい、なんでもない」
「そうか?まあそれならいいが……、気を付けるんだよ?」
「ん?、どういうこと?」
「ああ、なんでも君の机を彫っている最中にこんなことを言って言いたそうだ……」
……これは始まりに過ぎない……。
こわっ!。
それからというもの、私と男との勝負が始まった。
最初の方は男の一人勝負の様相だった。
手始めとばかりに、私の教科書にジーン♡と書かれていたり。
靴にジーン♡と書かれたり…筆箱に…帽子に縫い付けられたり…
語彙が少ない……殺す…。
最初は奴のワンサイドゲームだったが、徐々に行動が読めてきた。
まず、男の行動は天井か窓からの二通りに分かれている。
それも学舎のみ、まずネズミの使い魔を天井に放つ、最初は奴も気付いてネズミを餌付けしようとしていたが、腐っても使い魔、餌をもらいながらも私にきちんと情報を持ち帰る。
それによると奴は、時計塔の中に巣を作っているのがわかる。
私はそこに筋肉教師を放つ、奴は巣を捨て別の場所に移動したようだ。
ネズミの動きも悟られた、次はどうしよう。
その後、奴が潜んでいそうなところに魔導具を二つ三つ置いておく…かかった…一番かかりそうにないところ、女子トイレの三番目…、私もなんでこんなところに仕掛けたの?。
そして奴はここで何してたの?。
男の悲鳴とともに、靴が捨てられていた。
筋肉に聞くと奴のものに違いないらしい…なんで匂いをずっとかいでいるの?。
それからしばらく奴との攻防が続いたなぜか下駄箱の中にトゥシューズがあって中に、粉々にされた刃物が入っていたり、実験中に使い魔を餌付けされて誤情報を流そうとしたりなどだ。
私もやり返した、筋肉とタッグを組んで奴が潜みそうなところに、筋肉がいやでも付く匂いのする薬品を投げ込んだり……。
その後奴が通った後だろう配管は少し幅が広くなっているように感じる…。
その後を追って、子犬の使い魔を送り、奴を足止め、それに追い打ちをかけるように、親犬を放って挟撃を仕掛ける。
成功…、なぜ上衣だけ持ってくるの?
今度は奴から仕掛けてきた、私の持っていた杖の先に可愛らしい動物を模した?ぬいぐるみを置いていったのだ。
これは、降参ということか?、と思いぬいぐるみに触ろうとした瞬間、歌が流れ始めた。
手を近づけると内臓魔力で音がなる仕組みか?。
その歌を聴いていると近くにいた男の子が泣いて走り出した。
周りの人に聞いたら、彼の自作の歌だということだ……むごい…。
その日のうちに、奴が目の前に現れた。
上半身裸で…?。
「今まで悪かった、目が覚めた……。今日俺がしたことは取返しが付かないことだ…。彼を傷つけてしまった…。今謝ってきたところだ…」
こいつ泣いてるのか…?
「私にした、嫌がらせの後、消してきて」
「…ああ、もう全部消してきた、時計塔の上や、黒板消し、机、一番奥のロッカー、フェンスetc…」
こいつそんなところまで…、許すのやめよっかな…。
「まあいい、ちゃんと消したなら許す」
「……ああ、ありがとう…。何かあったらいつでも言ってくれ!多少のことだったら手伝えると思うから!」
もう目の前に来るな…そういおうと思った時ふと思い出した。
「あの人形の内臓魔力、どこにしまっているの?」
聞いてしまった。
「内臓魔力?そんなものあの人形には入ってないぞ……」
時が止まった…
「あれはお前の魔力を感知したら無理やりお前から、微小の魔力を吸収して音が鳴り出す仕組みになっているんだ、あれを作るのには苦労した…ずっと…天井裏に潜んで………」
何か言ってる、なんでこいつの声が耳に入らないの?
私の魔力?、無くなったはずなのに…、あの時奪われたバズなのに。
そう、私の魔力は、奪われたのだ、この学校の元生徒で現最強勇者のパーティーの女に…。
「まあ、お前から魔力が感じられなかったからな、師匠から教わった秘薬とツボ押しの技でな…、ふう、女の振りをしてお前の着替え中に後ろからな、なかなか骨が折れたぞ!」
……やっぱり殺しとこう…、この女の敵……!。
殺気を感じたのか奴は風のように消えていった……チッ逃げられた。
そう思っていると、筋肉がすごい勢いでやってきた…廊下を走るな。
「はっはっはっはっは、ジーンがここに来ていたろう?どこに行ったか知らないかい?」
「?先生はあいつを知ってるの?」
「まあ、昔の戦友兼今はベストパートナーになる予定の男ってところさ!」
「戦友?」
インダット教諭は目を細め、遠くを見る目をして少し悲しそうに……。
「昔のことさ、まあ今はただの筋肉フレンドさ!」
はぐらかされた…………。
それから、微弱だけど私の魔力は戻て来た。
これで、今度の試験に合格して勇者が来たら勝負を仕掛ける。
今度こそ間違えない、どんなことをしても勇者に認められてあいつに追いつく、そして……。
試験当日、奴がいた。
試験内容は、Eクラスダンジョンに五人で挑みこれを攻略すること、中に入って五人パーティーの後衛として入った。
しばらく中に入って攻略を進めていると、先に入ったパーティーがEクラス魔獣のダンギアに襲われていた。
ダンギアは十匹ほどいてこちらにきずいて襲ってきた。
先発のパ-ティー三組と合流して何とか切り抜けようとしたけど、何人か大けがを負ってしまい身動きがとれない……絶体絶命……。
その時、……筋肉と奴がなぜか上半身裸で戦っていた………。
こいつら何してんの?。
片方は筋肉を主張しながら、風魔法で土煙が起きないように地面を抑えタックルをかけていた…。
風魔法の意味がない……。
そのタックルは正直すごかった、奴が右に左にと避けているのに足を地面につけながら、避けられた瞬間、
軸足に力を入れ一瞬んで奴の方に向き突進、奴もその突進を避けながらも反撃に転じようとしている。
正直すごい戦闘!……何のための?。
「ふっふっふっふっふ……、やっとみつけたよ、ジーンさあ一緒にダブルパイセップスをしようじゃないか!」
「するか!この筋肉バカが!」
「筋肉バカ………、これ以上ない褒め言葉さ!」
「ううう……、あっ…助けてくれ!」
こっちを向いてきた。
「状況考えろ!助けてほしいのはこっち!」
と言っていると、周りのダンギアはこの筋肉たちの戦いの余波で全滅していた…。
私は筋肉たちに助けられた…、恩は返さなくっちゃ!。
「二人の蜜月を邪魔しちゃいけない…、みんな行こう」
全員の心が一致した、怪我人もいるいったん地上へ戻ろう……。
まだ筋肉たちが戦っている余波が聞こえる……。ちくしょー
何か聞こえた?
外に出ると同時に、今回の試験は不合格が決まった。
これでお終い、まあ、あいつに責任を取ってもらおう、なんでもする言ってたしね…。
それからしばらくして奴……、ジーンとか言ってたっけ…。
ケガまみれなのに、ほこりが全くついていない…なぜ?
「ん?まだこんなところにいたのか?」
他の生徒はみな、学舎に帰っているのに私がいるのが不思議なんだろう。
「待ってた、約束通り責任とってもらう」
こいつとあってからほんとにいろいろあった、いろんな邪魔もされたけどそれ以上に楽しかったのかもしれない……、魔術以外のことなんて考えてこなかったのに、いろいろ考えた、復讐方法や罠にどうすればかかりやすくなるかとか、いろいろ…なかなか楽しかった。
あの時の夢も、しばらく見ていない…友達だと思っていた、アイツに魔力を奪われたときの夢…。
こいつといればもう見なくて済むかもしれない。
そう思っていると、ジーンは青い顔になって。
「せ・責任……、も・もしかして、あの時…」
あの時ってなんだ……!。
「あの時」って何だったんだろう?、ジーンの様子が異常すぎたから聞きそびれたな…。
これ盾にしてたら、こんな状況にならなかったのかも、アインにそそのかされてあんな一芝居を打ったのにこうなった…、この女殺してしまおうか…、まだ早計、この女は使い道がある、ジーンを追いかけるのにこの女は必要、早く追いかけたい。
「アイナ、お前の罠魔術はなかなか使える。私は大いに期待しているぞ!」
かませが何か言ってる、こいつは前から何度か会っている。
使えない男だ、見た目ばかりで頭がカラ、剣の腕も並、魔術こそそこそこできるみたい、でも以前の私や今の私には遠く及ばないレベル。
ああ…、なんでこんなことに、あの時アインにそそのかされなければ…。
過去に囚われちゃダメ、ジーンが言ってた。
「アイナ!返事はどうした!、早く答えろ!、このウスノロが!」
こいつは邪魔だなぁ。
「うん、今見せてあげる………」
「え?今?…今は何もないぞ、だから杖をしまえ?」
アインが手を前に出してきた。
「そうよ、アイナもう少し待ちましょう…」
小声でそんなことを言ってきた…、もう少し待つ。
杖を降ろす。
マダカナ、マダカナ
ヒロイン?って何でしょう?