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捨てられ勇者逃亡記  作者: もぐささん
2/7

元勇者街に入る

つたない文章ですが、頑張っていくので一読おねがいします。


街に近づいてきた。

俺は辞めてしまったとはいえ元勇者だ皆が皆、現勇者様のようには思ってくれないだろう…あのあほ皇や側近の貴族なんかは追手を差し向けるかもしれない…。

何となくだがこのままじゃいけない、そんな気がしてきた…。


うん、服をとりあえず考えよう!

「手持ちの服は…」

俺の唯一使える魔術で”インベントリ”

俺の魔力が持つ限り、異空間に物を入れることができる優れものだ!

魔術は頭の中に魔導士から魔導式を入れたもらい、適合して初めて使えるようになるものだ。

普通の魔術師なら1属性の魔術を10~15式程入れて初めて名乗れるものだが、俺はこれ1つしか使えない…ほかの勇者は…まあ、もう辞めたから関係ないんだけどな!


確か、昔仙人を名乗る爺さんからもらった服があったはずだが…。

あった!……


「まてっ!近づくな!」

街に近づくにつれ衛士に止められた。


やはり、手配がここまで来ているのか?

まだ6日しかたっていないんだけどなぁ。

「なにか、あったのか?」

「なにかって…なんだその恰好は!」


何かおかしいだろうか?


俺が今着ているものは、聖銀が編まれた靴下に、仙人からもらった服だけだが、髪もくすんでいるが金髪で、顔もまあ少し、老け顔だがなかなか整っているほうだと思っているし背も180センチ程となかなか体もできているほうだと思っている。

やはり手配がここまで…殺ルカ…。


「何かおかいか?」

殺る準備はできた、いつでもOK…

「何かって、おかしいだろう!なんで股下が開いているんだ!」

俺が今着ているのは、仙人からもらった服で体にジャストフィットして局部はなぜか開いているうえに、ボカシがでたように見えなくなるそんな不思議な服だが…やはりおかしかったか!

仙人は、俺が昔初めて街に入った時に知り合った、コートを着て下には何も来ていないじいさんだった。

俺はその仙人から教えをもらい、鍵開けのテクニックから炊き出しの日取り、学び舎の登下校の時間帯、奇門遁甲、暖のとれる場所、縮地、煉丹術、変装、etc…等を教わったが、やはり怪しいだけのじいさんだったか……。

「指摘してくれてありがとう!それじゃあ!」

行こうとする俺に衛士は槍の先を向けてくる。

「まて!なにを勝手に行こうとしているんだ!」


ちっ…殺るか?

「そんな恰好で街に入れることができるか!最低限の恰好ができないのなら牢屋に入ってもらうことになるが、それでもいいのか!?」

あっ…結構いい人なのか?おかしいと言っているのに、問答無用で牢屋に入れないのはまあどうだろう?と思うが、こちらの話を聞く気になってくれているのだあろう。


「すまない、服を決めるのにどうすれば良かったのか分からず」

「だからってそれはないだろう!怪しすぎるだろうに…どこからきたんだ?」

「ジャリル王国の北方から来たんだ」

「ん?ジャリルの北方っていやぁ魔王領近くからか?」


「ああっ!」

「って、ここから2か月はかかるだろう!よくこれたなぁ!」

そう、俺の故郷は、ここから二か国ほど離れた国だ、どんなに急いでも2か月は手配に時間がかかるだろう、考えすぎたなか……。

ここはマルトル公国の東ニジャーロウ辺境伯領、テンダンの街、本来なら俺がいた魔王城からは3か月以上かかる道のりだが、仙人(じいさんに改める)から教わった移動術での移動なら、俺一人なら三日でつくことができた。

その代償に、俺は二日ほど休まなければならなかったけどな…。


「あの格好で!」

「ああっ!」

「ますます怪しいわっ!」

一度降ろした槍をまた向けてくる。

「いや、先日までは違う格好だったんだがな、やむを得ない事情であの格好に…」

「やむを得ない事情?」

衛士は釈然としない顔で聞いてきた。

「ああ、先日職を失ってしまって、裸一貫から出直そうと思ってな」

「裸一貫って裸から始めるって意味じゃないだろうっ!」

律儀にツッコんでくれる…ノリがいいな。

「来ていた装備一式全て、新任の方に渡してしまって…」

「ああ、だからか、ひどい話もあったもんだな…そんな職はやめて正解だったかもなぁ」

なんか、同情的なものを向けてくれている…もうひとおし!。

まあ、勇者だけどな!。

「怪しまれない恰好を追及してみてな…」

「怪しい以外の何物でもなかったけどな!」

失敗した。

なんとか俺に最良の一手を!。

「その上で、天啓的なものが下りてきて、俺に真っ黒でピッチリの服で光からは走りだせといってきたんだ!」


衛士は、俺を見て何か痛いものを見るような眼をしながら…。

「まあ、わかったけどその恰好で街にいれることはできない、まともな恰好で出直して来い!」

わかってくれた!成功した!。

「わかった…、だけどどんな恰好ならいいんだかわからなくてな」


インベトリで異空間から出せる限りの装備と服を出して聞いてみた。

「まともなのがあるじゃねえか!それで何でそんな恰好してたんだよ!んで、魔術師だったのかよ!」

「よく息持ったな…まずあの恰好だった理由は、天啓だって言ったろう、それと、おれはこれしか使えないから魔術師とは言えないけどな」


「まあ、普通の恰好してちゃんと身分証明書を提示するなら、街に入っても構わないぞ」

「恰好はともかく、身分証明書は持っていないんだ…」

普通は、生まれたときに命名の儀をしてもらいに神官様のところに行き、身分証明書の発行をしてもらいに役所に行くのだが、食い詰めの農家の三男、その上俺以外にも姉が三人兄二人の8人家族、そんな大所帯に不作、そんな状況で、税と自分たちが食べていく分でいっぱいである、ゆえに命名の儀も役所への届け出も出せるわけがない、まあ2年後には弟、3年後には妹が生まれてその二人はちゃんと命名も役所に届けでも出されたがね。

いままで、体だけは丈夫で身分を証明する必要もなかったし、学び舎なんて上等なもんに行く必要もなかったしな、言葉も文字も長男の兄から教わって名前とちょっとした文章ぐらいはできるぐらいでよかったし旅の時は、アインが身分を証明してくれたしな。

「農家の出で、三男な上不作の時の生まれでな、役所の届け出が出されていなかったみたいなんだ」

「それでよくここまでこれたな…、まあ事情は大体解った、じゃあ銀貨10枚で一時的に中に入ることを認めるが、この腕輪をつけてもらう」

真っ黒な何の装飾もされていない腕輪を差し出してきた。

「?この腕輪は何だ?」

「ああ、お前はこの国出身じゃないのか、この腕輪には爆発呪が仕込まれていて、悪事を働くと、魔術師によって呪が解放されて爆発される仕組みになっている、取ってほしければ街を出るか、街の役所に行って身分証を発行してもらい半月後に、何もなければ外してもらえる、ってか!お前どうやってこの国に入ったんだ、まさか密入国じゃないだろうな!」

説明を終えた後にきずくって…

「いや、入国の際には前の職の上司といたんでな、っつかこの腕輪こわっ!」

嘘じゃない、入国の時には知り合いの聖職者と一緒に巡礼だといって入国させてもらった。

とりあえず腕輪を受け取って、腕につける。

「まあいい、早くけ」

「ありがとう!」

「だがまあ、まず服を着替えてからな」

むんず、と肩を握られた。

「わ・わかった(泣)」

めちゃくちゃ握力ある…


とりあえず、街に入ることはできた、まず役所に行って身分証づくりをしに行かねば。

役所は少々古臭いが、貴族の別宅を改装したかのような豪勢なつくりの建物だ、中も待合所も広く調度品も中々豪勢だ、この花瓶一つでも結構するか?


「それ、偽物ですよ」

背の小さな女史が教えてくれた、なかなかの美人さんだが少し愛らしく見えるな…服もタイトなスカートに紺の服を着ている、眼鏡をしていて美しい金髪金眼のポニーテイルという奴だろう。

「そうなのか…俺も見る目がないな、教えてくれてありがとう」

素直に感謝する俺に、なにかいぶかしんだ目で見てくるな。

「ふーん、どういたしまして、何か御用ですか?」

小首をかしげながら聞いてくる。

「ああ、身分証の発行をお願いに来たんだが、どこに行けばいいのか教えてもらえないだろうか」

「身分証を?そんな年で?」

なんか、怪しいだろうか?恰好はさっきの衛士と一緒に決めてもらった昔の服…まあ少し古臭いが、農民の出ならこんなもんだろう。

「あなたくらいの年なら身分証をいつでも持っていなければ生きていくのにも苦労するでしょう?」

そういうことか。

「農家の出の三男坊でね、体が丈夫で医者にもかからず学び舎にもまともにいってなくてね、そんなに必要になることもなかったんだよ」

「そういうことですか…、それならこちらに来てください、受け付けは私がします」

席に案内される、後ろからついていくと、歩幅が違うせいか追い越しそうになる。

「ああ、お願いする」

「……わかりました、字は書けますか?」

なんか間があったな?

「一通りわかるけど、わからなかったら教えてくれ」

書いているときに、あちらから質問された。

「私を見て、なにかおかしいところはありましたか?…」

なにか、恐る恐る聞いてきたな。

「強いてあげるなら、そんなことを聞いてくることだろう。」

「背低いでしょう…」

「?何かあるのか?」

俺は彼女について知らないが、立派に仕事をしているんだ、何も恥じることはないだろう。

「頭、なでたくなったりしませんか?」

「?女性の髪にむやみに触るな、姉からの教えだ、成人前の子ならまだしも成人女性の髪に触れるのは御法度だろう」

疑問が深まるな、彼女は何におびえているんだ?。

彼女がうつむいている間に、なんとか書き終わった。


一通り書けたら質問らしい。

「ええっと、お名前は、ヴァイクさん」

このまま、改名しよう、皇国から追手がかかるとも知れないしな…

「あなたはどこの出身ですか?」

「ドルク皇国、のマードル村だ」

眼鏡が少しずれて、こちらに何か疑わし気な目を向けてくる。

「ドルク皇国ってまた遠いところから…どうやってここにきましたか?」

「前職の上司と一緒にジャリル王国から入国してきた」

「変な経路…よくこの三国を超えてこれましたね」

ドルク皇国、テルート法国、ジャリル王国は今微妙な関係だで、ずっと小競り合いの真っ最中だ。

「傭兵か何かだったんですか?」

「ああ」

まあ、魔獣魔族と戦うという意味でのだけどな、似たようなもんだろう。

「そういうことなら、魔獣と戦ったことはありますか?」

「子供の頃から結構な数と戦ってきた」

なんか、意を得たりって顔してるな。

「ふ~ん…それでは、この街にはそういうお仕事を探して?」

「いや、長居をするつもりはない、金が貯まる間はなんでもやっていくつもりだ」

「ふむっ!じゃあ、ここでお仕事をしませんか?冒険者としての依頼や、登録も身元の保証人も役所がなりますし、ここで受け付けてるんですよ!」

勢い込んでそんなことを言ってきた、なんか身を乗り出しそうだ。

「役所じゃそういうこともしているのか?」

「ここでは、まだ冒険者ギルドができていないんですよぅ…だから、冒険者も少ないんです、助けると思って!」

ちかいちかい、カウンターから乗り出してそんなことを言ってくる。

まあ、初めから冒険者登録はするつもりだったんだが、結構大きな街だから冒険者ギルドがあるとおもっていたんだがな…。

「そういうことなら、仕事をさせてもらう」

「そうこなくっちゃ!、身元保証人は、当役所がします、これからがんばっていきましょう!あっ、私はリドルット・マーシャリーです、よろしくお願いします!」

嬉しそうでいい笑顔だ、少し見惚れそうになるな。






















がんばります。

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