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捨てられ勇者逃亡記  作者: もぐささん
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勇者脱出

旅立って3年

魔王城までもう一息、そんな時だった。

「あなたにはもうついていけません‼」

自分以外のパーティー全員女、そんな状況で俺一人男。

みんなが俺に、苛立ち?憎しみ?そんな感情が織り交ぜられたような目を向けてくる。

「あなたの身勝手で、私たちがどれだけ傷ついたことか!、これ以上あなたの指示に従っていては皆が死んでしまう…」

俺はなんとかみんなに生きてほしい、それだけを思って最善の手を模索してきたが、何がだめっだたんだろう…、ここまでは皆が大きなケガをせずなんとかやってきたんだがな。

女パーティー全員を代表して、聖職者のアインが突然そんなことをいってきた。

「あなた以上の勇者を、私たちは見つけています!」

アインは俺を勇者と見初めて、ここまで共に頑張ってきてくれた女性だ。

魔術師のアイナ

「あなたの指示でここまで来ましたが、これ以上指示には付き合えません、リーダー失格です」

アイナはある事件をきっかけに、失った魔力を取り戻して2番目の仲間になった子だ。

シーフのキアン

「まあ、ただの腐れ縁だし、あんたはしょせん無茶ばかりするだけのバカだったってことねぇ」

キアンは犯罪に巻き込まれて、盗賊ギルドから殺されそうになっていたところで再会した幼馴染で、難事件に挑み共に解決し冤罪を晴らした。

騎士のケイ

「あんたは、所詮ただの農民だったてことさ、無理無茶だったら誰でもできるさ」

ケイは裏切られて左遷され、ヤサグレていたが俺との剣の一合で剣の道をもう一度極めんとして最後に仲間になった。

聖剣に宿る精霊エイン

「あなたに使われてきたのが苦痛に思えてきました、あなたを選んでここまで来ましたが、失敗です」

エインは、聖剣に宿っている精霊で、それゆえに気位が高く誰にも扱えなかったため城の倉庫でほこりをかぶっていたところに、偶然見つけた俺と旅をすることになった。

今まで一緒に頑張り、困難に共に挑みクリアしてきた仲間たちが、そんなことをいってきて。

「新しい勇者様のカイン・メザリオン様です」

紹介された。


俺は、この時下を向き……小さくこぶしを握りガッツポーズを知らず知らずのうちに取っていた。

俺はこの時を待っていた、女ばかりのパーティー、気も遣えば、女の子同士の団結力はすごい、口喧嘩では絶対に勝てないし、平気で手を出してくる、仲間になって長い間一緒にいると、絶対に気が合わない時がある、ゆえに俺は男一人でこのパーティーの勇者をしていると息が詰まりそうになる。

(現在進行形)

先日もあと少しで魔王城だということで、俺は急がず一時的に休憩を取ろうとしたが、女性陣は急いで魔王場近くに行き、転移の魔導式を書き込むのが先と女性陣が一致団結、休憩なしの強行軍で魔王城近辺まで来たが、さすが魔王城、強い魔族がいて引き返さざるを得ない状況にされた。

それを、リーダーの俺が止めなかったせいだということらしい。

そういうことがあったせいか一昨日から口を利かず、尚且つ、どこかと連絡しているようだったが、そういうことか!


俺はこの旅が終わって魔王だとか王だとか勇者だとか関係なくなったら、一人で旅をしたいと思っていた。

よしっ!予定を早めよう!。


アイン他

「「「「ん?」」」」

皆がいぶかしんだ目で見てきた。


「みんな、おれが何かしたのか!?」

きずかれるわけにはいかない。

「俺を裏切るのかー!、今まで一緒にやってきたのに、こんな魔王城の近くで裏切るのか!」

なんとか、この場はこの新しい勇者様に頑張っていただかなければ!少し癪だけどな!。


「自分の無能を棚に上げて、おまえがそんなことを言う資格があるとおもっているのか‼みんなを率い、民に平和をもたらさなければならない勇者が、強敵を避け、魔族を殺さない時もあったそうじゃないか!そんなお前のせいで彼女達がどんなに傷ついたと思っている!」

俺は、平穏に暮らしているだけの魔族には手を出さず、そんな魔族を守る者には手を出さないようにしてきた、そんな俺に常々アインは不満があったんだろうな…だがそんなの関係ねー!。


ああ、俺はこのチャンスを逃す気はない!

「それはどういうことだ?」


「みんなから聞いているぞ!貴様の自分勝手でみんなを危険にさらしてきたんだ、謝罪こそあれそんなことを言う資格などない!いますぐここからいなくなってしまえ!」

YES!

俺はここで畳みかける!

「みんながそんなに傷ついているとは思わなかったんだ!もうこれでしまいだ!許してくれ、俺はこれで身を引こう、カイン・メザリオン様一応申し渡しだけはしておきたいんだが?」


「ふん、わかってるじゃないか‼おまえごときが今まで勇者だったのがうそのようだ、いいだろう聞いてやる。」


元農民だった俺ことジーン、ただのジーンだ性はない、ただの農民の三男坊そんな俺のところにきた聖職者のアイン・ファナ・キザイアン、貴族で聖職者、年齢は?歳だ、(いくつか教えてもらえない)俺を勇者だと言って導き時に怒り、時に優しき諭してくれた年上にして姉御肌、容姿は金髪で琥珀色、美しく力強い印象で背も175センチほどの女性だ。

魔術師で年齢は16歳、見た目は銀髪で生まれてから切ったことがないのか?というほどに長く、銀眼、背も年齢にしては低く140センチ程で、美しいよりかわいいが先に出るような女の子だ。

名前はアンナ・フィアット。

シーフで元貴族の幼馴染、年齢は22歳、容姿は金髪碧眼でかわいく、活発そうな印象で髪も短くまとめている、背も155センチ程と小柄。

名前はキアン・テスター。

騎士で、年齢は27歳、容姿は抜群に美しいく背も高い、優し気な印象を受ける、(事実は小説よりも奇なり)髪は短く切りそろえている金髪、眼の色はブラウンの女性だ。

名前はケイ。

そして、最後に魔導剣エイワン、装飾も派手すぎずしっかりしていて持ちやすい、ドワーフの鍛冶師に鍛えられ、ダークエルフの魔導士によって魔導式を刻まれた最高の一品にして、精霊エインが宿りる俺の最高の相棒だ!

みんなで今まで様々な旅をしてきたが。

ああっ!これでさよなならか!

「ええっと、まずこいつが魔導剣エイワン、宿るのは精霊エイン!」


「俺の無茶にも付き合ってくれて、命を守ってくれた最高の相棒だった奴だ!大事にしてやってくれ!寂しがり屋で少し鼻につくいいかたをする時があるがいい奴だ決して手放さないでやってくれ!」

決して折れずなおかつ、俺が間違い、曲がりそうになった時も彼女?なりの叱咤激励で俺を進ませてくれた。

「ジーン様…」

エインが何かを言おうとしているが、早くしないと勇者様の気が変わってしまう!


「わかったわかった、さっさとよこせ!」

手から取り上げやがった。  イラッ

「大事にしてやってくれ…」


「次に魔術の申し子で、妹の様に思っていたアイナ・フィアット、意地っ張りで無理を押し通そうとするが、いざとなると頼りになる背中を任せられる子だ、たまに眠れない時があるようだ、力づけてやってくれ」

俺はこの子に学んだ、自分の力だけじゃない、過去からの知恵や知識の力を、物語が紡ぐ喜びや勇気を。

「ジーン…」

アイナがうつむいて何か小声で言っている、気になるが急がなければ。

「そんなことはわかっている!さっさとしろ!」

なんだ、そんな前から知ってるのか?


「次にシーフ職のキアン・テスター俺が子供のころから助けられていて、己の芯を曲げない、そんな奴だから時に無茶もする…ブレーキをかけてやってくれ、こいつは無茶をしても自分で何とかしようとするだろうけど、もう一人じゃないんだ、仲間で進めばいいんだらから」

彼女には何度も救われた、命からがら魔獣の大群から逃げる時も彼女は決してあきらめなかった。

「…」

キアンが下を向いて顔が見えない、地面が濡れているのはなぜ?

「盗賊か…」

なんだこいつ、変な顔しやがって?シーフだって言ってるだろうが。


「そして、騎士のケイ、防御を主体に戦う騎士で前から攻撃を受けても決して引かない、前ばかりじゃないどんな時も仲間がいる、それを思い出せるよう絶対に後ろからの攻撃には注意しておいて安心させてやってくれ。」

この人は、時に自分を卑下するようなことを言っていたが、おれは彼女以上の騎士を知らない。

「ジーン」

ケイが、上を向いて何かを言っている。

「騎士なら当然だ、引くなど許されるはずがない!」

イラッときたな。


「最後に、俺をここまで導き支えてくれて姉の様に思っていた女性、アイナ・ファナ・キザイアン、彼女の回復魔法は最高だ、だけどあまり彼女に心配をかけさせないでくれ、また彼女が泣くところは見たくない…」

俺の昔の失敗で大けがを負ったとき彼女は必死に俺の傷を治そうとしてくれた、その時の顔が忘れられない。

「…」

アイナが、口を開閉させて何か言おうとしているが、言葉にならないようだ。

「ふんっ!当然だ彼女は私のフィアンセだ、決して手放さんさ、それにもうはお前には関係ないことさ」


なんだそういう事か、最後にはすべてこうなる様になっていたのか…。


そうならそうと言ってくれればよかったのに…。

今までを思い返せば彼女たちには、悪いことばかりをしてきた気がする…それもこれで最後にしよう…。

彼女たちとの思い出はここにある!俺は自分の胸にあるこの思いが、俺だけが抱いていたもんだと知っても、そう思えるんだ。

後あh形になるものは全部おいていこう!。

「よし!以上だ、あとは俺の兜、鎧、籠手、具足,盾、全部ここに置いていくからな!好きに使ってくれ」

俺は自分の装備を全部、新しい勇者様に渡していく、まあ、勇者様は自前で立派な装備を身に着けているけどな、所詮俺の装備は聖銀が使われているだけのちょっといい装備レベルだが、新しい勇者様の装備は随所にオリハルコンが使われた一級品だ!。

「ふん、分かってるじゃないか」

装備を受け取りながら鼻を鳴らす勇者様。


「あと、聖銀の糸を使ったシャツ、ズボン、靴」

「「「「「え?」」」」」」

全員が目を丸くしているが続ける

「これが最後の一枚…聖銀の糸のパンツだ!」

なぜか勇者様は受け取ってくれない?。

「い・いや、そこまではいいぞ!」

手がいっぱいなのをいいことに、間に滑り込ませる。


「遠慮しなくっていいんだ、聖銀のパンツは匂いを気にせず履き続けることができるんだ!俺が履き続けた最高級品だ!受け取ってくれ!」

全員が声に出せないようだが、やはり思うことがあるんだろうか…。

「最低限のモラルは持ってくれ!」

勇者様が、汗をかきながら声を荒げていってくる、なぜか手がプルプルしている?

「だから、靴下だけは勘弁してくれ…すまん…」

俺の最後のわがままだ、許してくれ。

「他ももってけ!」

勇者様がなんとか装備をどこかに置こうとしながら言ってくるが。

「いや、いいんだ、やさしいな…流石だ!」

俺は辞退する。

「そんなんじゃない!」

声を上ずらせながら言ってくるけど固辞する、ある意味誇示する。

俺は走り出す、あの地平の向こうまで‼

「それじゃあ、みんながんばってくれ!じゃあな!」

俺はやっぱり、少し惜しいと思っているんだろうな…なぜか、眼から涙が出てくる、そんな顔をみんなに見せる訳にはいかない、振り払うように走り出す。


「ジーーン待ちなさい!さすがにそんな恰好で走り出さないで!」

「うう…、おっきのが見えた……」

「待って待って、その恰好ではだめだよぅ!」

「待て!バカジーン!やばいって!」


すでに、走り出していた俺になんかみんなが言っていたな…なんだろう?まあこれでお役目御免だ、さあこれからが俺の冒険の始まりだ!

 

ナゼダロウ、オレノナカノイケナイトビラガヒライタヨウダ……









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