第1話
「はぁ。」
今日何度目かのため息をつく。
今日も博士の実験につきあわされてくたくただ。
俺の名前はラルフ。転生者だ。
前世は日本に住む普通の高校生だったが、ある日交通事故で死んでしまい目覚めたらこの世界に赤ん坊として転生した。
こっちの世界の両親は大事に俺を育ててくれた。
両親は農民で裕福ではなかったけれど、俺に対し、たっぷりと愛を注いでくれた。
今思うとすごく幸せで充実した日々だったと思う。
そんな日々は俺が5才の時に突然終わりをむかえた。
戦争だった。
どこかの国の兵士が村に攻め混んできたのだ。
村人は殺され、家は燃やされ、村は蹂躙されていった。
当然俺の家にも兵士が来た。両親は必死で抵抗した。
俺の家に来た兵士は一人だったため両親が二人がかりで倒すことができたが、二人ともかなりの重傷をおってしまった。
俺はなにもできず震えていた。泣きながらヨタヨタと歩いて両親に近づき、二人を見る。
どう見ても致命傷。二人とも息が荒く、そう長くないことが俺でもわかった。
そんなときでも二人は俺に優しく、
「逃げろ。生きるんだ。」
と言って笑った。
俺は走った。俺の家の裏手には森があり、幸い兵士もそこまでは来ていなかった。
走って、泣いて、疲れ果て、それでもおれは泣き続けた。
涙も渇れ自分がどこにいるのかもわからなくなったころ、俺は意識を失った。
はじめて書きます。
どうか暖かい目で見守って下さい。
更新は不定期になるとおもいます。
もし読んでくださる優しい方はどうか気長にお待ちいただけたら幸いです。