第009話 鋭い人ってたまにいるけどそういうのって絶対裏があるよね。実は見ていたとかさ
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
「ハァ? アンタなんつった?」
「悩みはないか、と聞いたんだ」
朝八時の朝礼前。情報収集の前に聞けることを聞こうと回りくどいのはなしで陽菜に話しかけてみた。
玲の話によると陽菜は異能の影響を間接的に受けているらしい。それにつながることを少しでも聞ければいいが……。
「なんでそんなこと言わなきゃならないわけよ」
むう、やっぱりそう簡単にはいかんか。でも聞けるまでしぶとくいくぞ。
「いや、なんか調子が悪そうな気がしてな」
「フン。たとえそうであってもアンタなんかに話したりしないわ。アンタとアタシは腐れ縁の関係であって、それ以下はあっても以上はないわ。何が言いたいかというと、アタシに口出しすんなってこと」
「そいつはご挨拶だな」
「体の調子が優れぬ時は玄米を食したらよいぞ。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なそれを食すと便通が良くなって気分が晴れるぞい?」
「お前は話に入ってくんなややこしくなる」
と、ツッコんでいる内に陽菜はフンと鼻を鳴らして離れていってしまった。いや、どちらにしろもうこれ以上聞けなかっただろうから結果は同じか。
「ずいぶんとまあ高飛車なぺったんこぢゃのう。あれが幼なじみだと苦労するぢゃろう?」
「んー、そうでもないかな」
「というと?」
「腐れ縁とか幼なじみとかいってもあいつとはもう中学からほとんど話していないんだ。なんでも、ガキ大将を卒業して女の子らしくなるって決意してて、俺や嘉隆といった男子には関わらないようにしているらしいんだ。その結果がどうなったかは知らんがな」
「それぢゃよ!」
「何が」
「お年頃のおなごはおのこと交流したいもの。ぢゃけどもぺったんこはおのことの関わり方や話しかけ方を忘れてもうて、青春という時代にくすぶっておるのぢゃよ。もっとワシのように色恋の一つや二つ、やりたいと思わなければのうニッヒッヒッヒッヒ」
やったことがあるわけではないのね。
「まあそれはないと思うな」
「なしてぢゃ」
「俺が思うに陽菜は女子とのつながりを作ることに心血を注いでいるんだ。どうやら女の友情とやらを育みたいようなんだ」
あいつは以前からたまにあった男女合同の授業の時も男子との接触を避けていたし、こっちから声をかけても無視か短く返されるだけだからな。よほど徹底しているのか向こうの世界が楽しいかのどっちかだろうな。
「ともかくぺったんこの被害の有無とあるならその種類を調べないとのう」
「そうだな。そこでだ。お前にミッションを課すことにした」
「お、なんぢゃなんぢゃ? なんであろうとこのワシに任せんしゃい!」
それでは、良いお年を!




