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君が好き過ぎて終わらないRPG  作者: ものもらい
2.れっつ、こんてぃにゅー!
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??.観覧席・赤の間



【観覧席・赤の間】


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*タイトルを選んでください。


・「兎と孤独の剣士」

 ・「巫女と竜」

 ・「永遠の恋人」

 

 ・「白雪姫」

 ・「青髭」

 ・「魔女と騎士」

 ・「猫と犬」


・「茨の魔女と勇者」

・「妖精と美女」

・「死んでも続く/あなたが奏で、わたしが踊る墓場のフラメンコ」

⇒・「楽園喪失」



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【楽園喪失】  著・ベリーパティエール





―――ああ、運命とは不完全であるからこそ、面白い!




「わたくしの可愛い子、こちらにおいで」

「どれ、父様の膝に座るか?」



ある世界の神話。もう失われた、彼女の記録。


女好きの主神と嫉妬深いその妻の間に生まれた末娘は、妻が産んだ子供の中でも一番美しかったのであります。


愛らしく、黒髪と青の瞳はいつでも澄んでいました。

人懐っこくて、よくからかわれて―――言い付けもよく聞くとても良い子で、兄と姉たちにだって可愛がられておりました。



「運命のお姉様、あの、春の花が咲いていたので、…えっと、」



そんな光ある彼女は、孤独な運命の女神を大層慕っておりまして。

繊細な糸を編み、美しいタペストリーを織る、その腕をじっと見つめておりました。


「……また来たのね」


末娘は可愛らしく頷きます。


いつも運命の女神に会いに行く時は、果物やら花やら、末娘が手ずから摘んだ物を土産にしていて、「喜んでくれるかなあ」と差し出していて。運命の女神は―――



それを、踏みつけるのが唯一の、楽しみでした。



ですが末娘の目の前ではしません。彼女が帰った後、思いっきり踏み潰すのです。


孤独を強いられ、「運命」を操る故に忌み嫌われ、ヴェールを被った顔は末娘に劣るとはいえ美しいのに、彼女が母である主神の妻に可愛がられた事はありません。


自分が生まれて幼い頃は兄が可愛がられ、その次は末娘が可愛がられていて、彼女が光の中に入り込む隙など無かったのです。


そして、彼女自身もまた、母と父の腕に飛び込む勇気も、飛び込み方も分からず……。




「―――皆、よいか。我と我が妻は、新たな世界を創造する。次の主神は……」



気まぐれな主神は、口籠ると、やる気の無さそうな我が子たちに言いました。


「我が末の娘よ。これならば皆も少しはまとまろう。よいな、我が世界をぐちゃぐちゃにしてくれるなよ」

「はい」


真面目な一部の神々は、主神がまともな判断を下してくれて助かりました。

末娘はその愛らしさから、喧嘩中殴り合い中の兄たちの騒ぎを一番上手に終わらせる事が出来たのです。


「ああ、そうだ。運命の、」

「……はい?」

「いや、一応な。一応―――」


そう言うと、主神は運命の女神の能力に、少しの制限をかけました。

それは「主神の運命を操れない」というものでしたが、真面目に糸を紡ぎ織りあげてきた彼女は怒りました。…当然です、だってそれは彼女のプライドも忠実さをも否定する行為です。


それに、彼女は、主神は己の「運命」の能力から、自分を次代の主神に選ぶだろうと思っていたのです。

だって、その時まで、彼女が操りきれないのは己の生みの親だけだったのですから―――。



「い、いいですか、みなさん。勝手に余所のお嫁さんを攫っちゃいけません!勝手に殴り合いしちゃいけません!私たちの子供たちの為に、頑張りましょうね(`・ω・´)」

「ええ、そうね」

「頑張ろうな」

「うーっす」

「酒の兄さま!本殿でお酒を飲んじゃ駄目です!(;`・ω・´)ノ」



輝かしい主神の座で、末娘は良き方へと導きます。


東へ西へ、怠慢を叱り、喧嘩を仲裁し、子らに恵みと癒しを与えました。


人の子も、神々が新たに創った子らも、手をとり歌を歌い、末娘に感謝の声を上げました。


兄たちも殴り合いから蹴り合いに変わり、仕事もやっぱり手を抜いてましたがマシになりました。姉たちはもっと面倒臭い事をしでかしましたが、末娘は半泣きで何とかまとめました。


―――それを陰から見ているだけの運命の女神は、ある日、とても面白い事を思いつきました。






……時は過ぎ、今日は末娘を労うお祭りです。

今日ばかりは末娘も主神からただの神に戻り、のんびり出来るのです。


末娘を讃える神殿に舞い降りると、ヴェールを被った聖人が清めた水を手に頭を垂れました。


御御足おみあしをお清めいたします」


ただの人間が神様の素足に触れる事があってはなりませんので、こうして神の血が濃いか神の恩恵ある人間―――聖人が、舞い降りる神の世話をするのです。


「ありがとうございます」


その可憐な声に、聖人は抗え切れずに規律を破って女神を見上げてしまいました。


月影に照らされるその御姿に、彼はたやすく恋に落ちたのです。




ここからは資料が少ない故、簡単に記しますが―――末娘に恋した聖人は、その特権を使って何度も末娘に会いに行きました。


最初はニコニコと招き入れてくれた末娘ですが、時が経つにつれて困り顔です。

聖人は嫉妬深く、末娘が何かに目を向けるのを嫌がったのです。


「私は迷える子らを導かねばなりません」


だから、我儘は控えて欲しい。あなたはあなたの幸せを掴みなさい。……申し訳なさそうに言うと、聖人は言いました。


「あなたが好きだ」


そして、押し倒しました―――が、末娘が悲鳴を上げる前に、ちょうど話があってやって来た戦女神の手で無事救出され、聖人は神の牢に閉じ込められてしまいました。


聖人は水すら飲まずに牢で静かにしており、悩んだ末に、末娘は恐る恐る聖人に会いに行きました。


「ど、どうして、あんな怖い事をしたのですか?」

「好きだから」

「愛してたら酷い事はしません!」

「…あなただって、酷い事をしたじゃないか」

「え?」

「あなたを愛しているのに、あなた以外の女と幸せになれなど」


そりゃもう耳の垂れた犬のようで、末娘はまるで自分が悪いかのように錯覚しました。


「も、もうこんな事しちゃ駄目なんですからね!(;´・ω・ `)-3」


―――ですが、それは間違いでした。


味をしめた聖人は、押せ押せで末娘にスト…迫ったのです。

困った末娘は、昔のように手土産を持って、運命の女神に相談しに行きました。


運命の女神には何度も世界の事など様々な事の相談に乗ってもらっていたので、「どうすればいいのでしょう…」と疲れ切った末娘はいつものように尋ねてしまいます。


「そうね、」


向こうも、恋人を手に入れたら落ち着くでしょう。


―――そう簡単に言う運命の女神に、「それが出来たら…」と末娘は小さく返します。

すると運命の女神は「私が彼の面倒を見よう」と言い、その為の助力を願いました。


末娘は尊敬する姉の言葉を疑わずに、「分かりました!」と己の力を運命の女神に貸してしまったのです。



「気を付けて帰るのですよ?」

「ああ」


何だかんだ言って神の庭にまで招いてしまう彼女は、少し寂しく思いながらも、聖人の姿が見えなくなっても見守っていました。


するとその日―――聖人は、死んでしまったのです。


末娘が聖人の事を運命の女神に頼んでいたのを姉たちは知っていて、何度も警告したのですが……姉たちは末娘には教えられぬと、皆が「聖人に恋人が出来た」と末娘に嘘を吐きました。


末娘はそれに「……。そう…」と言うだけで、いつも通り仕事をします。

唯一変わったのは、己を労う祭りに一切顔を出さなくなった事だけです。


流石に毎日ふざけてる兄と姉たちまでも心配して、皆でこそこそと相談しました。


すると、冥府の神がのそのそやって来て、


「新たな神が生まれたんだが」


とだけ言って、妻と一緒に家に戻ってしまいました。


全員が「え?」となった後、酒の神は言いました。


「神様になれて良かったね☆オメデトーパーティーやろうぜ!」


しばらく黙った後、「じゃあそうするか」と話が決まりました。



―――もう、ここまで来ると神様の正体が分かりますね?



そう。この神様は元は聖人。禁じられた方法でなったが故に、"邪神"と呼ばれています。

邪法に禁呪などを司る神様です。


皆、もうどうしようもなくなりまして。見なかったふりをして、末娘に祝杯を渡しました。

末娘はニコニコとヴェールを被った神様に祝杯を授けます。


「おめでとう。私も、兄様も姉様も、あなたを歓迎します。邪神さん」


けれど邪神は祝杯を受け取らず、バッとヴェールを剥ぐと、



「残念だったな!俺だ!―――嫁になれ!!」

「」




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後世では邪神様はヤンデレ連中に信仰されているという……。


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